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●最近の期待の資料本:

2007.06.27 Wed

▼シルバーエイジ・サイファイ・コンパニオン

Silver Age Sci-fi Companion Silver Age Sci-fi Companion
Mike W. Barr (2007/09/19)
Twomorrows Pub
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 1つ前の記事の「ブルービートル専門ムック」や、「ゴリラが出てくるコミックス専門ムック」などの、ニッチ極まりない単行本を出し続ける、我らがトゥーモロー・パブリッシングの9月の新刊。
 その名の通り、DCコミックス社のシルバーエイジ期に、編集者ジュリアス・シュワルツが担当した数々のSFコミックスを特集したムック。

 著者が『バットマン&アウトサイダーズ』のライターでおなじみ、マイク・W.バー<Mike W. Barr>なのが謎だ。しかも、この題材で160ページも書きやがったのが凄ぇ。
(今、amazonで検索かけたら、マイク・W.バーは『スタートレック』の小説なんかも書いてた。割とSFな人なのね。そういや、『キャメロット3000』も書いてたんか)

 っつーか、『アダム・ストレンジ』『アトミック・ナイツ』『スター・ホーキンズ』といった、「当時の人気連載作品全て」「全話解説」とかいう、内容紹介を読んだだけでゲップが出そうな、いつもの「ヤリ過ぎ」な本のようで、非常に楽しみだなぁ、と。
  
  
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タグ:資料本

●最近読んだ資料。

2007.06.27 Wed

▼ブルービートル・コンパニオン:

Blue Beetle Companion: His Many Lives from 1939 to Today Blue Beetle Companion: His Many Lives from 1939 to Today
Christopher Irving (2007/05/18)
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 ギーク御用達の無駄に濃い資料本でおなじみ、トゥーモロー・パブリッシングより、最新の「業の深い本」

 その、『インフィナイト・クライシス』でブルービートル(テッド・コードさん)が注目を浴びているのに便乗して、歴代ブルービートルについて広く語り尽くす本……と、見せかけて、その実、ゴールデンエイジ版ブルービートルについて、深く、深く語ってるという、二重に業の深い本

 こう、全体のページ数が128ページなんすが。
 うち、ゴールデンエイジ・ブルービートル(フォックス版・約11年)についての記事が68ページ
 シルバーエイジ・ブルービートル(チャールトン版・約29年)についての記事が25ページ
 モダンエイジ・ブルービートル(DC版・約21年)わずか16ページ
 と、まぁ、総ページの半分以上がゴールデンエイジ/フォックス版に費やされてんだもん。
 まぁ確かに、ブルービートルというキャラクターの最盛期はゴールデンエイジなわけですが。に、しても、このボリュームはなぁ。

 多分、モダンエイジのブルービートル目当てでこの本を買ったファンは途方に暮れてると思う(っつーか、表紙を見ると、明らかにテッド・コードさんのファンを誘ってるのが卑怯だ)。

 こう、俺的にゃ、現役作家でブルービートルに縁の深い作家(キース・ギフェンや、ディック・ジョルダーノ、レン・ウェインあたり)のインタビューがあるんじゃねぇかと思ってたら、過去の発言の引用しかなくて、愕然としたよ!

 ただ、この本の執筆陣の「本当に書きたいこと」である所の、ゴールデンエイジ・ブルービートルの記事は、無駄にクオリティ高ぇのね。

 何せ、ハナから、ウィル・アイズナーがフォックス・コミックス(ブルービートルのオリジナルの版元)のビクター・フォックス(同社社長)の命令で、「スーパーマン」のパクリヒーローである、「ワンダーマン」を描かされた話を、アイズナーの自伝コミックや、『ワンダー・コミックス』の本文ページ(始めて見た!)を収録しつつ紹介ときたもんだ。
 でー、そうしたフォックス・コミックのパクリ・ヒーローの1人として、人気ラジオドラマ「グリーン・ホーネット」をパクった「ブルービートル」が誕生し、タマタマ人気を得た彼が、ラジオドラマや新聞マンガに発展してく様を、実に丁寧に語ってってますわ(ちなみに、「コミックで人気→他のメディア」に進出って流れは、当時の「スーパーマン」のマルチメディア展開の後追いですね)。

 その上、新聞マンガ版ブルービートルや、ラジオドラマ版の脚本まで再録されてる、っつー無駄な充実ブリ。さすがトゥーモローだ(っつーか、ジャック・カービィがアートを担当していた時期の新聞マンガ版「ブルービートル」を全話収録ってのに至っては、痒くないところまで手を届かせ過ぎだろ、いや、嬉しいけどさ)。


 同様に、シルバーエイジ版ブルービートルについても、チャールトン・コミックスの創設の経緯(著作権侵害で刑務所に放り込まれた創設者が、同房の人間をパートナーにして誕生)から、同社の自前の印刷機がいかにボロいかや、生原稿を改造タイプライターに突っ込んで写植を打っていた話(ヒデぇ)など、チャールトン・コミックスの社史とその大ざっぱでシミッタレな社風を無闇にフォローした上で、歴代ブルービートルの話をしてまして、実に手堅いっす(その意味では、チャールトン・コミックスについての基礎の資料としても価値あるよ)。

 ……ま、その分、割を食ってるのがモダンエイジの記事でな。
 つか、テッドさんと現ビートルに加えて、『キングダム・カム』版ブルービートルや、スカーレットスカラベ、シルバースカラベ、ナイトオウルといった、ブルービートルにインスパイアされたキャラクターの紹介までを16ページですましてるんだから、まぁ、駆け足になりまさぁな。


 結論としちゃ、あれだ。「ブルービートルというキャラ」に興味のある人が買っても、しょうもない本だわ。ミもフタもないですが。

 一方で、こう、「ブルービートルという作品」を形作ってきたもの――フォックス・コミックスや、チャールトン・コミックスといった風変わりな版元や、アイズナーやカービィ、ディッコ、ジョルダーノといった一流作家らとの奇縁――に興味のある人が買うと、死ぬほど面白ぇのは、保証する。

 個人的にも、やっぱりフォックス・コミックスに関する記述全般が、面白かった。特にゴールデンエイジ・ブルービートルのオリジナルのアーティストが実は藪の中(アヤシいのは2人)っつー話は、良かった。



  
  
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タグ:資料本

●これからのDCコミックス。

2007.06.19 Tue

▼これからの日々:

 こう、「ウィザード・ワールド」コンベンションで、諸々のDCコミックスの「これから」が提示されてますな。

 っつーわけで、気になった発言を、適当にまとめてみた。 

※要は今後の展開のネタバレなんで、読みたい人だけ「続きを読む」を押しやがれ。(※)

 ちなみにネタ元は、この辺。
http://www.wizarduniverse.com/magazine/wizard/004851880.cfm
http://www.wizarduniverse.com/magazine/wizard/004845695.cfm
http://www.comicscontinuum.com/stories/0706/16/dcupanel.htm
http://www.newsarama.com/heroes_philly07/DC/sat/dcu.html
http://www.newsarama.com/dcnew/Sept07/solicitations.html

(※)「http://ironjoe.blog7.fc2.com/blog-entry-63.html」の方に直接飛んできてる人は、「続きを読む」ボタンが表示されないので注意だ。
……今更遅いけどな。

追記:なんや知りませんが、この記事にやたらスパムコメントが付くので、この記事のコメントを不可にしました。
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●最近の期待の単行本の巻:

2007.06.13 Wed

▼TPBに期待する日々:

 12月にDCコミックスから出る単行本「Legion of Super-Heroes: An Eye For An Eye」の収録内容が『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』の第1~6号ってあるけど、ライターがポール・レーヴッツ&キース・ギフェンってことは、この『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』って、1984年創刊の『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』(vol. 3)のことかよ! 意表を突かれたよ!

 つか、個人的には、このvol. 3の第37-38号(ポスト・クライシスのスーパーボーイのコンティニュティの矛盾を解消する話。無闇に高いプレミアが付いている)が読みてぇんで、第2巻以降も無闇に続巻が出ることを希望したく。<どうだろなぁ。

 あと11月に、DCの「ショーケース・プレゼンツ」レーベルの単行本で、『ザ・シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ』が出るですが。
 DCのいわゆる「黒歴史」であるところの『キャンセルド・コミックス・キャバルケイド』第2号(※)に掲載された、幻の『ザ・シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ』第16号の原稿も収録されるのが、地味に凄ぇなぁ、と、思った。

(※)『キャンセルド・コミックス・キャバルケイド』:説明するのが面倒くさいので、昔俺が書いた「DCインプロージョン」についての記事を読め。<長いよ、その記事。

 とりあえず、本年度の「俺アワード」のベストTPB部門はこの本に決定だ(ちなみに、ベストシングルイシュー部門は『ゴーストライダー:ファイナル』)。
 ……っつーか、よく原稿残ってたよなぁ。多分、打ち切りが決定する前に作ってた製版フィルムが残ってて、そっから復刻してんじゃねぇか、と思うですが。ゼロックス・コピー版『キャンセルド・コミックス・キャバルケイド』をスキャニングして復刻してた、とかだったら、笑うなぁ(<ないない)。

 どうでもいいけど、『キャンセルド・コミックス・キャバルケイド』の表紙って、ワザワザ描き下ろしされてるのね。
 どちらの表紙も「DCの配送トラックから捨てられるヒーローたち」「DC本社からおん出されるヒーローたち」っつー、当時のスタッフのヤケのヤンパチぶりがうかがえる、ステキな表紙で、苦笑いしますが。


▼豆知識:『ザ・シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ』

 1976年に刊行されたオンゴーイングのシリーズ(隔月刊)。その名の通り、ゴリラ・グロッド、スターサファイア、キャプテン・コールドといった悪人(スーパーヴィラン)たちがチームを組んで、毎回悪巧みをする、っつー、一風毛色の変わったシリーズ。ちなみに、現行のDCユニバースを騒がせてる悪人軍団「ソサエティ」の元ネタ。

 シリーズの企画を立ち上げたのは、編集者のゲリー・コンウェイ。当時の彼は、「コンウェイズ・コーナー」と呼ばれる一連の(やはり、どことなく変わった雰囲気の)作品群を生み出していた。

 ただし、この『ザ・シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ』は、創刊前にコンウェイがマーヴル・コミックスの総編集長として引き抜かれちまったために、最初の1、2号しか、コンウェイは関わっていない……と、思いきや、コンウェイはホンの半月でマーヴルを辞し、DCコミックスに今度はフリーのライターとして復帰、っつー、ワケの解らない動きを見せた為に、このシリーズの後半のライティングを担当している。

 シリーズはその後、悪名高い「DCインプロージョン」事件のために、第15号で問答無用で打ち切られる。次号、第16号は原稿のインキングも終わっていたにも関わらず、お蔵入り。

 納得いかないコンウェイは、その後ライターに就任した『ジャスティスリーグ・オブ・アメリカ』誌上で、この『シークレット・ソサエティ』の第16号以降の話の続きを書く。

 ちなみに今回の「ショーケース・プレゼンツ」版単行本では、この『ザ・シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ』オンゴーイングシリーズ全15話に加え、

・『DCスペシャルシリーズ』第6号:特別編。オンゴーイングシリーズの第10~11号の間の話。

・『ジャスティスリーグ・オブ・アメリカ』第166-168号:本シリーズが打ち切られた後にコンウェイが書いた、事実上の最終エピソード。ソサエティvs.ジャスティスリーグ。

それに、
・『DCスペシャル』第27号:『ソサエティ』の初期の仇敵であるヒーロー、キャプテン・コメットが活躍する話を収録。JLAマニヤ的には、コメットがジャスティスリーグ入りするエピソードとして、割と必携。

・『スーパーチーム・ファミリー』第13-14号:第13号はキャプテン・コメットが、第14号はソサエティがそれぞれゲスト出演。

 さらに
・『キャンセルド・コミックス・キャバルケイド』第2号

 と、シリーズ完全収録のみならず、その周囲の「読んでおくべき本」までも網羅した実にスキのない収録ブリがイカス。

『ラーン/サナガー ウォー』や、こないだの『ミステリー・イン・スペース』ミニシリーズで、キャプテン・コメットに興味を持った人は、キャプテンのレアな登場回が収録されてる、この本を読むのも良いんじゃねぇか。



  
  
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タグ:豆知識

●エンパワードな、日々。

2007.06.09 Sat

 割と久々な「今日読んだアメコミ」なエントリ(っつーか、ブログに移行してから、めっきり減ってましたね)。

 っつーワケで、今回は、この単行本。

▼『エンパワード<Empowered>』 Volume 1

 最近は、ライターの仕事が増えて、絵の方は割とご無沙汰だったアダム・ウォーレンが、久々に作・画双方を手掛けた新作単行本。

 版元は古巣のダークホース・コミックス社。

 とりあえず、オイラはAmazonで購入したんすが、
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の欄の商品が、
Power Girl
Supergirl and the Legion of Super-heroes: Strange Visitor from Another Century
Essential Ms. Marvel 1
 という、実に解りやすいラインナップで苦笑する。

 でー、内容は、「着ると超能力(怪力・耐弾性・光線の投射・透明化)を発揮できるスーパースーツ」を何故か入手して(入手の経緯は劇中では一切語られず)、スーパーヒロイン“エンパワード”ちゃんが、ヒーローチーム・スーパーホーミーズの仲間たちと共に頑張るお話。

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この表紙の中央がエンパワードちゃん。これだけ見ると、まぁ、ヒーローものっぽく見えるんですが。

 ……っつーと、まぁ、真っ当なヒーローものっぽく聞こえますが、実際には、このスーパースーツが、思った通りに能力を発揮できないポンコツでして。

 ヒロインとしてロクに活躍できないエンパワードちゃんは、ホーミーズのオミソあつかいで、任務中に姿を消しても誰にも気付かれないという空気っぷり&どうでもいい三下悪人相手の任務に適当に送り込まれる小物ぶりで。

 しかもスーツにゃ、「わずかでも破けるとパワーがガタ落ち、かなり破けると無力になる」っつー致命的な弱点がありまして(※ちなみにスーツ自体には再生機能があり、破けても元に戻る……数時間後だけど)。

 一方で、エンパワードちゃんは先天的な「ドジっ子」キャラでして、毎回のようにスーツを破いちまって悪人に捕まり、あられもない格好のまま縛られ、口にはギャグをカマされ、更にヒドい目にあわされる、っつー。

 一言で言うと、「ダメなヒロイン大ピンチ」系のコメディですな。

 で、このシバられるエンパワードちゃんが、非常にエロくてな
 ……こんな具合に。

emp01.jpg

……俺は何を本気になってスキャンしてるんだ。
毎回、ご丁寧にギャグ(猿ぐつわ)をカマす所に、ウォーレンの業の深さがウカガエますね。


 ちなみに、この本な、
1.シュリンクパックされてて、立ち読みできないようになってる
2.表紙に「Parental Advisory」(子供が読む場合、保護者の指導を要する)のシールが貼られてる

 ってな具合で、最初、「何このガードの堅さ」とか思ったんだけど、中身見て、「うむ、こりゃ確かにお子様の手の届く所に置けん」と、納得した。

 ま、エロイけど、「Parental Advisory」なんで、「チクビは絶対に見えない」んだけどな。

 でも、「明白にセックスしてる」シーンはやたらあるんですが……。

emp02.jpg

……これ絶対「Mature Readers」だと思うがなぁ。

 チクビ見えなきゃ「Parental Advisory」って、それはどうかと思うねん。<なにを真面目になってるんだか。

 閑話休題。

 その、元々アダム・ウォーレンには、ボンデージ趣味があって、しかも「縛り」に特化したフェチだ、っつーのは、ウォーレンのファンなら常識ですが(<知らねぇよ)
 どれくらい常識か、っつーと、ウォーレンがコミッション(※簡単に言うと、作家にそれなりの金を払って自分の好きな絵をスケッチブックなどに描いてもらう習慣)を描く際、依頼主からリクエストとして「エロい格好で縛られてるヒロイン描いてくれ」っつーのが、カツ丼の三つ葉並に付き物なトッピングだったりするぐらい、ですが。


手持ちの同人誌「アダム・ウォーレン スケッチブック」より、ウォーレンのボンデージ趣味のサンプル。
クリックすると大きくなるヨ!


 でー、この手のコミッションを延々と描き続けてきたウォーレンは、単なる「エロい格好の姉ちゃん」を描くのに飽きて、やがて、この「エロイ格好のお姉ちゃん」の設定を作り込んで、コミッションの絵を物語仕立てにしていったそうで(単なるエロイ格好では燃えず、シチュエーションを掘り下げにこだわるあたり、フェティッシュのあるべき態度ですな)。
 こうして誕生したのが、エンパワードちゃんなのでした、と。

 その後、ウォーレンは、この勝手に発展したエンパワードちゃんのショート・コミックスを、気が向いた時に描き下ろしては、知り合いの編集者や作家などにメールで送ってたそうで。
 でー、この「Eメール・コミックス」の連載は2年間も続きまして、ウォーレンはそのうちウェブ・コミックスかなにかの媒体で発表しようか、と思ってたら、メーリングリストの参加者だったダークホースの編集者に声をかけられて、ってな経緯で、単行本になったそうで。

 こう、ジャパンでも最近微妙に流行りの、「人気ブログのマンガを単行本化」とかに近い感じ……ってほどでもねぇか。


 で、元々内輪で見せてたコミックですんで、絵的には、「鉛筆描き→線を整理→スキャナ取り込み」な感じのスタイル。この辺も、「ブログのマンガ単行本化」なコミックに似てるっちゃ似てるけど、ウォレンの場合、密度が凄ぇ。
 単に作業の省力化、ではなく、画材として鉛筆を存分に活用してる感じが、良いです。

sample03.jpg

 ウォーレンは革ジャン大好き、ってのは、ファンの間では常識(<だから知らねぇって)ですが、このコマとかの革ジャンのシワの寄り方とか質感とか、すっげぇフェティッシュに描き込んでるよなぁ。

 こう、ウォレンは、無駄に緻密なネーム(完成原稿に近い密度)を描いた上で、さらに1から下描きを描く、ということはウォレンファンの間では(<もういい)。
 一方で、ウォレンはインクのスピードが遅くて、全行程の中では一番時間がかかるっぽいのですが。
 この『エンパワード』の場合、通常の行程の
「(異様に緻密な)ネーム」→「(1から)下描き」→「ペン入れ」→「仕上げ」
 の、
「ネーム」以降を全部すっ飛ばせるので(まぁ、線の整理とか、タッチの追加はあるでしょうが)、非常に楽なんだそうで(ウォレン曰く、「1日2、3ページ描けるぜ!」)。



前述の同人誌より、ウォーレンの「ネーム」の例。これを破棄して、さらに下描き描くんだぜ!

 こう、元々、内輪で気楽に発表してたコミックですんで、各話のページ数は、4~8ページくらいと、割合「気分次第」(最短2ページ、最長でも13ページ程度)。
 単行本は全240ページで、まぁ、30数本ほどの短編が掲載(各話の合間にはタイトルとして1ページ入る。このタイトルは描き下ろしで、エンパワードちゃんが読者にやくたいもないことを話しかける「メタ」なページ<と、エンパワードちゃん自ら言ってるねん)

 こう、初期の物語は、上で描いたような、悪人に捕まったりするエンパワードちゃんの受難の日々を描いてるんですが(ページ数が少ないんで、開幕、いきなりつかまってるのがミソ<まぁ、描きたいトコだけ描いてる、ともいうが)。
 単行本の1/3くらい、エンパワードちゃんの恋人サグボーイや、女友達のニンジェット、チームメイト(兼、イヤミなライバルキャラ)のシスター・スプーキー、世界の破壊者デーモンウルフ様(仮名)あたりのサブキャラクターが出そろったあたりから、物語の方向性が如実に変化してきまして。「エロいシチュエーションを描くコミック」から、「エロネタが満載なヒーローものコメディ」にシフトしてくねん。
(※ちなみに登場人物は全員コードネームやアダ名などで呼ばれており、本名は不明。元々エンパワードちゃんが、コミッション用の「誰でもない誰か」なヒロインとして出発した流れでそうなってるのかね)。

 で、物語にも連続性が出てきまして、サグボーイの秘められた過去とか、スプーキーがエンパワードちゃんを一方的に嫌ってる理由だのが明かされて、各キャラクターが掘り下げられてきまして。
 後半1/3では、サグボーイがアレとアレしてたことが発覚して、2人の関係が非常にアレなことになり、でも本当にしょうもない(しかもエロイ)ことからモトサヤに収まるっつー、「ヒーローものとかどうでもよくなってるだろ、おい」「でも、キャラクターを生き生きと描いてやがるなぁ」な展開に。
 カナリク、キャラクターが勝手に動き出しちゃったんだろうなぁ。うん。

 こう、キース・ギフェンの『ジャスティスリーグ』の「カメラが向いてない時のヒーローたちの日常を描く」路線に「セックス」をブチコンで煮詰めた具合な、オフビートなヒーローものコメディ、とかいうと、ウチのブログのコアな読者さんには解りやすいでしょうか(ウォレンは明言してないけど、デーモンウルフ様のキャラクター造型とか、絶対ギフェンの影響下にあるよなぁ)。

 こう、これまでのウォーレン作品とは随分と毛色が変わったというか。根っ子のギャグのセンス自体は、いつものウォーレンではあるけれど、「うっかりSFファンとしての地が出ちゃって、延々とガジェットの説明ネームを読まされる」とか「時系列を変に入り組ませる」っと行った辺りの、“ウォーレンの悪い癖”は、まったくないので、非常に読みやすいです。

 結論としては
「オフビートなヒーローものコメディの好きな人は、読め、断じて」
 もしくは
「ヒロインがエロい目に遭わされるのが好きな人は、読め」
 な感じ。

 ちなみに、2巻も7月発売予定。
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スーパーヒロインとして華々しく成長したエンパワードちゃんのカッコいいトコが……見れないんだろうなぁ、多分。

 第2巻のレビューはこっち


  
  
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タグ:今日読んだアメコミ アメリカのマンガ

●最近の日常。

2007.06.05 Tue

 前回の記事掲載後、閲覧者が普段の数倍に伸びる伸びる。

 君ら、そんなに触手エロ好きか。

 そんな皆のために、次回の更新では、某ボンデージ・スーパーヒロイン・コミックのレビューでもしようかと考えてるので、期待せずに待っていると良いのではないでしょうか。


 あと、夏のコミック・マーケットに受かったねん。

「土曜・東地区Kブロック41b」だって。

 とりあえず、新刊のネタは「1980年代 北米で人気を博した某ロボットアニメ」を予定。実写映画化で盛り上がるアレ。

 ま、現時点で原稿は1ミリたりとも出来てねぇので、多分、出ねぇ。

 本業の方で、同人誌みてぇな趣味的な本を作ってるんで、どうも、趣味の方に情熱が沸かないねん。
  
  
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タグ:同人誌

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