Home>2007年12月  TotalPages1

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

●最近のメタル。

2007.12.30 Sun

 その後のメタルフィギュア塗装ー。

 メタルフィギャー塗るの楽しいなぁ。塗る面積が小さいので、ちょっと手を動かしただけで「おぉ、また一歩完成に近づいたのぜ」とか実感できるのがグッドねー。

 とりあえず、あえて「メタルフィギュアの塗り方」的なモンをネットで検索したりはせず、自分の過去の知識と横山 宏本を参考書に(っつーても、この本、メタルフィギュアの塗り方なんて項目はないですが)、仕上げようかと思いつつ。

 とりあえず、メインの部分の下地色を塗り終わった。


背景にどうでもいいネタを仕込むのはやめましょう。

 Captain Yさんのブログにちろりと「今年のメイクの下地色は茶色が流行よ!」とか書いてあったのを参考にした。流行には弱いのです(つかまぁ、武器の柄に塗ったウッドブラウンをついでに下地色として塗り込んだだけですが。

 あとは細かい所を塗ったり、ハイライトを塗ったり、ウェザリングをしたり、メタルカラーを綿棒で磨いたりして仕上げー。

 今回、試しにウェザリング用にMIGプロダクションのピグメント(顔料)を買ってみたので、使うのが楽しみだぜー。多分、使いすぎで目も当てられない結果になるけど(ヲイ)。

 でもまぁ、こっから先の、細かい部分の配色とかで、たぶん台無しになるんだろうなぁ、と、後ろ向きに思う。

 色彩センスのない人間は、細かく塗り分けるよりも、大部分同じ色+ワンポイントで補色、とかの方が失敗しないわよね、とか、己の過去のアヤマチからの教訓を胸に刻みつつ。
  
  
関連記事
スポンサーサイト

●あるいはそれすらも、どうでもよい日常。

2007.12.30 Sun

▼(Not)コミケな日々:

 コミケに、行かなかった。

 仕事納めの日(28日)に完徹して、朝の10時まで気を張ってたんで、身体がいうことをきいてくれませんでした。もう歳ですね。腰とか痛いし。

 っつーか、去年も仕事納めの日に、完徹してからサークル参加してたですが、去年は、コミケのアメコミ系サークルの参加日が、2日目だったお陰で、多少の休養が取れたですよ。

 こんな感じで。

 仕事納めの日(徹夜)
  ↓
 コミケ1日目(少し休憩取りつつ、コミケに出す本の製本で徹夜)
  ↓
 コミケ2日目

 がー、今回からアメコミ系サークルの参加日が1日目に移動しててね。例年通りの中1日の休憩が取れなくなってた。多分、今回サークル参加してたら死んでたんじゃないか(<大ゲサ)。

 ある意味、今回ウチのサークルが落選してたのは天の配剤といわざるをえない(<だから大げさだって)。

 で、次回、夏のコミケもアメコミ系のサークルは1日目(金曜日)だそうですね。サラリーマンに、平日にサークル参加しろというのか。

 さて、どうしよう。


▼クレジットな日々:

 こう最近、新刊コミックの作家クレジットとかに気を使わなくなってたのですが。

 油断してたら、『ロビン』のライターにチャック・ディクソンが復帰してて、しかも3月からは『フラッシュ』のライターにトム・ペイヤーが就任、とかいうことになってて驚く。なんたる俺好みな布陣だ。

 キング・スネークを復活させないかなぁディクソンとか、『アワーマン』の「変なSF」テイストを『フラッシュ』にも持ち込んでくれないかなぁペイヤーとか、ポヤヤンと妄想。

 っつーか、この辺の新人事で一番驚愕したのは、『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』のライターに、ジム・シューターが就任、っつーソレですが。

 本当に、シューター? ジム・スターリンでも、ジム・バレンチノでもなく、ましてやジム・リーでもなく、ジム・シューター? あの、「ヘイ、このスタン・リーとか言う奴の作風をパクって、旧態依然としたDCコミックスに売りつければ金になるぜ!」とか思って、13歳で『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』でライターデビューしたジム・シューター? 総編集長を下ろされた後、どこぞの山師と組んでマーヴルを買収しようとしたジム・シューター? (お詫び:この後20行に渡り、ジム・シューターへの有象無象の讒言が続きますが、あまりに読むに耐えないため、カットいたしました)

 ……ま、とりあえず、『リージョン』を定期購読してみようかなぁ、と思った。ついでに、ポール・レーヴィッツ(現DCのシャチョー。ギフェンらと組んで、『リージョン』黄金時代を築いたりした人。1年程前に『JSA』でゲストライターとして書いてた)も、連載持たないかなぁ。

 レーヴィッツといえば、3月の『ジャスティスリーグ・アンリミテッド』のブースター&ビートル主役回のライターが、まんまキース・ギフェンで吹いた。同月の『ブースター・ゴールド』で、ブースター&ビートルコンビ復活記念てことか。
  
  
※2010年4月追記:この後、まさか本当にレーヴィッツが『リージョン』のライターになるとはなぁ。
  
  
関連記事

タグ:同人誌

●いかにしてシーゲル&シャスターはDCコミックスと和解するに至ったか。

2007.12.28 Fri

▼唐突なるテキスト:

 ウチのブログ恒例、「書きかけで放り出してたテキストを突発的にリメイク&ペーストしてそのまま逃走」シリーズ。

 この間の「スーパーボーイの著作権」についての一連のエントリ用に書いてたんだけど、スーパーボーイのの著作権とは直接的に関係なかったんで、省略した「シーゲル&シャスターとDCコミックスとの和解」についてのテキストを、なんとなくリメイク。

 文章が、なんの脈絡もなく「なお」で始まるのは、元々スーパーボーイ講座のテキストのどっかに挿入するためだったので(面倒くさいので、いちいち前置きとか書き起こさねぇ。<なんたるダムンだ)。「なお」以前の事柄について知りたい人は、オリジナルの「●スーパーボーイは、ジェリー・シーゲルの著作物だった。」エントリを読むよろしね。

 っつーわけで。


▼アメコミ講座・余話:DCとシーゲル&シャスターが和解するまで:

 なお、1948年の裁判に敗訴したシーゲル&シャスターは、その後、もう1度DCコミックス社を相手に「スーパーマン」の著作権を取り戻すべく訴えを起こしてます、実は。

 彼らが訴えを起こしたのは、1969年。
 なぜこの時期に訴えたかというと、彼らが1938年に移転させた「スーパーマン」の著作権の最初の保持期限が来てたからですね(1938年+28年=1966年までが最初の保持期限)。

※「著作権の保持期限」に関しても、オリジナルのエントリのどこか(<どこだよ)を読み返してください。

 無論、DCコミックス社側は、著作権保持の再更新を申請して、更に28年間「スーパーマン」の著作権を保持しようとしてたのですが、シーゲル&シャスターは「再更新など認めん」とばかりに訴えを起こしたのでありますな。

 さて前回の裁判では、書類と有能な弁護士を揃えていたDCコミックス社に対し、大した用意もせずに望み、結果、ナススベなく敗北を喫したシーゲル&シャスターでしたが。
 この2度目の裁判では、それなりに資料を用意しつつ粘り強く争ったようで、裁判は実に6年にも渡り続きました。

 チナミニ、シーゲルらが訴えを起こす2、3年前、1967年度にDCコミックスは、巨大メディアコングロマリットのキニー・ナショナル・サービス<Kinney National Services>傘下に入りまして。
 で、このキニーは翌1968年に、かのワーナースタジオも買収しまして、更に合併を期に、社名を「ワーナー・コミュニケーションズ<Warner Communications>」に改称してます。早い話が、現在のタイム・ワーナーの前身ですな。

 でで、そんな大企業サマに、シーゲル&シャスターは噛みついちゃった訳ですよ。

 ……どんな結果になったかは、その、お察しください。

 まあ具体的にいいますと、1975年4月、「スーパーマンは、シーゲルとシャスターが、DCコミックス社の雇用人としての立場で生み出したものであり、彼ら2人には著作権は属していない」との判決が下されまして、シーゲル&シャスターの訴えは退けられました。

 一説では、この裁判にはシーゲル&シャスターが「スーパーマン」を(DCの雇用人としての立場でなく)個人で生み出したことを示す証拠が無数に提示されたそうですが、にも関わらず上記のような判決が下されたそうで。
 さすがはワーナーの弁護士軍団ですな。

 めでたし、めでたし(ワーナー帝国が)。


 ちなみに、この判決の出た1975年に、ワーナー大帝国は、劇場用大作映画『スーパーマン』の制作をアナウンスします(まぁ、判決が出たから、ってワケじゃないでしょうが)。
 で、この知らせを聞いたシーゲルは、「奴ら、俺の作品でまだ大儲けしやがる気だ!(血涙)」的に激昂しまして(言うまでもなく、この劇場版の収益はシーゲルらには一切還元されません)、「スーパーマン」の権利を巡るDCとの戦いを継続しようとの意思を新たにします。
 が、彼らの弁護士は、この時はなぜか積極的に動こうとはしませんで(……控訴しても負けるのが目に見えてたからでしょうかね)。

 しかし憤懣やるかたないシーゲルは、DCコミックスのジャック・リーボウィッツが、いかにして彼らからスーパーマンの権利を巻き上げたかを、切々と――実に10ページにも渡り――綴った文章を書き上げると、コミック業界内の各方面に送り、彼らを援助してくれるよう求めます。
 そして当時、「コミックブック芸術アカデミー<Academy of Comic Book Arts>」(※)の委員長を努めていたニール・アダムスも、この手紙を受け取った1人でした。

(※)コミックブック芸術アカデミー:アカデミー賞を送り出してる「映像芸術科学アカデミー<Academy of Motion Picture Arts and Sciences>」に倣って1970年頃に創設された組織。コミック界のアカデミー賞とでもいうべき「シャザム賞<Shazam Awards>」を創設したが、1970年代後半に活動を停止。別に業界内に強い権力を持ってたりはしないので、普通はこんな所に「困ってます」な手紙は出さない。

「その手紙を見た俺は、誰かが何かしなきゃならないと感じた。その誰かってのは、おそらくは弁護士ではあり得ない。何故なら、これまで彼らがしてきたことはいずれも失敗に終わっていたからだ。だから、問題は誰がそれをやろうか? ってことと、いかにしてやるか? ってことだ」(アダムス談)
引用元:こちらの記事

 が、アダムスは、その役目に相応しい人間を思いつけませんで。結局の所アダムスは「誰もいなきゃ、俺がやるしかないじゃん」的に、自身が立ち上がります。

「俺はこの業界の誰にも恩義を感じちゃいない、だから、俺の振り上げた拳は誰にも止められやしない」
「もしもDCコミックスが俺に今後1ページたりとも仕事を回してくれなくとも、そんなことは関係ない。俺には他に仕事の口はある」

引用元:同上

 こうしてアダムスは、シーゲルらと接触し彼らの後援を申し出まして。
 電話にてシーゲル&シャスターの現状を聞いたアダムスは、この闘争をやり抜く決意を固めます。
 ――なにせ、当時のシーゲルは、20年以上もコミック業界から干され、単なる事務員として7500ドルの年収で妻と娘を養っていたし、一方のシーゲルは独身の上、半ば盲目になっており、兄弟のアパートに居候しメッセンジャーとして辛うじて糊口をしのいでいたものの、冬の寒さに耐えるための外套すら買えないという窮状でしたので。

 こうしてアダムスは、以降4ヶ月に渡りシーゲル&シャスターの窮状を訴え、彼らに正統な権利を与えるための運動を展開してきます。
 アダムスは、シーゲルとシャスターを(時には自分自身も)TVのトークショーやニュース番組に出演させ、彼らの現状を大衆に伝えさせ、また定期的に記者会見を開き、諸々の原稿をマスコミ各位に発信していきました。
 やがて、全米最大規模のコミック作家組織「ナショナル・カートゥニスツ・ソサエティ<the National Cartoonists Society>」(※)や、個人のコミック作家らもアダムスの運動に協力を申し出ます。

(※)ナショナル・カートゥニスツ・ソサエティ:1946年創設の、由緒正しきプロ作家の組織。こちらは「ルーベン賞<Reuben Awards>」を設立している。「よりよいカートゥーンの明日のために」的な理念で作られた組織であり、「作家組合」的な権力は持たない。ただし、コミックブック業界のみならず、新聞マンガや広告業界などの作家も所属してるので、本気になって何らかのアクションを起こすと、けっこうな影響力となる。

 さて、こうした事態を重く見たDCとワーナーは、程なくしてアダムスに接触。連日のようにアダムスと会合を持ち、シーゲルとシャスターの処遇についての摺り合わせを行っていきます。
 で、1976年2月、DCコミックス社はシーゲルとシャスターに対し、年間各3万5千ドルの生涯年金医療補助を与えることを確約します。
 また、1948年の裁判以来、抹消されていた「スーパーマンのクリエイターは、ジェリー・シーゲル&ジョー・シャスターである」というクレジットも『スーパーマン』のコミックに復活することとなりました(『スーパーマン』が、TVドラマや、映画、アニメーションなど、他の媒体に進出した際にも、きちんとシーゲル&シャスターのクレジットは記載されています)。

 こうして、シャスター&シーゲルは、その晩節を安楽に過ごし(失った時間は取り戻せませんでしたが)、DCとワーナーも、「クリエイターたちに温情を与えた」として、評判を取ることとなりました。

 めでたし、めでたし(まぁ、それなりにみんなが)。


 以上、リメイク終了。
  
  
関連記事

タグ:アメコミ講座

●どうでもよい豆知識:ミドルネームに「!」を持つ男。

2007.12.27 Thu

▼どうでもよい豆知識:エリオット・S! マギンのミドルネームの「!」の謎:

 1970年代~1980年代の『スーパーマン』誌のライターとして有名なエリオット・S! マギン<Elliot S! Maggin>。その彼が何ゆえにミドルネーム(の、後ろ)に「!」マークを書いてるのか? という、多分、俺以外に誰も興味がないであろう豆知識。

 マギンがコミックのライターを始めた頃のコミック雑誌は、まだまだ印刷が粗悪であり、セリフのピリオド(.)が、かすれてしまい、文と文の切れ目が分かり難いことがあった。

 そのためマギンは、セリフの文末には、できうる限りピリオドではなく、エクスクラメーション・マーク(!)を使うようにしていた。エクスクラメーション・マークなら、かすれていても判読しやすいから、という生活の知恵からだ。

 そうして、ピリオドの代わりにエクスクラメーション・マークを使うのがすっかり習慣となっていたマギンは、ある時、書き上げたばかりの脚本の署名を、うっかり「S.Maggin」ではなく、「S! Maggin」とタイプしてしまった。

 この原稿を手渡されたのが、DCコミックスの名物編集者、ジュリアス・シュワルツだった。奇妙なユーモアセンスの持ち主であるシュワルツ(どれくらい奇妙かというと、あのキース・ギフェンの『アンブッシュ・バグ』を面白がって、続編を書くことを執拗に勧めたくらい)は、この「S! Maggin」という誤記の語感を気に入ってしまった。

 それでシュワルツはDCコミックス全社に対し、「今後エリオット・S.マギンの表記を“エリオット・S! マギン”で統一すること」という業務命令をくだしてしまった。


 以降、マギンはDCコミックスでのクレジット全てが「エリオット・S! マギン」名義で表記されるようになった。シュワルツの業務命令は徹底しており、出版予定などの公的な文章ですらも、「S! マギン」名義が用いられた。

 シュワルツは1986年にDCコミックスを引退し、2004年に亡くなったが、今なおDCでのマギンの仕事のクレジットには「!」が付けられている。


 ちなみにこのマギン、コミック作家としてのデビューの経緯がとてもヘン。

 大学生時代、精魂込めて書いたレポートが「B+」をつけられたことに憤慨したマギン、レポートをコミックの脚本に書き換え、DCに送りつけたらそれが採用されてコミック作家としてデビューしたんだとか(※作家としては既にデビューしていた)。

 ただし、「見ろ、これが正当な評価だ」的に、その事実を伝えても、レポートの成績は変わらなかった模様。
  

エリオット・S!マギンでAmazon検索してみた
(『キングダム・カム』が引っかかるのは、前書きをマギンが書いてるから)
  

  
  
関連記事

タグ:豆知識

●どうでもよき、年末@エリプレ風味。

2007.12.26 Wed

▼最近のゲンナリ:

「フィギュア王」の映画コラムで、「『エイリアンズvsプレデター2』のオチはあの映画とおんなじダヨ!」とか書かれてるのを読んでしまい、「あの映画」のオチを知ってる俺さん心底ゲンナリ。

 担当ライターに「爪を切った直後に爪が伸びてる方が便利な状況に陥る(値札シールを剥がすとか)」的な、ささやかな呪いが振りかからんことを祈る、そんな聖夜。

 まぁ、見に行きますけど。公開初日に。歌舞伎町あたりで。オールナイトで。多分連続2回。


▼どうでも良い発見:

 本当にどうでも良いことですが、ダークホース・コミック社のコミック版『エイリアンズ』第1作であるところの『Aliens Book One: Outbreak』を小説化した『Aliens Book One: Earth Hive』が、角川ホラー文庫から、『エイリアン:地球殲滅』の邦題で、1995年に邦訳されてたことを知る。
 オリジナルのコミック版『エイリアンズ』は3部作なのに倣って、この小説版『エイリアンズ』も3作が出てるんですが、角川ホラー文庫版は、この1作目だけで打ち切られた模様(訳者後書きでは「2、3巻もお楽しみに」的なことも書いてあったけどね……)。

 ちなみに、この3部作の主人公は、エイリアンに襲われた植民地惑星のただ1人の生き残りの少女ビリーと、植民地惑星に乗り込んだ宇宙海兵隊員のただ1人の生き残りのウィルクス伍長なんですが、実はこの2人、オリジナルのコミック版では『エイリアン2』のニュートヒックス伍長だったりしますわ。

 そもそもこのシリーズ、映画版『エイリアン3』(1992)が製作されるよりも前『エイリアン2』の続編として、1990~1991年に刊行されたコミックでして(リプリーは肖像権の関係か何かで第1作では「もう1人の一般人の生存者」程度に言及されるのみ。……2巻、3巻では肖像権が獲得できたようですが<彼女の作中での位置づけはネタバレになるので、まぁ詳細は秘す)。

 でー、映画の『エイリアン3』を見た方はご存じでしょうが、『エイリアン2』の後に(もしくは『3』冒頭?)、ヒックスとニュートがああいうことになったせいで、コミック版の方の展開に矛盾が生じることになりまして。
 結果、『エイリアン3』以降に刷られたコミック版『エイリアンズ』の単行本や、『3』公開後の1993年から刊行が始まった小説版3部作では、登場キャラクターの名前が変更されることとなった模様(多分。もしかしたら違うかもしれん<後述)。

 ただし、この名前の変更は、コミック版ではヒックス、ニュートの2人だけでして。ウィルクス/ヒックスの回想シーンでエイポーン、バスケスといった、『2』の登場人物の名前が普通に挙げられてたりしますが(ちなみに、邦訳版小説の同じシーンでは、名前は変わってましたが)。

 つかそもそもコミック版じゃ、肝心なリプリーの名前が変更されていないんですが……。
 おかげでコミック版の第3作目では、ビリーはリプリーと面識があるような描写がなされてたり、リプリー視点のモノローグで普通にニュートらの名前が出てたりと、予備知識無しに読むと、かなり混乱させられるんじゃねぇかと思うですが。

 ……あー、もしかして、コミック版のニュート&ヒックス名前変更って、前述の仮説「『3』との矛盾を解消するため」じゃなく、別の理由だったりするのか? さてはそもそも『エイリアン3』でヒックスとニュートの存在が抹消されたのも……(以下、陰謀論めいた妄想に発展したので省略。タワゴトですので、良い子は鵜呑みにしてはいけません)
  
  
 ちなみに、コミック版『エイリアンズ』3部作は、ダークホース・コミックス社から絶賛発売中の、『エイリアン・オムニバス』第1巻に、3部作+エピローグの短編が丸まる収録されてますんで、今でも容易に読めますね。
『エイリアン』第1作に登場したスペースジョッキー(の同族の人)も、3作連続で登場するヨ! 重要キャラかと思ったら、結構ゾンザイに伏線を処理されるけどね! 多分、第1作で場当たり的に登場させたものの、持て余したんじゃないカナ!

 あと、ラスボス「マザー・クイーン」のネーミングはどうかと思う。
  
  

  
  
関連記事

タグ:今日読んだアメコミ AVP アメコミ映画

●まぁ、どうでも良い日常。

2007.12.23 Sun

▼古本とシャザムな日々:

 今日も今日とて、神保町の中野書店で古本アメコミを漁ったり漁らなかったり。

 また在庫が増えてやがるね、どうも。

 会社順に分けられ、それぞれアルファベット順に区切られてる(『バットマン』などの有名作品は独立したスペースも取られてたり)それらを、時に適当に、時に念入りにチェック。

 合間に、「M」のスペースに入ってる『ジャーニー・イントゥー・ミステリー』をこっそり「J」のスペースに入れてみたり(<やっかいな客だね)。

 でー、本日の収穫は『オール・ニュー・コレクターズ・エディション』C-58号こと「スーパーマンvs.シャザム!」。

 こう、ここ数年来、探してた本ですが、マイルハイやローンスターでも入荷すらしませんで。指をくわえて憧れてるだけだったこの本が、ジャパンの千代田区で手に入るとは、神の思し召しに違いあるまい。
 お値段は2100円でしたが、安いモンだ。


この本、タブロイドサイズなので、通常のコミックよりも、ふた回りほどデカイです。隣においた、「ピンヘッドvs.マーシャル・ロー」(何でこんなモンを比較用に……)が通常のコミックブックのサイズ。

 ストーリーは、アース1(スーパーマンらの住む世界)とアースS(キャプテン・マーヴェルらの住む世界)を衝突させることをたくらむ悪の魔術師、カルマン・ジ・エビル(実に安直な名前だ)が計略によってスーパーマンとキャプテン・マーヴェルを戦わせようとする……とかいう感じ。
 カルマンの配下となったブラック・アダムがキャプテン・マーヴェルに化けてスーパーマンをドツき、やはりカルマンに従うサンド・スーパーマン(懐かしの月刊「スーパーマン」にも登場した、異世界クアーム<Quarrm>からやってきたエネルギー生命体。スーパーマンのパワーを吸収して、彼と同等のパワーを得た砂の怪物。本作中では、クアーマー<Quarrmer>と呼ばれる)がスーパーマンに化けてキャプテン・マーヴェルをドツくという、微妙に頭の悪い作戦&カルマン謹製の「怒りっぽくなるマシーン」で「やんのかコラァ」状態となった2大ヒーローが本気でドツき合う、というのが本作のキモ。


スキャナーに入らないので、デジカメで直撮り。
スーパーマン:キャプテン・マーヴェル! 周囲に迷惑のかからねぇトコでやったろうじゃねぇか、あぁ? 虫みてぇにつぶしてやんよ!
キャプテン・マーヴェル:スーパーマン! 戦いてぇなら相手になってやんよ! 面倒臭ぇ、今すぐここでブチのめしてやっからヨォ!
……とかののしりあう、非常にガラの悪いお二方。


 ちなみに、決着の方は、さすがにスーパーマンがKO勝ちしてますが、キャプテン・マーヴェルの方も、
「戦いの場がアース1だったので、全力が引き出せなかった」
「スーパーマンに勝てる戦法(※)を思いついたんだけど、導師シャザムが“そのワザ使っちゃダメ”とか言ったので使えなかった」
 とかいう描写で、「本来なら勝ったかもしれない」ってことを匂わせて、キャプテンに花を持たせてるのが良い感じですね。

(※)後年の『キングダム・カム』や『ジャスティスリーグ・アンリミテッド』におけるスーパーマンvs.キャプテン・マーヴェル戦で、マーヴェルの切り札として使われてたアレ。

 まぁ、この2人が懸命にドツきあってる間に、
「なぁ、あいつらがあんなに怒ってドツき合いしてるの、普通じゃなくなくない?」
「んだんだ。きっと何者かに操られてんのよ」
 とかいう感じで意見が一致したスーパーガール&メアリー・マーヴェルが真相を探り、一方で、キャプテンを殴り倒して正気に戻ったスーパーマンが導師シャザムの助言で真相を知り(……もっと前に話してやれよ、とか思うでしょうが、カルマンの気を引いておく為に、2人をずっと戦わせてたそうです)、2つの地球を引き寄せているマシーンを破壊してメデタシ、メデタシ。あと、カルマンの本拠地にスーパーガールとメアリー・マーヴェルが乗り込んで、悪い人をやっつけました、とさ(カルマンさんのやられ方:「ダメだ! その黒いボタンを押したら、俺はやられる!」「じゃ、押す」「うーん、やられた」 ……いいのか、それで)。

 まぁ、「vs.」ものの常として、スーパーマンとキャプテン・マーヴェルのガチのドツき合いというイベントを楽しむモンであって、ストーリーは刺身のツマみたいなモンですな。
 リック・バックラー&ディック・ジョルダーノによるメリハリの効いた絵と、タブロイドサイズの版型が相まって、非常に迫力あるバトルが展開されてて、実に満足。

 どうでもいいけど、この本の巻末(表3)に、「スーパーマンとキャプテン・マーヴェルの法廷での戦い」とか題して、DCコミックスがフォーセット・コミックスを訴えた例の事件を1ページ丸々(しかもタブロイドサイズ)使って解説しててな。

「キャプテン・マーヴェルは1950年代に入ると部数が落ち込んだこともあり、DCとの裁判の和解に応じた。つまり部数の落ち込みがキャプテンに止めを刺したのだ」
「対して、スーパーマンはこの当時、スーパーボーイというフランチャイズを生み出して拡張していたのだ!」
 などと、巧みなレトリックでスーパーマンの勝ちにしてるのが、なんか苦笑。

「しかし現在、こうして、DCからキャプテンのコミックが復活している。導師シャザムもきっと喜んでいることだろう」
 とかいう結論で、無理矢理「いい話」にしようとしてるのも、なんだかねぇ。
  
  
関連記事

タグ:シャザム! 今日読んだアメコミ 古本

●エンパワードな日々その2:

2007.12.20 Thu

 っつーワケで(何が?)、久々に「今日読んだアメコミ」。ネタはやっぱりアレ。

▼『エンパワード<Empowered>』 volume 2

Empowered 2
Empowered 2Adam Warren

Dark Horse Comics 2007-09-19
売り上げランキング : 52508


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 我らがアダム・ウォーレンのオリジナル・セクシー・ヒロイン・コミック第2巻。

 この『エンパワード』第2巻、10月頭に発売されてた本ですが、諸事情により、2ヶ月も遅れて俺の手元に届きやがりましたんで、今、ようやくレビュー(涙)。
 Amazonよりも、Lone Star Comicsの方が値引率が良かったんで、後者で購入したんですが、狙いすましたように郵便事故で来るのが遅れました。オノレ。
 とりあえず、3月末に発売予定の第3巻は、Amazon.co.jpの方で予約したので、大丈夫に違いない。

Empowered 3
Empowered 3Adam Warren Jo (CDR) Chen Tomoko Saito

Dark Horse Comics 2008-03-05
売り上げランキング : 57157


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
左下の縛られてる(おぉ!)ニンジェットさんや、ロゴの後ろの能面軍団(2巻登場。ニンジェットさんと因縁のある殺人ニンジャ軍団だ)を見る限り、3巻は彼女の過去話か?

 ストーリーは、ダメっ娘スーパーヒーローなエンパワードさんが、恋人のサグボーイや、親友のニンジェット、居候のデーモンウルフ様らのはげましを受け、時に涙を流しつつも、頑張ろうとする日々を描いたり描かなかったり、縛られたり縛られられたり縛られられられたり。あとポロリもあるよ、チクビは出ないけど、な感じ(<投げやりだ)。

 まぁ、詳細は前回の記事でも読め。

 で、まぁ、今巻のエンパワードさんも、相変わらず縛られてるわけですが。


はい、みなさんお待ちかね、色々とピンチなエンパワードさん(クリックすると大きくなるヨ!)。

 ……その、第1巻は、1話が数ページで終わるせいで、「縛り→オチ→縛り→オチ」という、言うなれば「縛りのスパイラル」ともいうべきソレで、実に様々なシチュエーションでエンパワードさんが縛られてたわけですが。対して今巻では、1話毎のページ数を長めに取ってるおかげで、ボンデージャーなシーンはやや減ってますね。
 Yahooの「ボンデージフェチ・コミュニティ」あたりに所属されてる方は、ややションボリですね(<アクセス解析見たら、どうも前回の記事がその手のコミュニティで紹介されてたみたいなんよ)。

 まぁ、回数が減った分、鎖だの包帯だのといったマニアックなアイテムで縛られたりといった具合に、フェチっぷりに磨きはかかってますが。
 っつーか、この巻の「エロ」方面のテーマは「露出」「言葉責め」といった、「ハズカしめ」方面のフェティシズムに傾倒してますね。
 あられもない姿をビデオに撮られてネット上にアップされたり、お約束の「人質の命が惜しければ、今すぐその場で全裸になれ」とか、“1人遊び”について告白を強要されたりとか。
 しまいにゃサブキャラクターのニンジェットさんも、異次元の帝王デーモンウルフ様の巧みな言葉責めで露出の快感に目覚めるしな。


左から、ヨダレをたらしたあられもない写真をヒーローチーム基地の壁紙に使われるという羞恥に耐えるエンパワードさん、ネコミミ・エンパワードさん、「メガネ巨乳司書」のコスプレで敵に捕まるエンパワードさん


恥ずかしい告白をして顔を赤らめるエンパワードさんと、露出の快感に目覚めるニンジェットさん。エロイなぁ、本当にエロイなぁ(<馬鹿)。

 ……相変わらず、ナニを一所懸命やってんだ、俺は。

 あと、巻末でエンパワードさん本人も言ってるけど、この巻ではサグボーイとのセックスシーンも前巻から減ってますな。まぁ前巻は1話が数ページで終わるせいで、「話始まる→ベッドでの会話でオチ→次の話始まる→ベッドでの会話でオチ」という、言うなれば「セックスのスパイラル」ともいうべき(以下略)

 まぁ、今巻では、本作の看板「セクシー・ヒロイン・コメディ」のうち「ヒロイン」部分に比重が置かれているというか、駄目なヒロインの烙印を押されるエンパワードさんのキャラクターの掘り下げ(「エンパワードさん頑張る→人生最大の屈辱・挫折→みんなの励ましで元気出す→過去のトラウマを乗り越える」という、手堅い構成なのがむしろ新鮮だ)がメインで、1巻の前半みたいな「シチュエーション・コメディ」の側面は減ってますな。
 ウォーレン的には、一人歩きし始めたキャラクターや設定を、鉛筆のオモムクままに動かしてくのが楽しいんだろなぁ、ってのがヒシヒシと伝わってきます。

 っつーか、今巻の白眉は、最後の話な。
 エンパワードさんがスーパーヒロインを目指す動機となった過去のトラウマと、その経験故に他者を救い、いくばくかの心の平安を得る(でも、縛られてる)あのラストがね。
 まさか『エンパワード』読んでて泣くとは思わなかった。

 一方で個人的にゃ、もう少し合間、合間にコメディな短編を挟んでくれた方が、緩急がついたんじゃねぇかな、と思った。
 あと「シリアスでセリフの多い話」の後に「コメディだけどセリフの多い話」を続けるのも、リズムが悪いかなぁ。いや、このコミックにおける“長ゼリフの王者”ことデーモンウルフ様は、個人的には本作屈指の「良いキャラ」なんだけどさ。

 まぁ、結論としては「今巻も面白いので読め」とか、頭悪い感じで。

 ちなみに、3巻は「セックスも縛りも当社比増量よ♪」と、2巻の巻末でエンパワードさんが太鼓判を押してるので、やはり読め。


▼余談:

 ウォーレンが絵的な面において「マンガ&アニメ」から得た、最大の(大げさかね)恩恵が、アクションシーンのコマ割り・カメラワークの巧さ、じゃねぇかと思うのですが、どうか。




 サンプルとして2巻から1ページ持ってきてみましたが、各コマが実にスムーズに流れてて、エンパワードさんがどのような攻撃を敵に喰らわせてるかが、きちんと理解できるのが良いでしょ。ね。

 特に1コマ目→3コマ目の流れ。

 エンパワードさんを正面左側から捉えた視点(1コマ目)→エンパワードさんの背中からの視点(2コマ目)→エンパワードさん正面右側からの視点(3コマ目)と、激しく視点が切り替わってるのにもかかわらず、巧みに視点を誘導するモノ(1・2コマ目の男の叫び声とか、コマからはみ出てる2コマ目の椅子とか)を置いて、スムーズにコマとコマを流れさしてるのがスバラシー。

 あと、「タメ」のコマである2コマ目を小さくすることで、タメが解放される3コマ目が生きてくるとかね、なんつーか、教科書に載せたいような見事さですよ。

 多分、プロならこの一連のアクションシーン(約8ページほど)で数時間は講義ができるね。何のプロかは知りませんが。

 以上。
 
 

  
  
関連記事

タグ:今日読んだアメコミ アメリカのマンガ

●さりとて、どうでもよき日常。

2007.12.17 Mon

▼密告求む:

 またぞろどっかにウチのサイトなりブログなりへのリンクが張られてるようで、金曜あたりから微妙に来客される方々が増えてますが。

 こないだまではリンク元がアクセス解析で解ったんですが、今回はアクセス解析に引っかかんないんで、微妙に、こう、「誰が俺を見てるんだぁ」的な心細さが。

 こう、心当たりのある訪問客の方は、このエントリの下のほうにある「拍手」ボタンを押して、匿名でよござんすので、「ここから来ました」的にメッセージを残していただけると、俺が明日から枕を高くして寝られるのですが、いかがでしょうか。

 あ、あと、「アイアム・レジェンドのオチ」の検索キーワードでウチを訪れてる方々におかれましては、つまらないギャグを読ませられてご愁傷様です。
「『猿の惑星』はオネショオチ」ってのは伊集院光のラジオのネタだっけ(<どうでもいい)。


▼最近のドカベソ:

 今更だけど、今週の週刊少年チャンピオン(2+3号)の『ドカベン スーパースターズ』編で、星王がピッチャーとして登板するんで、『大甲子園』で“実は剛腕投手だったのを隠してた”星王の活躍に期待してたら、単なるヘナチョコピッチャーでションボリしたのは俺だけでしょうか。

 水島御大に「過去作品のことを覚えてろよ!」とかツッコミを入れてもどうにもならないことは、まぁ重々承知してますが、せめて水島プロのスタッフとか、チャンピオンの編集者とかが畏れながら訴え出るわけにはいかぬものか。

「水島新司マンガでは定期的に“いい当たりは野手の真正面”ネタが登場する」ってのは、おおひなたごうのネタだっけか(<新発明、「~のネタだっけか」オチ)。

 上記の応用として、「軟投派の投手が投げたユルい球を打者が力んで打って野手真正面」ネタも定期的に登場するよな。

 どうでもいいけど、今wikipediaで検索したら、おおおひなたごうの本名が、そのまんま「大日向 豪」でタマゲる。ペンネームじゃなかったのか。


▼最近のメタル:

 とりあえず、サーフェイサーを吹いた。デジカメのマクロ機能を試しがてら記念撮影。




 ……結構、小さいモンでもそれなりにピントがあうモンだね。
 ちなみに、武器と頭は別パーツで、まだサーフェイサー吹いてないんで金属色ムキ出しやねん。

 でー、昨晩、この別パーツな武器と頭にサーフェイサーを塗るべく、洗面所で水洗いしてたんですが。
 ……最後の最後で、頭部パーツ(5ミリ四方程度の小ささ)が手からスベり落ちてな。
「カラン、カラカラ」という、磁器の上を金属が転がる小気味よい音を立てつつ、頭部パーツが排水溝にダイヴしましたわ。
 取り返しのつかないことをして背骨がゾクリとするソレを久々に体験したですよ。

 その後30分間、水道管と格闘する馬鹿一匹。なんとか排水溝直下の「S」字型パイプを外すことに成功。無事に頭部パーツを救出。

 あれですな、こういう事態が起きた時のために、あのS字型パイプは、割合簡単に外せるようになっているのですね、多分。この年になって初めて知りました。
 これまでの人生で、幾度か排水溝に大事なもの(外れた銀歯とか、洗浄中のガレージキットのパーツとか)を落としてきた過去の俺の元にタイムマシンで行って、「あきらめるな」と、このテクを教えてやりてぇ。

 っつーわけで、これから基本色を塗る予定。
 何となく閃いたので、全身ヨロイは銅色で塗ってみようかと。「銅なんて柔らかい金属でヨロイを造るわけが無かろう」とかいうツッコミは、「魔法」で乗り切る予定。<最悪だ。

 以上、今日もトリトメなく。

 ……しまった、アメコミの話をしてねぇ。
  
  
 
関連記事

タグ:チャンピオン

●毎度どうでもよき日常。

2007.12.13 Thu

▼吸血の日々:

 ……こう、ウィル・スミスがうっかりバラしちゃった『アイ・アム・レジェンド』のオチは、実は藤子不二雄の『流血鬼』オチだった、とかいうのは、どうか。

 しかし、『流血鬼』って、実に秀逸なタイトルだよなぁ。その語感で吸血鬼をイメージさせといて、後半のヒロインのセリフで指し示す「流血鬼」の正体は、ってな構成が非常にスバラシー。そして、このタイトルから180度転回する、清々しいあのラスト。

 っつーか、『流血鬼』をして『アイ・アム・レジェンド』の「パクリ」あるいは「翻案」とか上から目線でバッサリ切り捨てたがるヤカラは煉獄に堕ちろ(話が飛んだな、おい)。
  
  
▼DC新単行本、な日々:

 Comics Continuumの方で、速くも来年5~6月のDCのTPBの予定が発表されてますが。

 とりあえず、気になったものを適当にピックアップ。

 まさかの『ハンガードッグス』収録で、無事完結(予定)の『ニュー・ゴッズ:オムニバス』に続き、『ジャック・カービィズ・オマック<Jack Kirby's O.M.A.C.>』がハードカバーで登場。その名の通り、カービィ版『オマック』オンゴーイングシリーズ全8話+『フーズ・フー』のアートを収録して全1巻。

 一方で、ジェームス・ロビンソンの『スターマン』が、ハードカバー『ザ・スターマン・オムニバス<the Starman Omnibus>』として再刊。Vol. 1には、『スターマン』第0~16 号までを収録。『スターマン』って、TPBの方で全話網羅されてませんでしたっけ?(俺、後半部はコミックブックの方で揃えたんで、いまいち分かってないねん) いや、『スターマン』は、ハードカバーするに足る名作でしょうが、なぜ今このタイミングでハードカバー化すんのかが謎。

 ちなみにハードカバー版第1巻のアーティストは、Tony Harris、Wade von Grawbadger、Teddy Kristiansen、Christian Hojgaard、Bjarne Hansen、Kim Hagen、Matt Smith、Tommy Lee Edwards、Stuart Immonen、Chris Sprouse、Andrew Robinson、Amanda Conner and Gary Erskineと、1ダースもいやがります。そんなに安定してなかったけ?

 一方で、全3巻でキリ良く完結するのが『ザ・セブンソルジャーズ・オブ・ビクトリー・アーカイヴス<the Seven Soldiers of Victory Archives>』 vol. 3。『リーディング・コミックス』第9~14号収録、それ以外余分なオマケはなんもナシ、という態度が清々しいですね。

 あと、おなじみ「ショーケース・プレゼンツ」レーベルでは、『グリーンランタン』第3巻と『ホーンテッド・タンク』第2巻が。
『グリーンランタン』第3巻は、『グリーンランタン(vol. 2)』第39~59号を収録。待望の第40号(アラン・スコット&ハル・ジョーダン初共演だ!)も収録されてるので、ファンはマスト・バイな1冊ね。

 あと『ホーンテッド・タンク』は、『GIコンバット』第120~157号までを収録。このまま着実に、実に着実に、1980年代まで単行本化していって欲しいものです。


 そういや、こないだ何の気なしに読み返した1970年代後半の『GIコンバット』のバックナンバーが、「名作選だよ!」とかうそぶきつつ、丸々1号、過去のコミックを再録してて、お便りコーナーの冒頭で「ごめん、今号の新作落ちちゃった! 次号から新展開でがんばるので、許してよね!」とか、あまりに正々堂々と原稿を落としてて吹いた。
  
  

  
  
関連記事

●どうでも良いメモ:プレデリアンの起源について。

2007.12.12 Wed

▼どうでも良いメモ:プレデリアンの起源について:

 年末公開の映画『エイリアンズvs.プレデター』に登場することで話題を呼んでいる、エイリアンとプレデターのハイブリッド“プレデリアンの起源について、適当に調べた結果を書き留める、そんなエントリ。


 さてそもそも「プレデリアンを始めに絵に起こした人間は誰か?」という点についてネット上で検索すると、「それはデイブ・ドーマン<Dave Dorman>だろう」ということで、意見が一致している。

 ドーマンはダークホース・コミック社で、コミック版『エイリアンズ』や『プレデター』、『スターウォーズ』などのカバーイラストや、コミックを描き続けてきた作家だ。(公式サイト

 コミック版『エイリアン』シリーズでも評価の高い(たしか1993年のブラム・ストーカー賞受賞作)グラフィック・ノベル、『エイリアンズ:トライブス<Aliens: Tribes>』のアートを担当したことでも知られている。

 その彼が1992年に、史上初めてプレデリアンを描いたのだという。

 彼の描いたペイントアートは、グーグルの画像検索で容易に見つけられる。

↓ていうか、これだ。



 とはいえ、このドーマンが描いた絵が、「誰かのアイデアをドーマンが絵に表したもの」であるか、あるいはドーマン本人がプレデリアンのアイデアを発案したかは不明だ。とりあえず、ドーマン本人がプレデリアンの創造に関して、詳細を語っている文献は、筆者は見つけられていない。

 事によったら、「プレデリアン=ドーマン起源説」は、このあいだ記事にした「『AvP』=『プレデター2』起源説」のように、間違った説が流布している可能性もなくはないが(<疑心暗鬼だ)、だからといって、他に「ドーマン以前にプレデリアンを描いたのはこいつだ」といったたぐいの反論はなされてないようなので、ここはドーマンを暫定1位でプレデリアンの起源、ということにしときたい。

 なお、この絵が描かれた数年後(1990年代中頃、一説では1994年頃)、当時より『AvP』の映画版の企画を動かしていた20世紀フォックスは(といっても脚本などの問題があって全然進行しなかったのだが)、ドーマンに映画版のプレデリアンのデザインを依頼したという(※ソース:ドーマン本人のブログ)。
  
  
 その後、ダークホース・コミック社のコミックにて、プレデリアンはメディアに初登場することとなる。

 1995年に発行された短編、『エイリアンズvs.プレデター:デュエル<Alien vs Predator Duel>』がそれで、現在ではこの作品は単行本『エイリアンズvs.プレデター:オムニバス』第1巻に収録されている。

 本作は『エイリアンズvs.プレデター』第1作の「その後」を描いた短編で、第1作の舞台となった惑星リューシに調査に訪れた宇宙海兵隊が、同じくリューシに探索に現れたプレデターの一行と遭遇するという筋立てになっている(プレデリアンは物語の後半に登場)。

 この作中に登場するプレデリアンは、おおよそドーマン版のデザインに準じている。
  
  
 実は厳密には、この『デュエル』よりも速く、プレデリアンが登場する他メディア作品がある。我らがジャパンのゲームメーカー、カプコンが1994年に発売したゲーム『エイリアンvs.プレデター』がそれだ。

 ……もっとも、ゲームに登場するのは、成体のプレデリアンではなく、チェストバスターのみだが。

 このプレデリアン・チェストバスターは、同作のステージ6のボス「マッド・プレデター」を倒した後に、その胸を突き破って登場する。

 が、個人的には「やっぱり成体になった姿でないと……」という感があるので、これを「他メディアにおけるプレデリアン初登場」と見なしたくはない(あ、読者さんがどう見なすかは自由ですんでお気にせずに)。
  
  
 その後、1999年に発売されたPCゲーム『エイリアンvs.プレデター』(※エイリアンが単数形なのに注意)にもプレデリアンは登場している。

 ただし本作のプレデリアンは、プレデターにエイリアンが寄生して誕生したものではなく、人間がプレデターとエイリアンのDNAを合成して生み出した人造生命体なんだとか(ゲームはやってないので、曖昧な記述になることをお許し下さい)。

 その後、プレデリアンは、FPSゲームの『エイリアンズvs.プレデター2』(2001年)や、同作の拡張パック『プライマル・ハント』(2003年)、リアルタイム・ストラテジーとなった『AvP:エクスティンクション』(2003年)といったPCゲームにも露出している。

 そして映画『エイリアンvs.プレデター』(2004年)のラストに、プレデリアン・チェストバスターが登場し、今回の『エイリアンズvs.プレデター』(2007年)には、晴れて成体のプレデリアンが暴れまくることとなる。


 ちなみに、デイブ・ドーマンは、今回の『AvP2』に登場するプレデリアンを見て「俺が昔20世紀フォックスに提出したラフデザインまんまじゃねぇか! クレジットに俺の名前載るのか!?」とか言っている模様(※ソース:やっぱり本人のブログ)。

 個人的には、「プレデターの形質を色濃く残したエイリアン」であるところのプレデリアンをデザインすると、どうしても大まかなフォルムはドーマン版デザインと同じような「プレデターの口とドレッドヘアを持ったエイリアン」にならざるを得ないと思うし、映画版のプレデリアンは、細部がドーマンのデザイン画とはそんなに似てなかったりするんで、ドーマンのデザインをまんま流用した、とか言う訳じゃあないと思うが。
 とはいえ、ここはフォックスが礼儀としてドーマンのクレジットを載せるべきだ、とも思う。

 以上。
 

  
  
関連記事

タグ:俺メモ AVP

●マーヴル、アメリカン・マンガに参入。題材は少女マンガ版X-メン?

2007.12.11 Tue

 まぁ、割と方々で話題になってるニュースではありますが、とりあえず、

ign.com
MangaBlog
Anime News Network

 あたりのニュースサイト、ブログの情報を適当に翻訳しつつ統合してみた。

▼X-メン、少女マンガになる
――デル・レイ・マンガがマーヴル・エンタテインメントとのコラボレーションをアナウンス

 先頃、ニューヨーク市で開かれたアニメ・イベント「ニューヨーク・アニメ・フェスティバル<New York Anime Festival>」にて、日本マンガの出版を手がけるデル・レイ・マンガ<Del Rey Manga>(※)とマーヴル・コミックス社とがコラボレートし、マーヴルの人気コミック『X-メン』、『ウルヴァリン』を原作とした2つの“マンガ”の製作を発表することがアナウンスされた。

※デル・レイ・マンガ:アメリカ大手出版社バランタイン・ブックスの出版部門デル・レイ・ブックスのインプリントの1つ。講談社のマンガ作品の版権をガッチリ抑えていることで、現状、アメリカのマンガ市場の最大手の1つになってる。

 このマンガはマーヴルの編集者らの協力により、『X-メン』シリーズの旧来のキャラクターをマンガ・スタイルで再生することとなる。

 その第1弾『X-メン』は、ライナ・テルゲメイアー<Raina Telgemeier>とディブ・ローマン<Dave Roman>の夫婦作家ペアがスクリプトを担当。インドネシアのアーティスト、アンズ<Anzu>がアートを手がける。

 このマンガ版『X-メン』は私立学校「恵まれし子らの学園<School for Gifted Youngsters>」を舞台とした、コメディタッチの少女マンガになる。

 主人公は、学園で唯一の女の子、キティ・プライド<Kitty Pryde>。物質通過能力を持つミュータントである彼女は学園の有力なグループ「ヘルファイヤー・クラブ<Hellfire Club>」――火炎操作能力を持つミュータントのパイロがリーダーを努める――と、学園のはみだし者たちとの間で板挟みとなる。が、彼女はやがて、はみだし者たちをまとめ上げ、X-メンを結成する。

 こちらのサイトの記事で、アンズによるキャラクターのラフデザインが見られる。

12/12追記:コミックニュースサイト、Newsaramaで、より鮮明なラフデザインが公開されている。

 ……どうでもいいけど、キティ・プライドが「学園唯一の女の子」っていう設定なのに、ラフデザインの方でミスティークとジーン・グレイの絵が登場してるのは何故だ。……あ、そうか、2人も生徒じゃねぇのか。

 とあるパネリストによる「X-メン版『フルーツバスケット』、もしくは『桜蘭高校ホスト部』<X-Men meets Fruits Basket or Ouran High School Host Club>」という比喩は、本作の内容を極めて端的に現していると言える。

 なお、本作の登場人物は、『X-メン』のキャラクターが元にはなっているが、本作を読むにあたり、オリジナルの『X-メン』のコミックスについて、いかなる予備知識も必要としないものとなる模様。

 また第2弾として、やはり2009年春に刊行を予定している『ウルヴァリン』は、少年マンガになる模様。ライターには、アンソニー・ジョンストン<Anthony Johnston>が予定。アーティストは現状未定。

『X-メン』、『ウルヴァリン』共に、単行本・全2巻を予定。それぞれ第1巻は2009年春に刊行を予定している。各単行本のフォーマットは200ページ、本文1色刷り、版型5×7.5インチ。


 デル・レイ・マンガの副パブリッシャー、ダラス・ミドー<Dallas Middaugh>のコメント:
「X-メンは世界で最もよく知られたキャラクターの1つだ。同作のキャラクターの魅力と、その強くユニークなストーリーラインは、X-メンをマンガという形式に完全にマッチさせるだろう。これは驚異的な機会であり、我々はマンガというプリズムを通した新たなX-メンをファンにもたらしたいと願っている」

 マーヴル・エンタテインメント社、開発部門の副社長ルーワン・ジャヤティレク<Ruwan Jayatilleke>のコメント:
「マンガの分野において、デル・レイ・マンガは革新的な勢力だ。彼らは堅実にこのジャンルを成長させ、出版の限界を破ってきた。我々はグラフィック・フィクションにおいて性急に発展を遂げるこの市場にX-メンとウルヴァリンを送り込むにあたり、優れたストーリーテーリングと才気溢れるビジュアルを持ち合わせた最良のパートナーを見つけた。コミックブック・ファンとマンガの読者は、楽しみにしていて欲しい」


▼作家について:

 ライナ・テルゲメイアー<Raina Telgemeier>はライター兼アーティストとして手がけた『ザ・ベビーシッターズ・クラブ<The Babysitter's Club>』グラフィック・ノベルで知られている。彼女はスクール・オブ・ビジュアル・アーツで美術学士号を取得、またアイズナー賞、イグナッツ賞、シビル賞、ウェブ・カートゥーニスツ・チョイスなどの賞にノミネートされている。

 デーブ・ローマン<Dave Roman>は現在「ニコロデオン・マガジン<Nickelodeon Magazine>」の準編集者として働いている。彼はハーベィ・アワードにノミネートされた『ジャックス・アポック&ザ・クイッケン・フォービドゥン<Jax Epoch and the Quicken Forbidden>』シリーズや、イグナッツ賞を受賞した『ティーン・ボート<Teen Boat>』の共著者である。彼はまた彼自身のウェブ・コミック、『アストロノート・エレメンタリー<Astronaut Elementary>』も描いている。彼はまたコミック『アグネス・クィル<Agnes Quill>』のクリエイターでもある。

 インドネシアに拠点を置くマンガ・アーティストのアンズ<Anzu>は、2008年4月に出版予定の『ザ・リフォームド<the Reformed>』(作:クリス・ハート<Chris Hart>)でアメリカン・マンガ界にデビューを果たす。彼女はまた、ハートのベストセラー、『ハゥ・トゥ・ドロー・マンガ<How to Draw Manga>』シリーズにも寄稿している。

※参考:deviantart.comのアンズのページ


 アンソニー・ジョンストン公式サイト


※ヒーローもののコミックしか読んでないオイラは寡聞にして、これらの作家さんのプロフィールを存じ上げてないので、こちらのブログに掲載されてたテキストの引き写しになります。アンソニー・ジョンストンは、ググったら、本人の公式サイトが出てきたんで、詳しくはそちらを。




 こう、マーヴル・コミックス今まで日本人作家にコミックを描かせてきてはいたものの、ライターはアメリカ人で、コマ割りもアメリカン・コミック式、というスタイルが主でしたが。

 今回のマンガ版『X-メン』&『ウルヴァリン』で、一転して、日本の作家を起用せず、それでいてマンガ的な文法、コマ割り+マンガ的なアートという、いわゆる「アメリカン・マンガ」式のスタイルでのコミックに乗り出した、というのは、割と面白いなぁ、と。

 その、日本人作家を招聘して、コミックを描かせる、っていう従来のマーヴルの手法は、C.B.セブルスキーのような、「日本人とコミュニケーションができる」編集者個人の才覚に頼る形でしか送り出せない、という弱点があったのですが。

 今回のスタイルなら、デル・レイ・マンガの方の作家人脈に頼る形ではあるけど、それなりに安定して作品を送り出せるなぁ、と。今後もマーヴル側にその気さえあれば、このスタイルは維持できる、という点が大事じゃないかと思った。

 まぁ、第1弾が出るのが、1年半後っつー、気の長い話ですが。
  
  

  
  
 
関連記事

タグ:アメリカのマンガ

●豆知識予備校:ワンダーガール(ドナ・トロイ)は、ライターの勘違いで誕生した。

2007.12.09 Sun

 昔適当に書きとばしてた未発表のテキストをなんとなく張り付けるシリーズ(略称:適テキ)。今回は、なぜか唐沢俊一調の文体(※)で書いてたトリビアルなそれを、

(※)あれやねん、書いてみりゃわかるけど、この文体、頭を使わない&データの箇条書きと手癖で書けるんで、ネタさえあれば最小限の労力で量産できるんよ。


▼ワンダーガール(ドナ・トロイ)は、ライターの勘違いで誕生した:

 スーパーボーイが“少年時代のスーパーマン”であるのと同様、そもそもワンダーガールは、“少女時代のワンダーウーマン”として、ライター兼編集者のロバート・カニガーが生み出したキャラクターだった。

 つまり、ワンダーガールのコミックは「過去」の時点を舞台としているわけであり、その彼女と、ロビン、アクアラッドといった「現代」を舞台に活躍しているキャラクターとが競演することは不可能である(面倒くさいのでタイムトラベルなぞを持ち出して茶々を入れるのは遠慮して欲しい)。

 できるはずはないのだが、現に1965年発行の『ザ・ブレーブ&ザ・ボールド』第60号(カバーデート・1965/6-7)にて、ロビン、キッド・フラッシュ、アクアラッド、それにワンダーガールの4人のティーンエイジ・ヒーローが競演し、ティーン・タイタンズというチームを結成して活躍している。これはどうしたことか(いや、だからタイムトラベルはこの際忘れてくれ)。

 実はこれは、クダンの『ブレーブ&ボールド』第60号の脚本を担当したボブ・ハーネィ(それに、担当編集者のジョージ・カシュダンも)が、「ワンダーガール=ワンダーウーマンの少女時代」という設定を全く知らずに、ワンダーガールをワンダーウーマンとコンビを組んでいる相棒――「バットマン&ロビン」や「アクアマン&アクアラッド」のような――だと勘違いしていたために、うっかり「現代」を舞台とした作品にワンダーガールを登場させてしまったことで起きた事態なのである。

 しかし、ハーネィがこのような勘違いをしてしまったのには理由がある。何を隠そう、この当時の『ワンダーウーマン』のコミックで、絶対に並び立つはずのないワンダーウーマンとワンダーガールの競演が行われていたからであった。


 順を追って説明しよう。

 当時『ワンダーウーマン』のライターだったロバート・カニガーは、少女時代のワンダーウーマンである「ワンダーガール」の他にも、幼児時代のワンダーウーマンである「ワンダートット」が主役を務めるコミックを、『ワンダーウーマン』誌上で時折掲載し、好評を博していた。

 さてある時カニガーは、奇妙なアイデアを思いつく。『ワンダーウーマン』誌の人気キャラクターである、ワンダーウーマン、ワンダーガール、ワンダートットらを一堂に会させれば、読者は喜ぶだろう、と。

 こうしてカニガーは「不可能な物語」と銘打って、ワンダートット、ワンダーガール、ワンダーウーマンの3人が競演する物語を発表した。違う時系列に属する、3人の同一人物が集う理由の説明として、SF的なセンスがやや乏しかったカニガーは、タイムトラベルや平行世界などは持ち出さず、「この話はワンダーウーマンの母親であるヒッポリタ女王が、アマゾン族の超科学を用いて作った“映画”、すなわち作り話である」という設定をひねり出した。フィクションのフィクションという、なかなかにメタな設定である。

 ともあれ、この3人のワンダーウーマンが集う話は、好評を博したと見え、以降もカニガーは、ワンダーウーマンとワンダーガールらが競演する物語を、折を見て送り出していった。やがて、この「3人の競演」という話形はお馴染みのものとなり、それに伴い「ヒッポリタ女王の映画」という説明は省略されるようになる。

 結果、こうした物語を中途から読み出した読者の中には、ワンダートット、ワンダーガール、ワンダーウーマンの3人を別人として認識する者も現れだす。

 ……そう、ティーン・タイタンズの生みの親であるボブ・ハーネィもまた、この3人を別人だと認識してしまい、結果としてワンダーガールをティーン・タイタンズのメンバーにしてしまったのだ。


 まあ、この当時のヒーローもののコミックブックは、ユニバースや設定のつながりが今ほど密ではなく、ハーネィらは、この致命的な勘違いをさして気にかけることはなかった(例え読者にお手紙で指摘されようとも)。その後、正式に隔月刊誌として始動した『ティーン・タイタンズ』オンゴーイング・シリーズでも、ワンダーガールはレギュラーキャラクターとして活躍する。


 ただし、当時のコミック界にも、設定にこだわるウルサ型のコミックファンは存在しており、そうした層は、『ティーン・タイタンズ』を読みつつも、ワンダーガールの立ち位置については割り切れない思いを抱え続けていた。

 後に『ニュー・ティーン・タイタンズ』のライターとして一世を風靡することとなるマーヴ・ウルフマンは、この当時はまだコミックファンの青年に過ぎなかったが、彼もまた、「ワンダーガール問題」を気にかけていた1人だった。

 その後1969年、インターンとしてDCコミックス社で働くことになったウルフマンは、『ティーン・タイタンズ』の新編集者に就任したディック・ジョルダーノに見込まれ、『タイタンズ』の脚本をまかされることとなる。

 まさにこの時を待っていたウルフマンは、『ティーン・タイタンズ』版ワンダーガールの過去に焦点を当てた脚本を書き上げ、「『タイタンズ』に登場するワンダーガールは、ワンダーウーマンの少女時代である所のワンダーガールとは別人である」という設定を創出。『タイタンズ』版ワンダーガールの登場から4年目にして、ワンダーガール問題に決着をつけることとなる[Teen Titans (vol. 1) #22: 1969/9]。

 新たに書かれたオリジンでは、ワンダーガールことドナ・トロイは、火事現場からワンダーウーマンにより救助された孤児の少女で、アマゾン族によって育てられ、やがてワンダーウーマンと似たパワーを持つワンダーガールとして活動を開始したのだ、という設定になる。

 このマーヴ・ウルフマンによるワンダーガールのオリジンの創出は、「元コミックファンによるコミックのコンティニュイティの適正化」の先駆けであった

 後にマーヴ・ウルフマンは、『ニュー・ティーン・タイタンズ』誌の創刊に当たり、ワンダーガールをレギュラーキャラクターとして起用。彼女を独立したキャラクターとして発展させる一方で、2度に渡り、ワンダーガールのオリジンをアップデートし、ワンダーガールの「育ての親」となった。




▼以下余談。

 上記のようなトリビアを、ですな。俺は『ワンダーウーマン』のコミックを読まず、ネット上のタイタンズ関連のページと、トゥーモロー・パブリッシングの『タイタンズ・コンパニオン』だけを読んで書いていまして、『ワンダーウーマン』関連の資料は何にも読まずに書いてるわけですが。

 その、「ワンダーウーマン」側の情報で誤記や情報の読み違いなどがあるやも知れないので、間違っていたらすみません。とか、書いてみる。

 なんか最近、実本を読まずに、二次情報だけを読んでモノを書くことに、「きちんと知ってる人に嘲笑されてるんではないのか」的な、薄ら寒い妄想を抱くようになってきたねん。


 あと、気づけば来年3月に『タイタンズ・コンパニオン』の第2巻が出るのね。買わな。

 表紙のスーパーボーイとキッド・フラッシュを見ると、これはこれでいわくいいがたい感情がわきあがるよなぁ、とか思いつつ。

Titans Companion 2
Titans Companion 2 (Titans Companion)Phil Jimenez John Byrne George Perez

Twomorrows Pub 2008-07
売り上げランキング : 337763


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

  
  
関連記事

タグ:豆知識

●続・どうでもよい日日。

2007.12.07 Fri

▼復活の日:

 新クレジットカードが届いたのだぜ。

 これでAmazonに注文してた本が届くし、『子どもというレトリック』も買えるし、2月分のコミックの発注もできるのぜ。うむ、なんたるカード社会か。

 豆知識:Amazon.co.jpでは、諸事情によりカード引き落としができない場合、注文された商品は「取り置き」されない。

 とりあえず、通常の在庫あつかいとなり、こっちがカード情報を更新する前に、ヨソから注文が入ったら、品物は(在庫残1だろうが、数週間かけて取り寄せた品だろうが)そっちに回される。まぁ、カード情報を入れないだけで「取り置き」できるシステムだったら色々と悪用できるしな。

 ……っつーワケで、俺が注文してた本のウチ1冊は、「発送準備が整いました」状態から見事、「もっかい取り寄せるのでもう3週間ほど待て」状態になりましたとさ。


 あと、10月分のコミックもようやく届いた。

 ……でも、ダンボール箱に大穴が開いていて、衝撃吸収用のスタイロフォーム(発泡スチロール)が全部無くなってるという大惨事。

 結果、中のコミックの角が折れてて、楽しみにしてた『エイリアンズvs.プレデター:オムニバス』の第2巻に至っては表紙から数ページ破ける始末(多分、大穴の開く原因となった衝撃によって傷ついたと思われ)。クリス・クレアモントの『AvP: デッドリー・スピーシーズ』がぁぁ。

 その事実に気づいた俺の脳内には『リストカッター ケンイチ』よろしく「みなし児のバラード」のインストが流れたとさ。
  
  
▼僕たちは仲間、な日々:

 この所、幾箇所かでウチのブログが紹介されたりリンク張られたりして、微妙に来客者さんが増えてるですが。

 中でも、2ちゃんねるの週刊少年漫画誌板の『マイティハート』スレッドにウチの『エンパワード』紹介記事へのリンクが張られてたのが、こう、現役「週チャン」&「RED」読者であり、数年前にゃチャンピオン作家でもあった(半年間だけどな)俺的に、「ようこそ、御同輩」という感じですね。

 まぁ、エンパワードさん(天然痴女)と舞島さん(天然ラブコメ)って、180度違うキャラクターだけどなー。


 当時の逸話っぽいソレとしては、俺の担当編集さんが某タイアップし損ねたマンガ(アイアンなんとか)も担当してて、「某玩具会社の提示する玩具の企画がこっちの想定してた物とずれてる」とか「原作者が少年マンガを逸脱した話しか書かない」とかいう話を折々で聞けたのが良い思い出でした(悪い思い出とか、生臭い思い出もあるけど、まぁ、ここで語ることじゃねぇな)。
  
  
▼続、メタルな日々:

 こないだ買うたメタルフィギュアは、その後、本体を真鍮ブラシで軽く磨いた後、パーティングラインやバリにタミヤのダイヤモンドヤスリ(400番)をかけたりしてみた。

 ヤスリがけと表面処理って、やってると脳がリラックスできるんで、好きやねん、俺。

 今晩これから、タミヤのプライマー入りサーフェイサーを吹いて寝る予定。

 乾燥後は新兵器・光硬化パテの出番だな。<まだ表面処理する気かよ!
  
  
 例によってトリトメなく。
  
  
関連記事

タグ:豆知識 チャンピオン 海外通販

●どうでも良き日日。

2007.12.05 Wed

▼どうでも良き日日:

 まだ10月分のコミックが届かねぇ。

 あと、アマゾンに注文してた商品が入荷したけど、クレジットカードを更新中なので支払いができず手元に来ねぇ。

 しょうがないので、読んでないTPBを淡々と消化する日々。今は『エッセンシャル・ゴーストライダー』1巻を読破中。いろんな意味で面白ぇ。

 こう、

ライターのゲーリー・フリードリヒ、「怪奇コミック+ヒーローもの」という、画期的な発明であるはずのゴーストライダーの「面白さのツボ」的な物を全く無視して、微妙な話を書き続ける
  ↓
業を煮やした編集部が、ストーリーラインの半ばで彼を降ろして強引に路線修正
  ↓
後任をまかされたライターが「夜になるとゴーストライダーに変身する」とかいう設定をもてあまして、「なぜかジョニーはピンチになるとゴーストライダーに変身する」とかいう具合に、設定を改変
  ↓
以降、他のマーヴルのキャラクターと競演したりして、割と普通のヒーローものになる


 とかいう感じのグダグダした迷走が、実に、何というか最高。


▼メタルな日々:

 唐突に、メタルフィギュアに手を出す。

 こう、横山 宏の『横山宏 Ma. K. モデリングブック』を読んで、模型を塗装したくてたまらなくなった、ってのと、Captain Yさんのブログで時々紹介されてるソレが非常にカッコ良くて楽しそう、っつーのが主な動機。あと、新刊コミックが届かないので趣味の時間を別のことに使いたくなった、とか。

 でー、神保町の表通りにあるミニチュア屋さん(前から割と気になってた)に行って、買ってみたのが写真のブツ。




『ウォーハンマー』の「ケイオス・チャンピオン・オブ・ナーグル」。男はやっぱりカオスよねー(何が?)。
 こう、『ウォーハンマー』のゲームは1度もプレイしたことはないのですが、聞きかじりのナーグルさんの設定がフリーキッシュでカッコ良い、というミーハーな動機で購入しました。すみません。

 多分、細かな設定とかは調べず、自分の塗りたいように塗ると思うので、それも先に謝っときます(こうしたジャンルで部外者が「良く知らねぇけど、XXってXXじゃねw」とか、無知を出発点に軽口を叩く行為がムカつくのは重々承知してますんで)。

 っつーわけで、次は筆と塗料を買いに、アキバのヨドバシ行くぜー(……って、塗装までまだ遠いな、オイ!)。

 よく考えたら10年以上も塗装してねぇインチキモデラーの明日はどっちだ。

 とりあえず、こうしてブログにさらすという行為で、「ブログに発表したからにゃ、完成させねば」的な原動力にしてみよう、と思った次第(見せられる方はいい迷惑だね、しかし)。

 ツヅク。


▼コミックス・コード、な日々:

 なんか、適当にネットを検索してたら、こんな本を発見。

『子どもというレトリック 無垢の誘惑』

 ここで、目次が見られるんですが、4章目に「コミック・キャンペーン——イギリス・アメリカにおける一九五〇年代のコミック規制の動向」てなテキストが。

 1950年代のコミックブック規制について、日本語でまとまって書かれた文献、しかもイギリスの動向のオマケつき、なんて資料なんざ、すぐにも買って読みてぇけど、クレジットカードが更新中なので我慢。


 以上、トリトメもなくオワル。
  
  
関連記事

タグ:海外通販 資料本

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。