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●最近のエリプレ その2:

2008.06.24 Tue

▼蝙蝠 対 狩人、な日常:

 こないだローンスター・コミックスでDCコミックス関連のバックナンバーを買ったついでに注文してた『バットマンvs.プレデター2』を読んだ。

 感想としては……正直、イマイチだった。

 その、登場キャラクターとしては、

・ゴッサムに台頭しだしたマフィアのボスを追うバットマン

・バットマンから「邪魔っけなシロウト」呼ばわりされつつも同じボスを追い、彼と共同戦線を張る(張ろうとする)ハンタレス

・ボスに雇われ、バットマンを狙う7人の個性的な殺し屋(爆弾魔、ナイフ使い、バイカー、アジア系女暗殺者ほか)

・『バットマンvs.プレデター』第1作でプレデターの戦士を倒した“チャンピオン”である、バットマンを狩るために現れた、新たなプレデター

・そのプレデターを追って地球に飛来した2人組のプレデター

・プレデターに仲間の刑事を殺され復讐に燃える敏腕刑事

・政府の対プレデター特殊部隊

 こんな感じで、誰もが「狩るもの」と化した登場人物が交錯する中、果たして誰が生き残るのか? ……っつー感じなストーリー。

 あらすじだけなら凄ぇ面白そうでしょ。

 面白くないねん。これが。

 その、こういう無闇に勢力が登場する話ってのは、「敵の敵は味方だ!」的な、刹那的に複雑に絡み合う対立関係が物語の進行の鍵じゃないですか。

 でも本作は、キャラクターが無闇に多い割に、一方通行な関係ばっかで。他の勢力との絡みあいとか無いのよ、全然。

ブッチャケ、「殺し屋がバットマンを狙う→バットマンを狙ってるプレデター(透明)に殺される」の繰り返し。

 初登場シーンに数ページ使った殺し屋を「あぁ、目立つコイツは第3勢力としてトリックスター的に絡むのかなぁ」とか思ってたら次の号で1ページで倒されるって、何のギャグだそれは。

 つーか、敏腕刑事と特殊部隊がマフィア側のドラマとなんら絡まないのには愕然とした、だったら登場さすなよ。つか、そもそもハンタレスの存在も不要だしなぁ。

 あと、絵もいまいち。前作のキューバート兄弟のアートに比べちゃうと格段に……。
  
 ライターは1980年代前半に「バットマン」のメインライターをつとめていたダグ・モーンクなんだけど、プレデターというキャラクターを掴みきれてないまま、前作と展開が被らないことを第1に考えて、色々と要素を盛り込んでみたら破綻した、って感じ。

 っつーか、前作が『プレデター』もののお約束を満遍なく消化しちまってたのが不幸の始まりだと思う。
  
  
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タグ:AVP 今日読んだアメコミ

●最近のエリプレ。

2008.06.22 Sun

 あらすじ:こう、タマにはエリプレなエントリを書こうと思ったので書いた。

 ……そういや『AvPR』のDVD買ってねぇや。
 まあ、アルティメット版が出て、更に「2枚買ったら1枚タダ」系のキャンペーンが始まるまで、買う気はないですが(苦笑)。

 そうしたDVD化で盛り上がってる(<もう鎮まったがな)今日この頃な風潮もどこ吹く風で、相変わらず『エイリアン:オムニバス』、『プレデター:オムニバス』、『エイリアンズvs.プレデター:オムニバス』の3シリーズを読んでますが。

 読んだ中では、『プレデター:オムニバス』第2巻が良かった。

 ジョン・アルケイディの「まぁ、普通の『プレデター』ものを書くんで、気を抜いて読んでくれや」な感じで、「若きネイティブ・アメリカンの青年vs.プレデター」な話が手堅く面白い『プレデター:ビッグ・ゲーム』や、
 イタズラっ子が3D映画用の眼鏡をかけたら見えてはいけないモンが見えて……という思いつくようで思いつかなかったネタを上手に料理した『プレデター:インベーダーズ・フロム・ザ・フォース・ディメンジョン』とか、「オムニバス」の名に相応しい小気味よい佳作揃いでな。

 シェイファー弟が延々とマッチョにギャングや役人やプレデターをドツく話しか載ってない第1巻よりも、こっちの方がバラエティに富んでて、最初に読むのに向いてるかも。
 続刊もこの手の話が続くことを祈りつつ。

 でー、この『オムニバス』シリーズ、今月末に『プレデター:オムニバス』3巻が出て、更に今後『プレデター:オムニバス』4巻に、『エイリアン:オムニバス』4、5巻が出てと、いよいよもって読むのがおっつかなくなってきまして。
 個人的には『エイリアンズ』よりも『プレデター』派なんで、今後は『プレデター』と『エイリアンズvs.プレデター』(第3巻が出ないのはどういうことか)のみ買おうかと思ってますが。
 
 っつーか『オムニバス』シリーズだけでこんだけ出てるのか、ウヌレ。

 などと毎度トリトメない感想書きタラしつつ、オワル。

 ……『ターミネーター:オムニバス』のクレジットにアダム・ウォーレンが記載されてるのが気になるけど、どうせ短編だろうなぁ(と、解っていても、そのうち買っちゃうヲタクの性)。
  
  

……『ゴースト:オムニバス』もそのうち買う。
  
  
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タグ:AVP 今日読んだアメコミ

●編集者な日々。

2008.06.21 Sat

▼相変わらず無責任に書き飛ばす:

 そういや、いわゆるメインストリームのアメリカン・コミックスの出版社ってのは、文芸部門とかなくて「コミック部門」しかねぇから、必然、「俺はコミック編集者になる!」ってなヤル気のある人材しかこないのだろうなぁ、と、フト思った。

 まあ、「マニアックな人材しか来ない」という弊害は無論あるだろうけど。

 極論としては、集英社、講談社、小学館の3大大手はコミック部門を子会社化して、マンガ編集しかしたくない人材を集めればいいじゃん、とか思った(秋田書店? あそこはマンガ部門を独立させたら、何も残らないだろうが!)。

 あと、アメコミは編集者・作家の距離が、マンガとはまた違った距離感を持ってるよなぁ、と思った。こう、作家が編集者を兼務したり、編集者が作家に転身したりって、(メインストリームの)アメコミでは割とあることだし。
(「インディーズの出版社に至っては、作家自身が編集者とパブリッシャーを兼任してるしな」とか、書こうと思ったが、焦点がボケるので辞めた<書いてるじゃねぇか)

 こないだのエントリで紹介した「キング」ジャック・カービィに至っては、1970年代後半にマーヴルからDCに移籍した際、編集者兼、ライター兼、アーティストとして『ニュー・ゴッズ』『ミスター・ミラクル』『フォーエバー・ピープル』の3誌を切り盛りするという、1人出版社状態でしたが。
 っつーか、1人で1から10までやる、というのが美徳とされる日本のマンガ家だけど、作家が編集者も兼任するってのは、多分、かなり珍しいんじゃないかと(同人誌は別な)。
 ま、これはカービィが1950年代にジョー・サイモンと共にメインライン・コミックス<Mainline Comics>社という出版社を短命ながらも経営してた――編集者兼、作家兼、デザイナー兼、出版者だよ――経験があったからできたことだろうけど。

 その一方で、重役連と編集者・作家の距離も案外に近いので、実作家が出版者の社員としてキャリアを積んで、ついには重役・社長に上り詰める(カーマイン・インファンティーノやディック・ジョルダーノや、ポール・レーヴィッツら)、なんてぇことは日本のマンガ界ではあまりないよなぁ、と(編集者兼劇作家からマンガ原作者、小説家もやりだして、気付けば『クレヨンしんちゃん』プロデューサーに、とかいう常軌を逸した人もいるけどな<焦点がボケるから思いついたことをとりあえず書くのはよせ。伊集院光か、お前は)。
 ま、逆にビル・ジェイマスみてぇな、「コミック読んだことないけど、僕には溢れる才能があるので『アルティメット・スパイダーマン』のライターになるよ!」みてぇな、迷惑なエグゼクティブも出るけどな。

 ……「アメコミの制作体制はマンガよりもアニメ業界の構造に似てる」って指摘があるけど、この辺の「作家から編集者、そして重役へ」みてぇなキャリアの構造もアニメ業界に似てるかも。
 アニメの場合、編集者的な立場の「制作進行」から作家側(監督とか演出とか)に行ったり、アニメーターが作画監督→各話監督→監督って具合にステップアップしてくのは、珍しくないし。アニメ作家がアニメ会社の重役に、ってのもあるしな。
 あと、「マニア上がりの人材ばっかくる」構造も似てるな。

 と、相変わらずトリトメなく書きタラしてオワル。
  
  

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タグ:俺メモ 編集者

●元祖スーパーヒーロー「スーパーマン」、“既に”70歳

2008.06.17 Tue

▼カバーデート、な日々:

 こう、例えば、こないだ(6月15日)に出た「月刊コロコロコミック」は、6月発売号なのに、「7月号」と記載されてるじゃないですか。
 月刊誌に記載されてる「○月号」(「月号表示」っていうらしいぞ)と、実際の発売日は、大概、一致してないモンですよ。

 同様に、(いわゆるメインストリームの)アメリカン・コミックスも、表紙に記載されてる「July/2008」って表示(「カバーデート」っていうぞ)と、実際の発売月は一致してませんで。

 ちなみに「スーパーマン」の版元でおなじみDCコミックスの場合は、発売月の2ヵ月先の数字がカバーデートの数字として記載されるのが通例なので、今月出るコミックにゃ「July/2008」ではなく「August/2008」って記載されてます。

 ……最近は、割とDCでも発行予定月から数ヶ月遅れて出るコミック(『オールスター:バットマン&ロビン』とか)もありますが、その場合、6月に発売された雑誌でも、「April/2008」みてぇな、過去の月のカバーデートが記載されてるケースもありますね。


 何が言いたいかっつーと、

「スーパーマン」第1話が掲載された『アクション・コミックス』創刊号のカバーデートは、確かに「1938年6月」だけど、実際に発売されたのは「4月」

 つまり、

 スーパーマンは、「まもなく70歳」じゃなく、「既に70歳」なんだってばよ!(リンク先参照)


 っつーツッコミを入れたいが為にワザワザYahooブログに参加した俺さん乙。
気が済んだので削除した。  
  

  
  
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タグ:豆知識

●秘密の6人。

2008.06.15 Sun

▼『シークレット・シックス』オンゴーイング・シリーズ始動:

 チャック・ディクソン降板の知らせに、枕を涙で濡らして床についたオレですが、起きて、適当にニュースサイトを見てたら、9月から『シークレット・シックス』のオンゴーイング・シリーズが創刊されると聞いて生きる気力を取り戻す。

 ライターがガイル・シモーネな時点で何も言うことはねぇ。

 既に第1号の表紙も発表されてまして。



 ……手前で銃を構えてるのがおなじみデッドショットさん。『サルベーション・ラン』での後遺症か、顔つきが多少変わりましたね。
 その右でクネクネしてるのがラグドールさん、相変わらず無表情な男です。
 その後ろの人がキャットマンさん。相変わらずスポーティーなコスチュームと日焼けした肌がステキですね。
 その左はスキャンダルさん。男を惑わす魔性の微笑みです。
 その左は多分、新メンバーでしょう。いかにも戦闘のプロ、という感じですね。
 一番奥の顔色の赤い人も新メンバーですね。ミニシリーズ『ロード・ハボック』のメデューサを彷彿とさせるデザインですが、何か関連性が……?

 いやキミ、その表紙はヴァイパー・コミックスから創刊される『アタック・オブ・ザ・キラートメイトォ』コミック版の表紙やがな。

 あらあら うっかり。

 ……こういうブログでデカいリアクションで1人ノリツッコミをしていいのは20歳までですね。


 はい、こちらが無断転載した正規の第1号の表紙。



 とりあえず、メンバーはデッドショット、スキャンダル、ラグドール、キャットマンの4人プラス、後方でシルエットになってる2人、って陣容な模様。シモーネ先生のことでやんすから、また意外な所からメンバーを引っ張ってきてくれるんだろうなぁ(ウットリ)。
  
  

  
  
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●どうでも良き重大事。

2008.06.15 Sun

 チャック・ディクソンが2度とDCで仕事しねぇとか宣言した模様。

『バットマン&アウトサイダーズ』誌でのディブニー夫妻のアレと『ロビン』誌でのスポイラーのソレをワクワクしながら見守ってたオレにナンタル仕打ちだ。

 ……そういや、グラント・モリソンも昔、「ワーナーに『インビジブル』のネタをパクられたので2度とDCで書かない」宣言してたな。撤回したけど。

 ディクソンも撤回してほしいなぁ。是非。
  
  
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●トリトメなきメモ。

2008.06.15 Sun

 とりとめなく書きタラす。

▼メインストリームのコミックブックの原稿について覚え書き:

・こないだのエントリでも触れたけど、DCコミックス、マーヴル・コミックスの2大コミック出版社は、1970年代前半~後半頃作家への原稿の返却を始めた(平行して作家への印税の支払いなどにも着手している)。

・原稿を紛失した場合の補償だが、「ページ単価と等しい額を作家に支払う」というのが1970年代後半の相場(現在はどうか知らん)。日本のマンガ界では「10倍返し」が相場(多分。少なくとも俺は先輩の編集者からそう教えられた)なのに比べて明らかに安い。

・原稿を受け取るのはアーティスト。ライターは受け取らない。レタラーも、カラリストも受け取らない。コミックの原稿は、大概ペンシラー、インカーの2人が手がけているが、完成原稿はペンシラーが全ページ数の2/3、インカーが1/3受け取る。インカー2人の場合とかはわからん。1/3の原稿を2人で分け合う(=1/6)のかな。

・返却された原稿は、作家によってはとっておくけど、まあ、メインストリームのコミックブック作家の場合、大概は「売りに出す」

・単行本化の際は、出版社に残ってる製版フィルムを使うので、オリジナルの原稿は不要やねん。

・完成原稿の売却だが、現在では市場ができあがっており、専門のディーラーもいる。作家は契約しているディーラーに原稿を託し、ディーラーはそれをコミック・コンベンションやホームページなどで売る。売却された原稿からディーラーの手数料を差し引いた分が作家の収入になる。売れていないアーティストにとっては、完成原稿の売却による収入は大きい。

・完成原稿の相場は人気がなければ数十ドル。それなりに名が通ってれば数百ドル。人気作家なら1000ドル以上とか、まあそんな感じで作家人気に比例する。でもって、描かれているキャラクターがスパイダーマンだのバットマンだのといった有名キャラクターなら、更に値段は跳ね上がる。逆に言えば、有名作家の原稿でも「脇役の刑事がドーナツをムシャムシャ喰ってるシーン」とかなら安くなる。

・一例を挙げれば、メインストリームのコミックブック作家でも、人気、格共にトップクラスのアレックス・ロスの場合、彼の絵の売買をしてるサイトで確認した所、カラー原画は単体のヒーローで8000ドル、複数のヒーローや背景が描かれたものだと10000ドル超えはザラ、作画用に描き起こした鉛筆のスケッチで2000ドル、ラクガキ程度のスケッチでも400ドル……むしろ凄すぎて参考にならんな。

・アレックス・ロスは現在の人気作家だが、これがジョン・ロミータ・シニアの様なベテラン作家の過去の原稿なんかだと「美術的価値」みてぇなもんも付加されて価格は跳ね上がる。『スパイダーマン』の表紙線画で30000ドルとか。

このサイト(ディーラーのオンラインショップだ)の、トップページをリロードしつつ、ランダムに表示される原画の画像をクリックして値段を見てくと、なんとなく相場が見えてくる。……グレン・ファブリの『プリーチャー』の表紙カラー原画が7500ドルかぁ。

・お気に入りの作家の生原稿を所持することが、「勝ち組」なコミックファンのステータスの1つ。

・コミックのデジタル化が進む昨今、フルデジタルな作家の原稿とか、どうなるんだろ(売ることを考えて、デジタル導入に至ってない作家とかいそうだな)。
  
  
▼以下、不確かすぎる余談:

・完成品原稿の売買に似たものとして、「コミッション<Commision>」という文化もある。これは、完成原稿を買うのではなく、作家に相応の金(やはり作家の格によって上下する)を支払い、スケッチブックなどに希望した絵を描いてもらうこと。日本の同人誌の世界における「スケブ」を商売にしたモンか。

・コミッションは大概は鉛筆描きだが、金額次第でペン入れ、彩色までして貰えるみたい。更に金を積めば、マーク・テグゼーラに「全裸のスカーレットウィッチ」を描いて貰ったり、リック・メイズに「パンツ見せてるチュンリー」だのを描いて貰えるみたいね(まぁ、作家によるだろうけど。アダム・ヒューズは気軽に描いてくれそうだ<いくら取られるかは知らん)。

・コミッションは、作家と契約してるディーラーと接触したり、ディーラーが扱ってるできあいのコミッションを買ったり、コンベンションなどで「コミッション描きます」なんて看板を掲げてる作家に直接依頼するみたい。そこそこ人気の出てきたアーティストにとって、これまた重要な収入源の1つらしい。

・コミッションに関しては、「らしい」とか「みたい」ばっかでスマン。この辺、まだ良く解ってないんで、メモ的に書き留めてるだけやねん。
  
  
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タグ:俺メモ 豆知識

●適当なる日々。

2008.06.14 Sat

▼ジェフ・ジョーンズと父性、の巻:

 ふと、ジェフ・ジョーンズの作品には、折々に「ロクデもない父親と、その父親を許容して、精一杯の愛情を抱く子供」という構図が出てくるなぁ、と思った。
 コートニーさん(スターガール)と父親(職業:ヴィランの下っ端)とか、ブースターゴールドと父親(現在の職業:ヴィランの使い走り)とか。

 更に踏み込むと『JSA』では、ホークマン、アワーマン、ワイルドキャットといった、父性を放棄/喪失してしまったキャラクターとその子供との微妙な関係を軸にしたドラマが折々に登場してるなぁ、と思った(グリーンランタンも、と書こうとしたが、アレはポール・レーヴィッツの書いた回だった)。

 が、そこから別に何か作品論を導き出したりはしない日々。

 とりあえず、現行の『JSA』では、新メンバーのダメージ君が、父親である初代アトムがらみの因縁に対面しつつ、ヒーローとしての再生してくドラマを希望したく。その際にはアトムスマッシャー(初代アトムが育ての親)も無論、絡めて。

※2010/5 追記:再生しないまま『ブラッケストナイト』でダメージは死にました。合掌。


▼未発表、な日々:

 こう、5月中旬に書いたまま放っておいたテキストを、イマサラここに掲載しよう、という、どうにもならないエントリ。

※以降、5月中旬に書いたテキストを貼りつけてます。

 4月の新刊が届いたんで読んでる日々。

 今まで使ってたショップはいずれも(今月を例に取ると)「4月第1週~第4週」に出たコミックを月末~月頭に発送する、ってシステムだったのですが。
 新しく使い出したコミックショップである所のG-MARTは、「4月中頃~5月中頃」に出たコミックスを月中に発送するっつーシステムで、こう、今までとは違ったタイミングでコミックが送られてくるのが、まだ慣れねぇ今日この頃(まだ利用して2回目ですが)。

 とりあえず、『カウントダウン』最終話まで読んだ。

「さあ、1年間引っ張ってきたこのストーリーのラストバトルはこの人対、あの人です!」
「すいません、“この人”なんですが、今までの50話に登場してましたか?」
「詳しくは、某ミニシリーズ第8話を参照!」
「で、なにこのオチ」
「続きは、『ファイナル・クライシス』でね!」

 ……ちょっと待て。


 感想としては、「お前ら、そんなにジャック・カービィ大好きか」という具合ですが。様々な伏線が全て「僕らはカービィ大好き!」という1点に集約するこのラストは、ある意味で画期的かもしれん。

 っつーか、カラテキッドの病気のオチがまさかあの世界の創世に繋がるとは、予想できんがな。

 そしてどうやら『ファイナル・クライシス』もジャック・カービィ大好き! なハナシになりそうですね。いいのか、それで。いいですか、すいません。

 1年間読み続けてきた結論と言えば、「つまらなくはなかった、けど、毎週3ドル払って読む価値があったかというと……」な感じ。

 前シリーズ『52』は、中盤の絶望感とかラストの疾走感とかに「これは毎週3ドル払って追った価値はあった」と、思えたんですが。

 そして、今年~来年の週刊全52話なシリーズは、カート・ビュシーク&マーク・バーグレーの『トリニティ』ですが。……個人的には、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンのいわゆる「ビッグ3」が一堂に会する物語って、ワンダーウーマンが持て余されちゃう印象があるけど、どうなるかしらん。

 以上、トリトメもなく。  
  

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タグ:今日読んだアメコミ

●コミック原稿紛失世界記録、の話。

2008.06.12 Thu

▼どうでもよい豆知識:
記録として残っている、コミック作家の「原稿紛失枚数」世界一は、ジャック・カービィ。
その枚数は、少なく見積もっても6000ページ


 っつーわけで、雷句 誠先生はカラー原稿5ページ分をなくされたけど、世の中にはその1000倍もの枚数の原稿をなくされた作家もいるんだぜ、という、ウンザリするような豆知識。

 ジャック・カービィはマーヴル・コミックス社やその前身であるタイムリィ・コミックスで、『キャプテン・アメリカ』、『ファンタスティック・フォー』、『X-メン』、『ハルク』などを送り出した作家で、アメリカン・コミックス業界の“キング”として知られる人物。
 彼はマーヴル・コミックス社において、少なくとも8000ページ以上(一説では13000ページ)の原稿を描いたが、後年、彼がマーヴルから返却された原稿は約1900ページだった。
 実に6000ページ以上が紛失した勘定になる。

 この一件は、さかのぼれば1970年代に、マーヴルのライバル出版社であるDCコミックスが、それまで自社で管理していたコミック原稿を、作家たちに返却していったことに端を発する。
 現在では、当たり前である「原稿の作家への返却」だが、当時の(いわゆるメインストリームの)アメリカン・コミックス出版社では、原稿は出版社側が管理するのが慣例となっていた。
 このDCの活動は、競合相手であるマーヴル・コミックスにも影響を与え、やはり原稿を自社で管理していたマーヴルは、それらの原稿を順に作家たちに返却していく。

 ただしマーヴルは、原稿を返却するに当たり、各作家に対し著作に対する権利全てを放棄するという承諾書にサインさせた。
 権利全てを放棄するということは、返却されるべき原稿の所有権すらも放棄することに他ならないのだが、寛大なるマーヴルは、承諾書にサインした作家たちへの“贈り物”として、原稿を返却してくれた。
 何とも、お優しいことだ。

 ――やがて1984年8月、マーヴル・コミックスの上層部は、ジャック・カービィに対し88ページ分の原稿を返却することを提案する。
 打ち間違いではない。たったの88ページだ。無論、マーヴル・コミックス社の倉庫には、もっと沢山のカービィの原稿が眠っていたが、同社が彼のこれまでの功績に対し、充分な“贈り物”の分量としてはじき出した数字が88ページだった。

 無論、マーヴルは、「カービィが創作に関わった全てのキャラクターについて今後一切権利を主張しないこと」を記した承諾書も、カービィに送りつけた。
 ファンタスティック・フォーや、スパイダーマン(の原案)、X-メンなど、その広大なるマーヴル・ユニバースの基礎となる無数のキャラクターを生み出したジャック・カービィに対し、それらの功績に関する権利の一切を放棄しろ、と言ったのだ、マーヴルは。
 しかも、カービィに送りつけた承諾書は特別製で、「返却した原稿は、マーヴルの事前の許可なしに再録、複製、展示、売却することを禁じる」なんて条項まで付け足されていた。

 無論、カービィはこの条件を飲まなかった。


 翌1985年夏、コミック業界紙「コミックス・ジャーナル」がこの一件を取り上げた。「コミックス・ジャーナル」は続く号でもこの問題を扱い、カービィとマーヴルとの対立は、広く大衆の知る所となる。

 これを受け、ニール・アダムスやフランク・ミラー、ギャリー・トルードーといった当代一流の(そして反骨精神溢れる)作家たちは、カービィ支持を公然と表明した。
 その他のコミック作家の大半もカービィを支持した――マーヴルを敵に回すことを恐れ、公式にはそれぞれの立場を表明こそしなかったものの。

 更には同年11月19日、DCコミックス社の重役であるジャネット・カーン、ディック・ジョルダーノ、ポール・レーヴィッツの3人は、マーヴル・コミックス上層部宛てに1通の書簡を送った。
 その手紙に書かれていたことを要約するとこうなる。
・DCコミックス社は、カービィとその権利を支持する
・法律上、原稿の権利はカービィに帰属することは疑いようもなく、この件に関してマーヴルに議論や交渉の余地はない
・故に、可及的速やかにカービィに原稿を返却すべきだ

 カーンは元々児童向け雑誌の編集者で、ジョルダーノはアーティスト兼編集者からDCの重役に上り詰めた叩き上げの人物、そしてレーヴィッツはそのジョルダーノ門下でライター兼編集者として活躍し、ジョルダーノに続いて重役になった人物だ。彼らはDCの重役連でありながら、現場の事情、作家側の事情に通じた人間であり、それ故、カービィに肩入れした。

 コミック・ファンたちは、特に、カービィがマーヴルで手がけた作品を読んで育ってきた世代のファンは、コンベンションやファンジンなどでこの事件を語り合った。コミック・コンベンションでマーヴルのパネルが開催されると、ファンたちは最新作の情報よりも、原稿返却についての質問をパネリストにぶつけた。

 やがてマーヴルは、過去にカービィが取り交わした契約書に基づき、彼の描いた原稿の権利はマーヴルに帰属するとの声明を発表した。が、1978年に改定された著作権法では、原稿の権利は法律上はカービィに属していた。
 ちなみにマーヴルは、この著作権法の改正にあわせて自社の契約書の文言を修正し、契約に同意した作家が自動的に作品に関する権利を放棄するようにしていたのだが、幸いカービィは、契約更改時に新契約書のからくりに気づき、マーヴル・コミックとの再契約を拒否していた(その後DCコミックスに移籍している)。

 その後もしばらく、マーヴル・コミックスの上層部や弁護士たちはゴネ続けたが、結局、作家、ファン、業界誌、それに競合会社までもが一丸となった抗議活動に折れ、カービィに原稿を返却することとした。
 双方の弁護士を交えた数ヶ月に渡るやりとりを経た後、マーヴル・コミックス社は1987年5月に、同社の倉庫に残っていた約1900ページ分の原稿をカービィに返却する。
 残りの数千ページの原稿の行方は不明だった。


 1970年代後半から1980年にかけて、マーヴルの倉庫に収められた原稿の目録を制作していた人物によれば、マーヴルの重役の間では、倉庫内の原稿袋から数ページを抜き、お得意さんへの“おみやげ”にすることが一般的であったという。

 また一部の原稿を収めた箱は、マーヴル本社の貨物用エレベーターのそばに――原稿の入った封筒をカッパらって、そのままエレベーターで逃げられるような場所に――無造作に放置されていた。
「あそこから流出したらしい原稿は、よく出回っているよ」とは、事情通のコミック原画ディーラー。

 ちなみにその後、マーヴルは原稿返却に当たって承諾書を書かせるというやり方を放棄した。カービィの原稿が返却されてからしばらくして、ニール・アダムスが自身の原稿を返却するよう求めた際、マーヴルは書類の一枚もよこさず、黙って原稿を返却したという。
  
  

  
  
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タグ:編集者 豆知識

●奥付な日々。

2008.06.12 Thu

▼マンガの奥付を確認してみた:

 えー、前々回のエントリで、「マンガ編集者は自分の名前をクレジットしやがれ」とか書きましたが、それに対して、通りがかりの方のコメントで、「小学館の漫画には巻末に担当編集者の名前が書かれていますよ。」との指摘がありまして。

 試しに手元の小学館のマンガ単行本(ヤングサンデーコミックス『鉄腕バーディー』第18巻)を確認しました所、奥付のクレジットにゃ、「著者名」「発行者」「発行所」「印刷所」といったお定まりのソレに加えて、

・連載担当
・単行本編集責任
・単行本編集

 と、雑誌掲載時の担当編集者に加え、単行本化の際の担当者や、下請けの編集プロダクションの名前も記載されていました。

 サンプル1個だけではなんなので、サンデーGXコミックスの『新吼えろペン』第10巻および、『ブラック・ラグーン』第7巻なぞを確認してみましたが、こちらも「単行本編集責任」「単行本編集」のクレジットが記載……あれ、「連載担当」のクレジットがないや。
 更に『吼えペン』第8、9巻も確認したけど、こちらも「連載担当」のクレジット無し。サンデーGXは、連載担当を書かないのかなぁ。
 ……『吼えペン』なんて、毎回担当編集者とあとがきマンガで掛け合いしてるのになぁ(<あまり関係ないと思う)。

 ま、ともあれ、さすがはマンガ業界をリードする大手・小学館だけに、担当者も責任を持って記載してるのですね。
 こないだのエントリでは、“書いてない”と決めつけてしまいまして、申し訳ありませんでした。

 ……とりあえず、誰かヒマな方は、雷句 誠先生の『ガッシュ』の単行本の各巻のクレジットを確認して、「各巻の盛り上がり」の棒グラフと、「各巻の担当編集者」を棒グラフにしてまとめると、とてもステキな夏休みの自由研究になるのじゃないでしょうか。

 ついでなので、手近にあるマンガ単行本(俺の私物や、会社においてある「資料」など)を確認して、各社のクレジットがどんな風になっているか確認してみましたが。これはこれで夏休みの自由研究っぽいですか。

 結論としては、編集者の名前を奥付に入れてる出版社は、小学館以外にも多数存在しました。すいません、不勉強でした。

 適当に見て回っただけでも、
・少年画報社:ヤングキングコミックス
・竹書房:バンブー・コミックス
・徳間書店:リュウコミックス
・一迅社:レックスコミックス
・エンターブレイン:ビーズログコミックス、BROS. comics EX
 等々の出版社のコミックレーベルが、奥付に担当編集の名前を載せてました。

 傾向としては、講談社、集英社、秋田書店といった古参のマンガ出版社は、奥付が昔からのフォーマットを変えてないのか、担当編集者の名前を載せない。
 で、徳間書店、一迅社、エンターブレインみたいな新興の出版社が、編集者の名前を記載してる、って印象。

 してみると、古参大手なのにきちんと編集者の名前を入れるようにした(そういや、いつごろから入れるようになったんだろ<俺の子供の頃のサンデーコミックスには載ってなかったと思うんだけど……)小学館は偉いなぁ、という結論になりますね。編集者の質はどうあれ(<余計なことゆーな)、この姿勢は評価したく。


 あと、エロマンガの奥付は、案外、編集者や編集担当の下請けのクレジットをキチンと記載してますね。確認できたトコでは、コアマガジンとかエンジェル出版とか茜新社とか。
 ……外注の編集プロダクションが編集を担当することが多い業界だから、伝統的に記載するのかなぁ。

 元エンジェル出版(双葉社の子会社でエロマンガ専門のトコ)の社員で、自身も単行本の奥付に「編集」のクレジット欄に名前を載せた経験のある人に聞いたら
「……羞恥プレイみたいで」
 と、苦笑いされましたが。うん、ここはペンネームとか使ってもいいと思う。

 つか、ヘタをすると、「この編集者は巨乳で助平なお姉さんの出てくるエロマンガばかり作っているね」的に、編集人の嗜好が透けて見えるんじゃないかと思うんですが。

 とりあえず、結論としては、今度ヒマな時にマンガ喫茶行って、ひたすら奥付をチェックしよう、そしてエクセルでまとめて、夏休みのレポートにしよう、と思った。
  
  
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タグ:俺メモ 編集者

●どうでもいいアダム・ウォーレン。

2008.06.11 Wed

 っつーわけで、『エンパワード』第4巻の予約も始まってて、第3巻のレビューを書かなアカンと思いつつも、筆無精でスマン、もう少しかかる、な今日この頃。

 今回は、こないだ載せたアダム・ウォーレンの『ライブワイヤーズ』の紹介記事を書いてた時に、長くなるんで省略したネタを、さっと湯がいて適当に盛り付けてきたぜ、なエントリで。

 昨日書いた、「編集者とか、作家の周囲の環境が作品に影響するぜ」話にも関連した話題だったりもしますが。


▼『ライブワイヤーズ』誕生秘話、な話:

 少し前にdeviantartのウォーレン自身のページで紹介されてたネタですが。

 その、『ライブワイヤーズ』の担当編集者だったトム・ブレボート(いまやエグゼクティブ・エディターだ)のブログのエントリに、『ライブワイヤーズ』の企画の誕生経緯が明かされてたけど、これがとてもクダラナイ経緯だぜ、と言う話なんですが。
  
  
 なんでも、『ライブワイヤーズ』の企画が立ち上がった当時(2005年)は、『アイアンマン』の映画化のハナシが本格化してた頃でして(今年、ようやく公開されましたが)。

 でー、当時マーヴルのパブリッシャーだった、我らがビル・ジェーマスさまが、
「コレカラの時代はアイアンマンみたいな“テクノロジーもの”でキマリさ! さぁみんな、テクノロジーもののステキな企画を出しやがれ!」とか言い出して。
 年間の出版計画に「とりあえず、テクノロジーものコミック(仮)」のワクをこさえたのが、そもそもの始まりだったとか。

 でー、マーヴルの編集者ときたら、そんなジェーマスの馬鹿な思いつきステキなアイデアについてけなくて、なんも企画を出せませんで。

 一方で1人浮かれるジェーマスは、
「じゃ、君たち、過去のマーヴルの“テクノロジー”っぽいキャラを挙げたまえ。ボクのセンスにピンと来たら、そいつのコミックスを作るんだ」
 とか何とか言い出したとかで。ステキですね。

 でー、お定まりのデスロックとかが挙げられたけど、ジェーマスはお気に召さないようで。そんな中、ブレボートが適当に言ったですよ。

ブ「マナイテス、どうすか?」
ジェ「なにそれ?」
ブ「テクノロジーベースの、生命体っす」
ジェ「ピンと来た! そいつでいこう! そいつでミニシリーズを作るんだ!」

 ……いや、本当の話らしいぞ。

 マナイテスッつーのは、元々ボブ・ハラスが考案した存在で、設定上はジョン・バーン期の『アベンジャーズ』でビジョンのテクノロジーを手に入れたアメリカ政府が生み出した人造生命体、らしい。
 ハラス先生的には、人間、ミュータントに続く第3の種族としてマーヴル・ユニバースに活気を与えるぜ! とか目論んでたらしい。とりあえず、『アストニッシング・X-メン (vol. 2)』に登場したけど、誌上ではビジョン云々の設定は語られず、「変なメタヒューマン」程度の扱いで、誰にも注目されずに消えたらしい。


 でー。

 ブレボートは「マナイテス」が主役のミニシリーズを作ることになったんですが、上記のような経緯で生まれたシリーズだけに、企画書どころか、ストーリー概要も、想定している作家陣も、全くの白紙でありました。

 ……これは裏返せば、「マナイテスさえ登場すれば、後はどんな作家を集めようが、どんなストーリーを展開しようが全然OK」という、編集者にとっては夢のような(ブレボートいわく「白紙の小切手を渡されたようなもんさ」)状況でありました。

 でー、ブレボートは、こんな時でもなくばマーヴルに連れてこれないアダム・ウォーレンに、
「あのさぁ、『鉄腕アトム』『メタルメン』『ガンスリンガーガール』を足したような話、考えてよ」(ブレボート本人・談)
 とかいう乱暴なオファーをしたら、『ライブワイヤーズ』の原型企画が帰ってきて、その後ブレインストーミングを重ねてったそうで。

 が、ウォーレン的には、「マナイテスって名前がダサすぎ」ってのが正直な感想で、タイトルを変えたいと、ブレボートに願い出たそうですが。

 が、この企画ってば、上述のとおりに、『マナイテス』のタイトルありきで生まれちゃったモンでして。マナイテスにセンスがビリビリ来ちゃってるビル・ジェーマスに、「マナイテスって名前ダサいんで変えます」とか言えるワキャねぇ的に、ブレボートってば死ぬほど悩んだそうです。大変ですね。

 が、悩んでる間にビル・ジェーマスがパブリッシャーを辞めちゃって、じゃ問題ないや、ってな具合に『マナイテス』は『ライブワイヤーズ』に改題されましたとさ。

 めでたし、めでたし。


・結論1:困難は案外に時間が解決してくれる

・結論2:あなたの大好きな作品も、存外、適当なタイミングに恵まれて生まれたのかもしれないね



  
  
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タグ:編集者 アメリカのマンガ

●時事ネタな日々・その2。

2008.06.10 Tue

 雷句 誠が小学館を訴えた件を、野次馬根性で見守る今日この頃ですが。

 こう、個人的に思う所ですが。
 その、編集者が作品の成り立ちに密接に関与しながら、最終的には「裏方でござい」面で、名前を出さないという日本人的な奥ゆかしさ、悪く言えば責任を回避できる後方に身を置いてるその微妙な立場は、マンガっつーもんがここまで発展しちまった現在、そろそろアカンのやも知れぬ、と思った。

 とりあえず、作家よりも編集者の方が立場が上だと自覚してる編集者サマはすべからく自身がプロデュースしてらっしゃる作品の表紙に、自らのクレジットを入れるべきだと思った。

 出来れば作家本人以上の級数で。

 まあ、半分は皮肉だけど、残り半分は本気でそう思うねん、俺は。
  
  
 その、いわゆるメインストリームの、ヒーローもののアメリカン・コミックスってば、大概、クレジット欄にライターやアーティストに加えて、担当編集者の名前がクレジットされてるじゃないですか。俺、アレは凄く潔いと思うんですよ。

 こう、分業制であり、編集者がスタッフを集めることで雑誌が作られてく、ヒーローもののアメリカン・コミックスにおいては、結局、雑誌のカラーを打ち出すのは編集者じゃないですか。

 実際、『ジャスティスリーグ』や『ティーン・タイタンズ』みたいな、エラく長期に渡って続いてるタイトルのバックナンバーを読んでくと解りますが、明白に「編集者の変わり目」が、作品自体のカラーの変わり目(=作品の面白さ/つまらなさの変わり目)になってるですよ。

 でー、クレジットに編集者の名前を記載することで、その編集者は自らが打ち出したカラーに責任を持つってことじゃないですか。実に潔いですがな。

 つか、ブッチャケ、こっちが「どいつのせいで俺の大好きな雑誌が駄目になったのか?」ってのを確認する上で、編集者の名前がクレジットされてると凄く便利(<ヲイ)。
  
  
 例えば『ジャスティスリーグ・インターナショナル』誌が、キース・ギフェン&J.M.デマティス、それに担当編集者のアンディ・ヘルファーが降板して以降、つまらなくなりましたが(※俺の私見です。一般的にそう見なされてるワケじゃありません)。

 アレは結局、
「ライターのギフェン&デマティスが降りて、新ライターにダン・ジャーゲンスとジェラルド・ジョーンズが就任したから」という感じの、「作家レベル」で面白い作品を書けた否かとか言う単純な理由ではなく、もう一歩引いた「編集者レベル」で、ブッチャケ後任の編集者による雑誌の舵取りミスでつまらなくなったと思うわけですよ。

 具体的には、ヘルファーの後任編集者のブライアン・オーガスティンが、『ジャスティスリーグ』誌の“従来のカラー”を一新しようと試み、「俺独自のカラー」を打ち出そうとしたのが悪い(と、思う)。

 ダン・ジャーゲンスとジェラルド・ジョーンズの2人は、オーガスティンが「俺カラー」を打ち出そうとして、手前の作家人脈の中から連れてきた作家に過ぎないわけで。
  
  
 あるいは『ニュー・ティーン・タイタンズ』の場合。

 同誌は13年以上に渡り、ずっとマーヴ・ウルフマンが書いてたシリーズですが、末期の『ニュー・タイタンズ』がつまらなくなった理由は、その「マンネリ」とか、「マーヴ・ウルフマンの筆力が落ちた」とかいう作品・作家レベルでの原因よりも、やはり「編集者レベル」の問題も大きかったと思うですよ。

 具体的には、新任の編集者が次々に派手だけど中身のない企画をブチ上げたり(「タイタンズ・ハント」とか、『チーム・タイタンズ』とか、スターファイアとナイトウィングの結婚とかな)、その後任の編集者が自分の「カッコいいアイデア」を、ウルフマンにゴリ押しして書かせてたり(『ゼロ・アワー』以降の『ニュー・タイタンズ』全て)といったことをしてたからといった、編集レベルの舵取りミスでつまらなくなったと思うですよ(※重ねていうけど、俺個人の意見ね)。
  
  
 日本だって、「ヤングサンデー」で、編集長が交代した結果、『度胸星』と『ワールド・イズ・マイン』が打ち切られて、雑誌のカラーがスポーツもの主流になったことがあるじゃないですか。

 あと近年「週刊少年チャンピオン」と「チャンピオンRED」の編集長が交代したことで、両誌のカラーが大きく展開して、今の「週刊少年チャンピオン」がエラく面白くなってるとか……チャンピオンネタはマイナーですか、そうですか。


 って、自分でも何を書いてるか解らなくなってきたですが、その、作品を作るのは作家ですが、その作家の舵取りをするのは編集者なワケですよ。舵取りが間違ってりゃ、いくら船のエンジンが快調に動いてても、暗礁に乗り上げるワケで。

 故に編集者は己の舵取りに責任を負うべく己の名前を自身の担当作品なり、雑誌の奥付なりに記載すべきだと、思うねん(この際「スタン・リー」みてぇなペンネームでもいいので)。

「俺らサラリーマンだから、名前出すなんてとんでもない」とか言うなら、もうあれだ、名前出して恥じる所の無いようなプロの“マンガ屋”がいる編集プロダクションに作家管理の下請け出せ。それくらい「お仕事」としてマンガを扱いやがれ。


 っつーかね、「担当編集者のクレジットを記載する」ってのは、個々のマンガの成り立ちを研究する上でも、非常に価値ある資料になると思うですよ。

 その、1つの作品が生まれるにあたっては「作家個人の内面の衝動」とか「社会の大きなうねり」とかいったミクロ/マクロな視点よりも、「作家の人間関係や周囲の環境」あたりが、大きく影響を与えると思うですよ。割と。

 でー、作家に対してもっとも強い影響を与える人間関係っつーと、担当編集者じゃないですか。

 例えば、 「月刊少年キャプテン」休刊後の田丸浩史が「AICコミックラブ」で『課長王子外伝』描いたり、角川・富士見系のアレな雑誌で連載したりとかいう流れは、結局、田丸が「キャプテン」時代につきあいの深かった編集者が、徳間書店→AIC出版部→富士見書房と移籍してたから(+田丸が大阪の枚方在住なんで、他社の編集者とあまり接触できる環境になかった)っつー、「作家の人間関係やとりまく環境」によって生じたモンじゃないですか(例えがニッチ過ぎですか、すみません)。

 で、各編集者がそれぞれの担当作品を明かせば、こういった「作家の周囲の関係・環境」が、格段に俯瞰しやすくなると思うが、どうか(「どうか」、って言われてもなぁ)。
  
  
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タグ:編集者

●時事ネタな日々・その1。

2008.06.10 Tue

 その、神田界隈に勤務してて、時々秋葉原にも行ったりする俺ですが。生活圏内で無差別殺人が起きると、ちょいとこう、ギャグにも出来なくて、どうにもアレですな。

 歯車が微妙にずれただけで俺や同僚が死んでたかもしれんしなぁ、ということを意識しちまって。

 つか、あれだけ無抵抗の人を虐殺してた犯人が、1人の警察官に拳銃を向けられただけでアッサリ投降したっつーのが、俺的にこの事件の一番難儀なトコだと思った。

 他人はいくらでもブチ殺すけど、自分が痛いのは嫌か、お前は、と。

 要は自分は“無敵コマンド”入力状態で、抵抗されにくい奴らをザクザク殺したかっただけか、お前は、と。

 っつーか、そんないじけた精神状態でも人を殺せちゃうのだなぁ、と。

 その、ナンですが、殺人というのはもっと決死・必死な精神状態で行われるモンじゃねぇのかと思ってたですよ。

 手足を1、2発拳銃で撃たれようと、逃げまくって「もっと殺ったる」とかいう、ある種の「覚悟」が備わってこそ、人の命を奪えるだけの衝動が刃物に宿るんじゃねぇのか、と。

 それとも俺が殺人という行為に無駄な感傷を抱いてるだけで、別に世の中の大量殺人犯は割と覚悟なぞ無く、スナック菓子を喰うくらいの気軽さで人を殺してるのかなぁ。


※追記:一応、説明しとくと、このエントリを書いた数日前に秋葉原の歩行者天国でいわゆる「秋葉原通り魔事件」があった。
  
  
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●発音な日々。

2008.06.06 Fri

 こう、『バキ』の「油断しきったバキが敵にワンパンKO」ってシチュエーションは、『ドカベン』における「いい当たりすぎて野手真っ正面」ってのと同じくらいの周期で登場してね? とか思う日々ですが、そんなことはどうでもよろしいですね。
  
  
▼で、本題:

 ヨソのブログを読んでて、気付いたねんけど。

 現ブルービートルであるところの、Jaime Reyesくんのことを、ですな。ウチのブログじゃズッと「ジェイミー・レイズ」と表記してたけど、正しくは「ハイメ・レイエス」なのですね。

 そうだよな。米語でジェイミーじゃ、女性の名前だよな。<何を今更。

 スペイン語ムズカシーネ。<そういう問題か。

 っつーワケで、これからブルービートル絡みの過去記事を書き直してきます。<なんたる泥縄。


▼以下は余談(長いけど):

 豆知識:日本において、「Green Lantern Corps」のカタカナ表記が「グリーンランタン・コーズ」と書かれることが多いのは、多分、俺がここ10年以上Web上でカタクナに「コーズ」表記を続けてきたせい(だと思う)。<異論は受け付けます。むしろ異論求む。

 以下、無闇に長くなった言い訳。

 えー、その、俺個人は、原語に近い表記は「グリーンランタン・コー」だってのは重々承知の上で、「コーって表記だと字面がカッコ悪い」という、しょうもない理由で「コーズ」表記を続けております。すみません。

 こう、ウチのサイトは所詮“裏道”なんで、他にDCコミックスを扱った大手サイトができて、そこで「コー」表記をしてくんないかなぁ、とか思ってたんですが、ここ10年くらい、その様なサイトは登場しませんで、悪貨が良貨を駆逐しちまったようですね。すみません。<人事の様にいうな。

 あ、ちなみに、corpsは複数の場合は「コーズ」って発音になるのですが、「Green Lantern Corps」ってのは単一の集団ですんで、「コーズ」って発音にゃなりませんね。あしからず(『クライシス』直後の、Green Lantern Corpsが分裂してた時期には「コーズ」と発音できたかしら?<無理矢理だ)。

 ちなみに、俺は会話上で「Green Lantern Corps」について語る時は、「グリーンランタン・コー」と発音してますが。
 ……ほら、「へうげもの」と書いて「ひょうげもの」と発音するじゃねぇですか。あれと一緒。<こじつけだ。

「Corps」って書いて「コー」って読むんだから、「コーズ」って書いて「コー」って読んだっていいだろ?<逆ギレか。

 そういや、こないだの「コミック ガム」で小田切さんが「Green Lantern Corps」を「グリーンランタン・コープス」って表記してたけど、こないだの『Green Lantern Corps』誌上に「Green Lantern Corpse」ってチームが登場してたので、その表記は紛らわしくはなかろうか、と思った。<人のアラばかり探しやがる。

 ……アメリカ海軍(U.S. Marine Corps)を「マリンコ」とか言うんだから、いっそ「グリーンランタン・コ」という表記はどうか。ランタン子みたいで嫌ですか、そうですか。
  
  
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タグ:豆知識

●今あったことをそのまま書くぜ。な、日々。

2008.06.04 Wed

▼今あったことをそのまま書くぜ:

 今さっき、寝床で寝ててな。

 ふと、枕元に積まれてた、4月分のアメコミ(こないだ届いた)の山から、なんとなく目に付いた1冊を、手にとって読んだですよ。

 そいつが、とある会社の、とあるミニシリーズの最終号(全5号)でな。俺、発注ミスしてて、このミニシリーズ、1~3号まで読んだけど、4号読んでなかったねん。

 でもまぁ、最近のアメコミは1、2号抜かしても案外話は通じるだろ、とか、適当に決め付けて、読み出したですわ。

 したら、4ページ目、「前回までのあらすじ」の書いてあるページでな、「今まで4ヶ月間付き合っていただいたミニシリーズですが、実は、このミニシリーズの主人公は、このミニシリーズのタイトルに冠されてる人物のニセモノかもよ?」とか書いてあって、我が目を疑う。英語で言うと、オウンアイズにダウトフル。

 そのまま読み進んでったら、「やっぱ、主人公はニセモノでしたよ」とかいうオチで、二度我が目を疑う。英語で言うとオウンアイズをダウトフル・ストライクバック。

 なんつーか、長嶋茂雄のミニシリーズを読んでたら、最後の方で「実はこの話の主人公は長嶋茂雄ではなく、プリティ長嶋でした」とか明かされたようなもの、と言えばいいでしょうか。あるいは、ペンギンの肉だと思ってムシャムシャ食べてたら、実はキクラゲだったと明かされたようなもの……いや、これは違うな。

 でー、シリーズのラストは「僕は長嶋(仮)ではないけど、心は長嶋(仮)に等しいんだ。これから僕は、長嶋(仮)の遺志を継ぎ、もとい、俺こそが長嶋(仮)として頑張るんで、みんなも俺を応援してくれよな!」とかいう感じでな。

 ……こう、俺個人の感想としては、貴様は長嶋(仮)じゃないし、今までお前を長嶋(仮)だと思って払ってきた金を返せ、という感じだし、多分、今後数年間、長嶋(仮)の名前の冠されたミニシリーズは、新刊で買うつもりはない、という感じにまで萎えたのですが。

 っつーかさ、その辺のぽっと出の新キャラクターのミニシリーズならともかく、数十年の歴史を持つこのキャラクターの、数年ぶりのミニシリーズのオチをそういう形にするのは、なんたる非礼か、と。

 憤りの余り寝床から這い出して日記を書き出す、そんな午前1時。
 
 
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タグ:今日読んだアメコミ

●スパニッシュな日常。

2008.06.03 Tue

▼それすらも、スパニッシュな日々:

 こう、何の気なしに読んだ『ブルービートル』第26号のね、表紙に「スペシャル:スパニッシュ・ランゲージ・イシュー!」ってアオリが載ってて。まぁ、気にせず読んだのですが。

 で、今回の話は「主人公のハイメ・レイエスくんが、家族と一緒にレイエス一家の“一族みんなで集まって飲み食いしようパーティ”(英語で言うとファミリー・リユニオンってヤツな)に出て、婆ちゃんとお話ししてたら、街で怪物パラサイトが暴れて大変だぁ」ってな話でな。

 でー、このレイエス一族ってのがヒスパニック系なんで(※テキサス在住)、一族みんなで集まってる時にはスペイン語しか喋らないんですが。

 その結果、今回の『ブルービートル』は、セリフの80%以上がスペイン語表記というスサマじい構成で、恐ろしく面食らう。スペシャルっつても限度ってモンがあらあな。

 しかもスペイン出身のセルジオ・“GROO”・アラゴネスをワザワザ招いて、英語の脚本をスペイン語に翻訳してもらってる模様。なんだ、この無駄な念の入れ様は。

 一族同士の会話どころか主人公のモノローグまでスペイン語(いいじゃんよ、そこくらい英語で)、更にはヴィランのパラサイトもスペイン語で会話(パラサイトは接触した人間の記憶を吸い取る能力を持ってるんで、スペイン語圏の人を襲うと、当然スペイン語で喋れるようになります<っつーか、ヴィランにもスペイン語を喋らせる、という命題から逆算してパラサイトが選ばれたんでしょうが)。


(クリックで拡大)なんか、昔古本屋で間違えて買ったメキシコ版『パニッシャー』読んだ時のことを思い出した。

 ……しょうがないんで、セリフ読み飛ばして最後のページまで行ったら、巻末に8ページに渡り、オリジナルの英語表記の脚本が掲載されてて、一安心。

 っつーか、今回、この8ページの英語対訳を載せるために、通常より8ページ増量してるよ、オイ。

 と、まぁギミック的に翻弄された、この第26号ですが、お話的にもお婆ちゃんがいい味だしてて面白かったです(……巻末の対訳がなきゃ、面白さが解らなかったけどな)。

 こう、ブルービートルさんてばね、シリーズ初期のエピソードの時点で「友人、ガールフレンドはおろか家族にまでその正体が知られている」という、ティーンエイジャーヒーローとしては、異様に異色な立ち位置のキャラクターなこともあって(普通、「友人や家族に正体を明かせなくて苦悩する」のがお約束じゃね?)、「ヒーロー活動と家族」的なテーマの話が案外多い&秀作が多いのですよ。

 故に今回の話も、良かったですねん、と。

 ラストの婆ちゃんのブルービートルに対してのコメントが、「マイノリティとして苦労してきた人間」故の重み、みてぇなのが感じられてな。あぁ、ここでスペイン語で喋るっつー今回の企画がテーマに合致すんのか、と。

 結論としては、『ブルービートル』面白いので、騙されたと思って単行本1巻から読みなさい、と(<どこからその結論をひねり出したのか)。



  
  
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