Home>2008年09月  TotalPages1

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

●アイアンな日々。その3

2008.09.29 Mon

▼最近のアイアン:

 ここ半月ぐらい、『エッセンシャル・アイアンマン』第1~3巻を拾い読みしてますが。

 なんつーか、スタン・リー先生にSF的な素養のないことは重々承知していますが、アイアンマンの各機能を、なんでも「スゴいトランジスタで増幅しているのだ!」で説明しちゃうのは、どうかと思った。

「スゴいトランジスタで電磁石の磁力を増幅だ!」とか「X線メガネをトランジスタで強化して分厚い壁も透過だ!」とかは、まだ納得できるけど、トランジスタでジェットエンジンの出力が増幅するってのは、どうなんだろ。


それはそれとして、このアイアンマン高速突撃モード(勝手に命名)を
考案したドン・ヘック先生のデザインセンスは天才的だと思うんだ。



▼ムービーなアイアン:

 っつーわけで、見てきましたよ、映画『アイアンマン』。
 歌舞伎町のアカデミーのオールナイトで見たら、予告編が一切流れないでいきなり本編が始まってタマゲた。
 試写会で見て、オールナイトで2回見たんで都合3回。3回目は眠かったんで、ドラマシーンは目を閉じつつ、アクションシーンを目をコジ開けて見ましたが。すみません。

 感想としては、「ソツのない、良い脚本だよなぁ」と。

 こう、「トニーがアイアンマン・スーツを開発していく様を見せる」“男の子”向けのガジェット感溢れる面白さと、「社会人としては逸脱したダメっ子トニーを、ローディ、ペッパー、オビー(多分、この愛称で呼ばせてるトニーくらいなんだろなぁ)の3人がそれぞれの立場から彼に関わり、なんとか真人間にしようとしてく人間ドラマ」みてぇなミンナに向けた面白さが、程よいバランスで絡み合ってるねん。

 更には、案外しっかりとしてるテロリストの描写とか、コミック・マニヤがニヤリとするディテールとか、現代社会へのほどほどのメッセージとかいったあたりの要素も要所に配置してるしな。

 あと、適切なタイミングで挿入されるギャグもいいねん。シリアスなシーンの前後に、力を抜いてくれるシーンが配されてるんで、最後まで肩肘張らずに、程よくリラックスして見れるのね(中でもトニーとローディのギャグ、「ボケるトニーに冷静なツッコミを入れたつもりが、シーンが切り替わるとローディがボケてる」って、あの呼吸が大好き)。

 この辺の、みんなが見たいものを過不足なくバランス良く盛り込む感覚というか、分のわきまえ方は、スバラシーと思った。
 例えばこう、オレ個人としては、もっとガジェット感満載で、モノ凄く執拗にアイアンマン・スーツの地味な開発過程(耐弾試験とか、OSの開発とか)を描写してって欲しかったけど、まぁ、そんなモノは興味のない人にゃ眠いだけですしね。だから、万人向けの爽快感を演出しやすい飛行試験に特化した今回の見せ方は実に正解だなぁ、と。

 あと、伏線の張り方も明朗で「はい、ここに伏線張った!」「はい、伏線回収します!」ってノリは、娯楽作品として正しいよな、と思った。


 にしても、トニーさんの“男の子”っぷりが素敵。「僕のこの才能を使って、これまでの責任を取るんだ」とかいう、崇高な理念で開発されたはずのアイアンマンスーツなのに、気づけば「イッヒー! あい きゃん ふらーい!!」とかいう具合にスッカリ手段が目的に取って代わってるあたりとか。

 父親代わりのスターンには自分の発明を「凄いんだぜ」的にほのめかしつつも秘密にしたり、自分の秘密基地に女の子が来ると、居心地悪そうにしたり、男の子同士なローディには、最初は冗談めかしつつも真っ先に秘密を明かしちゃうあたりも男の子だよなぁ、と。

 
 あとこう、コミック・ギーク的には、「ワザワザ紛争地帯で兵器のデモンストレーションを行う」「胸に着けてるアレが、最初は心臓に破片が到達しないための装置だったはずが、気づけばペースメーカっぽい何かにスリ替ってる」あたりのディテールが、確信犯的に(<誤用)原作コミックに忠実な所がイカス。さすがにトランジスタじゃないけど。


 どうでもいいけど、劇中でペッパーが見てた「MAD MONEY」ってTV番組、実在するのね。ある意味、愕然とした。アメリカ人的には爆笑してんだろうな、あのシーン。

 一方で、冒頭でトニーが受賞してた「アポジー・アワード」って、検索しても広告の賞みたいなのしか引っかからないんだけど、アレは実在するのかしら。

 あと、劇中にコッソリとキャプテン・アメリカのシールドが登場してたのを今さっき知った。劇場で確認したかったなぁ(ションボリ)。


はい、トニーさんの脇の下あたりに見える赤・青・白の物体に注目ー。

 最後に、まだ未見の方に俺的な見所を1つ紹介しますか。
 ラストの記者会見シーンで、女性記者クリスティンの真後ろにいるアジア系の新聞記者に注目しましょう。目を惹く髪型と、いちいちオーバーにメモを取ったり眉をアゲサゲするリアクションが面白すぎです。誰だ、お前。
  
  

  
  
関連記事
スポンサーサイト

タグ:アメコミ映画

●アイアンな日々。その2

2008.09.27 Sat

 いよいよ今日から公開だねぇ、『アイアンマン』。

 てなワケで、ウチのブログなりに「アイアンマン週間」第2弾。


▼どうでも良きまとめ:

 前回のエントリの『デーモン・イン・ア・ボトル』を読んだ後、なんとなくボブ・レイトン&デヴィッド・ミッチェリーニ(Michelinieをミッチェリーニと表記してみたが、どうでしょうか)期の『アイアンマン』に興味を持つ。

 そういや、昨年出てたトゥーモロー・パブリッシング社の『バックイシュー!』誌の25号の「鋼鉄の男」特集号にレイトン&ミッチェリーニのインタビューが載ってたっけなぁ、と思い出して、部屋中をひっくり返す。
(ちなみにこの号のその他の記事は「リック・バックラーにデスロックについて聞く」「バックラー後のデスロック概観」に加え、「マシンマン」「スティール・ザ・インデストラクティブマン」「ハービィ」といったニッチ過ぎるメカニックなヒーローを紹介してるのがスバラシー)

 っつーワケで、以下、インタビュー内でのその当時の話をピックアップ。

・そもそもレイトン(アーティスト)とミッチェリーニ(ライター)は、DCの『クロー・ジ・アンコンカラード』でペアを組んでた。

・2人そろってDCからマーヴルに移籍した際、当時の総編集長ジム・シューターは、彼らにそれなりに期待していたようで、いきなりオンゴーイングシリーズのレギュラーを任せることにした。

・ただし、シューターが提示したのは、当時売り上げが最悪だった3誌。その中に『アイアンマン』があった(※残りの2誌が何だったのか、2人とも記憶になし)。

・『アイアンマン』を選んだ動機は、ボブ・レイトンが子供の頃から「アーマーを着たキャラクター大好き」で、なかんずくアイアンマンが大好きだったので。ミッチェリーニは『アイアンマン』を読んだことすらなかった

・結果、アーティスト(『アイアンマン』ではインカー)だったレイトンが、プロットにも参加することに。ミッチェリーニが従来の『アイアンマン』に囚われないアイデアを出し、レイトンが過去のコンティニュティを踏まえた上で膨らませる、的な二人三脚でシナリオが書かれていく。

・ちなみに、「アーマー大好き」レイトンは、ドクター・ドゥームとアーサー王も大好きだった(はい、ここで『アイアンマン』ファンはニヤリとすること)。

・ミッチェリーニらは、『アイアンマン』を手がける上で、トニー・スタークをよりリアルなキャラクターとして描くことを志向。「現実に彼のような立場に置かれたなら、どのような行動をとるか?」という思考実験から、『デーモン・イン・ア・ボトル』のストーリーラインが生まれた。

・「トニーはアイアンマンであることをストレスのはけ口に利用している→では、彼がアイアンマンに逃避できない状況に陥ったら?」
(※『デーモン・イン・ア・ボトル』を読み返せば解るけど、トニーが諸々の事情でアイアンマンになれなかったり、アイアンマンを憎悪するようなタイミングで、飲酒量が増えてるねん、これが)。

・また2人は「(当時の)トニーにはサポーティング・キャラクターが欠如している」ことに気づく。結果、トニーが語りかけられる対等の相手であるジム・ローデス、トニーの女性遍歴に冷静なツッコミを入れられるアーボガスト女史、トニーに比肩できるライバルのジャスティン・ハマーといった数々の名脇役が生まれた。

・オンゴーイング・シリーズの主人公をアルコール中毒にするという、『デーモン・イン・ア・ボトル』を書く上で、マーヴルの編集者が述べた意見はただ1つ「しっかりやんな<Do it well.>」

・……ま、ブッチャケ、当時の『アイアンマン』が、まださほど売り上げも向上しておらず、2線級のキャラクターだったからだが。

ミッチェリーニ「例えば、ピーター・パーカーをヘロイン中毒にしてたら、もっと激しく反対されてたろうね」<ミもフタもない。


 余談:アイアンマンの、いわゆる「シルバー・センチュリオン・アーマー」をデザインしたのはボブ・レイトン。
 このアーマーが登場した当時の『アイアンマン』の担当編集者、マーク・グルウェンウォルドの「サムラーイっぽい外観で」との要請でデザインした(あの肩アーマーって、もしかして裃……?)。
 ただし、「テクノロジーとは進化するにつれ小型化・軽量化していくものだ」との信念を持つレイトン自身は、装飾過剰になったこのアーマーを気に入ってない(お仕事としてデザインしたけど、「自分としては歴代で一番嫌いなアーマー」だってさ)。


 以上、本日もトリトメなく。
  
  

  
  
関連記事

タグ:豆知識

●アイアンな日々。

2008.09.25 Thu

▼どうでもいい感慨。

 いよいよ週末に『アイアンマン』が公開ね。オレ的には土曜日の夜中に歌舞伎町のオールナイトで鑑賞予定ね。

 どうでもいい話ですが、こう、『アイアンマン』公開までの、この数ヶ月でね、雑誌なりで『アイアンマン』の歴史を紹介する時、その割合に「反共→アル中→そして体制側へ」とかいう3段オチ(<オチてねぇ)、あるいは単に「反共」だけの出オチ(<オチてねぇって)的な文脈で語られることが多かったと、思うですよ。

 古くはウェイン町山のネットラジオ(だっけ?)とか、「コミックガム」の小田切さんのコラムとか、最近じゃ「フィギュア王」とか「A-ZERO」とか。あと「チャンピオン」系の雑誌で映画紹介記事書いてた方々(名前忘れた)とか。

 それ自体は、まぁ、読者や視聴者の興味を引くためにインパクトの強いネタをぶつける、っつーライティングなりトークなりのテクニックですし、ジャポネーゼは『アイアンマン』なんてメリケンのヒーローにゃ興味はないんで、まずは振り向かさなきゃいけないしで、肯定するのですが。


 でもね、公開を間近に控えたここ最近はね、そうしたインパクトは必要ないと思うのですよ。

 なのに(最近出た)映画雑誌なり一般誌なりで、80~120w程度の短い文字数で「アイアンマンの歴史」を語るスペースのテキストに、割と頻繁に「反共」とか「アル中」の単語入れてるのは、どうかと思うねん。

 その、100w程度の文章だと、3つくらいのセンテンスしか盛り込めないわけじゃないですか。そこに「反共」だの「アル中」だのといった単語を含めて一文を書いちゃ、アイアンマンの歴史の概観としては軸がぶれるですよ、絶対。

 どうかすると「コミックでアル中を描いたことで『アイアンマン』は高い人気を博したのだ」とかいう、誤った認識にも繋がったりするし。あんまりいいことないと思うですよ。

 こう、インパクトで引き付けなくても、それなりに注目が集まってる今の時期に、なんでそーいうコトするのかなぁ、と。
 もっとこう「科学礼賛」とか「発展しすぎた科学に振り回される人間」とかいった具合な、インパクトよりもスンナリ消化しやすい言葉で説明すべきじゃないのかなぁ、と、最近発売されたDVD雑誌を読んで思った。


 とか言いつつ、今日のエントリは「アル中」な頃のアイアンマンの単行本の感想っつー、いかにもインパクト狙いなソレですが(文句は『アーマー・ウォーズ』の在庫を切らしてたAmazon.co.jpに言ってくれ<ヲイ)。


Iron Man: Demon in a Bottle
Iron Man (Marvel Comics)David Michelinie Bob Layton

Marvel 2006-04-19
売り上げランキング : 171742


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  
 まぁ、『アイアンマン』のファンにはおなじみの、「トニー・スタークが色々プレッシャーに押しつぶされたあげく、酒に溺れる」ハナシですな。

 データ的には『アイアンマン (vol. 1)』第120~128号を収録。

 あー、ちなみに、「スタークが酒に耽溺したりしてジェームス・ローズが新アイアンマンに→スターク、会社をつぶしてホームレスに」って話は、この話の3、4年後、デニス・オニールがライターをやってた頃の、第169号以降の展開なので、混同しないように。


 でー、端的な感想としては、「構成がウメぇ」。

 こう、この単行本の第1話(第120号)の1ページ目から、いきなり「飛行機の機内で、悩みつつマティーニを数杯飲んでるトニー・スターク」の絵だったりして、後々の兆候が既に現れてるのですが。

 けど、この時点では、さりげなくスチュワーデスが「お客様、もうすでに3杯飲んでおられますが?」とか言及する程度で、演出としてはアルコールに焦点は当てられてないのですよ。ナレーションも酒についてはガン無視で、トニーの「悩み」の方に読者の注意を引こうとしてるし。

 けれど、その後も折々で、トニーは社長室でスコッチを飲んだり、お姉ちゃんとデートしながらシャンペン数本空けたり、ブランデー入りのコーヒー飲んだりといった具合に、飲酒のシーンが挿入されてくですわ。実にシレっと。

 で、中盤あたり、アイアンマンが敵の奸計にかかった所で、「ウィスキーの飲みすぎでヘベレケになって社長室に現れるトニーさん」なんて絵が出て、読者的には「あぁ、トニーさんちょっと飲みすぎじゃね?」とか、「酒」についてちょいと意識を置くようになるですわ。

 その後のトニーさんてば、アイアンマンの汚名を晴らすために立ち直った! ……かに見えて、その実やっぱり折々で飲酒は続けててね。

 最終的にはトニーさんは敵の企みを打破すんですが(<この話では10人くらいのスーパーヴィランを一方的に倒すという、カタルシス溢れる展開が気持ちいい)、その一方でちょっと落ち込むことがあって、酒でウサを晴らそうとした結果、人間関係を危うくする……ってな具合なひっくり返しがラストに待ってて。でー、最後のコマでアップで描かれた酒ビンごしにウナダれるトニーという構図で、読者はトニーが真に戦うべき相手に気づく、っつー。

 まぁ、こっちは先に「トニーがアル中になる話」だと解って読んでるんで、それらのシーンは冒頭からイヤでも目に留まっちゃうんですが、そうした前知識なしで読んだならば、結構不意を突かれてたろうな、と、思った。

 実に傑作ナリ。


 ただこの話は、その前の「信頼できると思ってたシールドが、トニーに対して背信行為を!」とかいう展開を受けてのものだし、トニーがアルコールを克服した後も、この背信行為に対してのトニーの苦悩は続いてくわけで。

「このストーリーラインだけ単行本にまとめられても、これ以前の話と、その後が気になるじゃないか!」っつーのが、正直な感想。

 こう、「ビジョナリー」レーベルとかで、この時期の『アイアンマン』誌をドカンと数冊、単行本化してくれ、という結論に。

 以上、相変わらずこれから読もうという人置いてけぼりの感想文でした。
  

・今回の名セリフ:His Second-Favorite Indoor Sport: Lifting Glass After Glass

 グラスのあげさげをインドアスポーツに例えるおかしさと「じゃ、1番に好きなインドアスポーツって何?」っつー考えオチがステキ(少年誌に載せるギャグじゃないけどな)。
  
  
関連記事

タグ:今日読んだアメコミ

●どうでもいい発見。

2008.09.17 Wed

▼今さっき気付いたこと:

 何の気ナシに、Amazon.co.jpで「Comics-Journal-Library」で検索かけたら、検索結果に雑誌の「コミックス・ジャーナル」が引っかかってタマゲる。

 どうも、今年6月発行の290号から取り扱いが始まったみたいね。

 ま、俺は「ジャーナル」は購読してないんで、このことを知ったとて、俺個人のギークな生活に何ら得はないのですが。

 ただ今後、例えばマンガ研究家の人が他の研究者に、「今月出たジャーナルに、マンガ批評についてのイイ感じな特集があったんで、XXさんも読んでくださいよ!」とかいう際に、ワザワザ海外のコミックショップで在庫を検索しなくともAmazon.co.jpで割合手軽に買えるのは良いかも、と思った。
(……そんな状況があるのかは知りませんが)


 余談:試しに「Alter-Ego」で検索したけど、やっぱりというか、俺が定期購読してる「アルター・エゴ」誌は引っかからなかった。ウヌレ。
  
  

  
  
関連記事

タグ:資料本 Amazon

●最近のボルトロン:迷走編。

2008.09.14 Sun

 うぃす。

 ダラダラ生きてたら、デッドショットさん講座も書ききらない内に仕事が忙しくなってきたよ。

 でも大丈夫、人間ってのは仕事が忙しくなってくると、逆にブログの更新頻度が上がってくる生き物だからね。<お前の逃避癖を人類の習性にまで拡大するな。
  
  
▼劇場なボルトロン、の巻:

「百獣王ゴライオン」ハリウッド実写版の監督決定か(バラエティ・ジャパン)

 リンク先の記事通り、劇場版『ボルトロン』が、また一歩完成に近づいた、というハナシ(ゴールはあと数千歩ほど先ですが)。

 しかしまあ、権利売却、製作予算縮小、監督はインディーズと、「尻すぼみフラグ」が次々に立ってますね。

 まあ、現状以下で完成するにせよ、想像もつかないほどの規模の大作映画で完成するにせよ、とりあえず、日本のアニメファンに少し姿勢を正させるような、何かしらのインパクトがあればいいなぁ、と思うのですが、無理ですか。失笑止まりですか。

 いっそ立ち消えちゃえ。<色々投げた。

 っつーか、イマダニWEPとの「契約の最終段階」なのかよ! 前回のニュースから2週間経ってるっつーのに。……まぁ、WEPの偉いさんにしても、これだけ当初の予定と違ってきたら、ハンコ押したくなくなるか。<憶測でモノを言うの禁止。
  
  
▼オモチャなボルトロン、の巻:

 かつてトイナミから出ていた、「マスターピース・ボルトロン」の廉価版である所の「ボルトロン:ライオン・フォース・コレクターズセット」が、そろそろ出回ってるようで。

 隣の国の玩具サイトでレビューを見かけたけど、ボックスの内箱がバンダイのDX超合金風になってて良い感じですね。

 オリジナル版の『VOLTRON』には思い入れのない俺的には、「ロゴが凄まじくダサい」というミもフタもない感想をコボしちゃいますが、直撃世代的にはこのロゴじゃなきゃ駄目なんだろうなぁ。

 この「コレクターズ・セット」版ってば、マスターピースではダイキャストだった箇所がプラスチック成型になってて、お値段半額以下(150ドル→60ドル)とかいう感じな商品仕様なのですが。
 マスターピースの方は、ダイキャストの重量の割に腕部の合体ピンが心モトない、とかいう話も聞くので、自重で関節がヘタらなくて良いんじゃないか、と思った。

 とりあえず、もうしばらく様子見して、適切な値段で買おうかなぁ。

 チナミに9/13現在、このコレクターズ・セット版は、ヤフオクで11000円前後(+海外からの出品なんで送料で1600円前後かかる)で出てるけど(※)、この値段なら俺はパスかなぁ。これなら北米のショップでアメコミのバックナンバー買うついでに買うわ。

(※)オークションでの検索キーワードは「ボルトロン」でなく「ゴライオン」じゃないと引っかからないので注意。

 以上、相変わらずトリトメなく。

 俺……今の仕事が一区切りついたら、『ボルトロン』の新ミニシリーズ読むんだ……。<死亡フラグ
  
  
関連記事

タグ:アメリカン・トイ ボルトロン

●I WANT YOU.な日々。

2008.09.12 Fri

▼米兵募集の絵柄とそっくり 伊賀のにぎわいフェスタポスター:(中日新聞)

 伊賀市で8月に開かれた夏祭り「市民夏のにぎわいフェスタ2008」のポスターが、第1次世界大戦で米陸軍が兵士募集に使っていたポスターの絵柄と似ていることが10日、分かった。市議会の一般質問で「不適切」と指摘を受けた今岡睦之市長は「市民から指摘を受け初めて知った。もう少し穏やかなポスターの方がよかった」と非を認めた。

 元のポスターが、左腕を省略してるのに合わせて左腕を浴衣の袖の中に入れてるトコとか、チラリとのぞくセクシーな鎖骨とか、無駄に手が込んでるなぁ、と。
 だったら、も少し巧妙に、首から上とかモトネタそのまんまコピペするんじゃなくて、自分の画風でサムおじちゃんを描いちまえば良かったんじゃねぇか、と。

 コチトラ、事なかれ主義のジャパニーズなんで、こういう「何か意図してるわけでもないのになんとなくヤバい方にツッコんでる気のする」ギャグは、どっかで「逃げ」を打てるようにしとくべきであることだなぁ、と思った。

 あと、ポスターのデザイン的には、周りがスカってるんで、サムおじちゃんをもう一回り大きくしたほうがいいと思った。
  
  
▼余談と見せかけて割と本題なキャラクター紹介

 ちなみに、我らがDCユニバースでは、アンクル・サムは、ベンジャミン・フランクリンによって召還された“アメリカの精霊”が化身したスーパーヒーローで、第2次世界大戦以来、ヒーローチーム、フリーダム・ファイターズを率いて戦ってきた人で有名ですね。
  
Uncle Sam and the Freedom Fighters: Brave New World
Uncle Sam and the Freedom Fighters: Brave New World (Uncle Sam and the Freedom Fighters)Rento Arlem

Dc Comics 2008-09-16
売り上げランキング : 233719


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 超能力は巨大化と不死身(※アメリカが在り続ける限り)。スーパーマンとガチで殴りあえるくらいの身体能力もあり。
 袖を捲り上げる決めポーズの後に、悪人どもにアンクル・サム パンチを見舞うシーンがお約束。
「いよっ! アンクル・サム!!」とか声援を送りたくなる位カッコイイ。
  
  
  
U.S. Uncle Sam (DC Comics Vertigo)
U.S. Uncle Sam (DC Comics Vertigo)Alex Ross Todd Klein

Dc Comics 2000-05
売り上げランキング : 131188

おすすめ平均 star
starアンクル・サム?サムおじさん?

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 こっちはヴァーティゴ・コミックス版。自称アンクル・サムな飲んだくれホームレスが、過去の幻想に悩まされたり、悪のアンクル・サムと電波大戦を繰り広げる愉快なお話。アレックス・ロスの無闇にリアルなアートは一見の価値アリ。
  
  
関連記事

タグ:豆知識

●最近のアメリカン・コミックス。

2008.09.10 Wed

▼適当な近況:

 7~8月頃に出たコミックスとかTPBとか、9月の新刊とか色々届いてどれから読もうか迷っちゃう今日この頃。
  
  
 こう今更ですが、メリケンでは先週出た『デッドプール』新オンゴーイングシリーズのライフェルド版ヴァリアントカヴァーが凄いね(どう凄いかはリンク先を見てね)。

 なんていうか、このイラストを「画:ロブ・ライフェルド」ってクレジットできてしまうことが凄ぇ。つか、ブッチャケ嫌がらせだよなぁ。

 思わず今週末にブリスターに行って、このヴァリアント・カヴァーを手に入れたくなった。よし、行くか。


▼今日読んだ本:

・『ゴーストライダー』第26号:

 2代目ゴーストライダーことダン・ケッチ再登場の巻、っつーことで、半年振りに購読再開。ダンのついでにケアテイカーとブラックアウトとオーブ(自称オール・ニュー)と死んだニンジャ(ほら、前シリーズの50号前後に出てた奴)と、前シリーズ末期に出てきた犬男(名前など知らぬ)が登場。なんだこの同窓会。……っつーか、オーブさんの出番これだけ?

 アラスジ的には「ダンが帰ってきたよ!」程度の顔見せだけで終わって、ジョニーとの対面は次号? な感じ。

 ま、大方の予想通り、ダンはジョニーと対立するっぽいですが、とりあえず、どんな形であれ、ジョニー&ダン揃い踏みのダブル・ゴーストライダーを実現さして欲しいのですが……ダンはゴーストライダーに変身してくれる……よね?


・「アルター・エゴ」第80号:

 マニヤ御用達のトゥーモロー・パブリッシングの看板雑誌。

 今月の特集、「ソーズ&ソーサリー イン・ザ・コミックス」が、始祖ロバート・E.ハワード(REHって略すとカッコいいぞ)からプリンス・バリアント、シャイニング・ナイトにゴールデンナイトにブラックナイト、コナンのパスティーシュ(クロム・ザ・バーバリアン、クローファング・ザ・バーバリアン……蛮族め!)、ブレーブ&ボールド、1970年代のソーズ&ソーサリーのちょいとしたブームとコミック版『コナン』、更にはセレバス、グルー……って感じに、ソーズ&ソーサリーなコミックブックの歴史の大枠を紹介してて勉強になる。<まだ全部読めてないけど。

 1950~60年代にメキシコで刊行されてた『コナン』の珍品コミック(ベリートが主役で、相棒のコナンが金髪。初期の話は「黒い海岸の女王」が元になっているが、連載を続ける関係でラストでベリートが生き返る<イカス)も数ページに渡り掲載されてたり、便乗して「黒い海岸の女王」が初掲載された「ウィアード・テールズ」の表紙なんかも載っけてる脈絡の無さもステキ。
 こう、ライター・編集者が「どうせだからこいつも突っ込んじまおうぜ」的に楽しんで誌面を作ってる感じがいいねん。

 来年1月発売の83号で特集第2弾をやるとかで、こら買わな。コッチはマーヴル版『コナン』やDCの『ファファード&グレイマウザー』、ゴールド・キーやアトラス・コミックス……といった1970年代のソーズ&ソーサリータイトルの記事がメインになりそう。


・『ジャスティスリーグ・アンリミテッド』第46号:

 最終号。最終号だっつーのに、ジャスティスリーグではなくグリーンランタン・コーズの面々が主役という反則極まりない回。もう一度書くが、これで最終回でいいのか。オレはいいが。

 アラスジ:グリーンランタン・コーズの拠点、惑星オアがアンチマター・ユニバースからの攻撃で大ダメージを受けた! ベテラン・ランタンのニューマンから連絡を受けたジョン・スチュアートとキロウォグは、ランタン候補生のノート(ニューマンの甥)、ブーディカらを伴い、アンチマター・ユニバースへ向かうが……。

 今回のポイントは、ちょいとオトボケだけど不屈の勇気を持つ主人公ノートと、かのシネストロも認める偉大なランタンである叔父のニューマン(だが実は……)という、キャラクター配置。
 っつーか、DCユニバースでの“本来の”ノート&ニューマンを知ってると「なんでこの2人がこの役回り?」という感じでな。

 例えるなら、アメリカ海兵隊の新兵の真ん中にバカボンとパパがいて、そのくせ全くギャグを見せず、真剣に黙々と海兵式訓練を受けている様を見せられてるような、「ツッコミ待ちだろうと振り上げた手の下ろし所が見つからない」居心地の悪さでゾクゾクするねん。
 しかも掲載誌が『ジャスティスリーグ・アンリミテッド』で、あまつさえ最終回にこんなことをされちゃあ、居心地の悪さ4倍、いやさ4×4の16倍だわ。

 あ、あと最後の“お約束”のコーズ隊員大集合な一枚絵の中にソラニク・ナツさんとかカイル君とかガイがいるのがステキでした。
  
  
 ……ちなみに、この記事書く上で、米語版Wikipediaのノートの項目を読んだら、ノートの現状は「『シネストロ・コーズ:シークレット・ファイルズ&オリジンズ』によれば、死んだらしい」とか書いてあって、愕然とする。

 念のため『シークレット・ファイルズ&オリジンズ』を見たら、確かに35ページ右下の「Presumed Dead」の項目にノートの名前が書いてあったよ! ヒデェよジェフ・ジョーンズ!

 南無。
  
  
関連記事

タグ:今日読んだアメコミ 資料本

●マガジンZが休刊するね、な日々。

2008.09.09 Tue

▼「マガジンZ」の想い出、の巻:

※お断り:今回のエントリは事実を基にしたフィクションであり、実在の人物・作品を想起させることがあっても多分に気のせいです。


 講談社の「月刊マガジンZ」が休刊するそうで。

 その、オイラは創刊直後くらいの『マガジンZ』で少しだけ仕事してたことがあったもんでな。なんとなしに夜空を見上げながら遠い目をしてみたり(ウソ)。


 ……その仕事ってのが、こうソモソモ、とある海外の有名キャラクターを日本の人気マンガ家がマンガ化するぜ、とかいう企画があってな。

 で、そのマンガの後に毎回1ページ程度挿入される“有名キャラクター”の歴史とか、人気ヴィランの紹介記事をな、少し手伝ってたねん。

「少し」っつーのは、その記事を全部オイラが書いてたワケじゃなく、「共著」って言やいいかな、別の人間(外国人)が書いた原稿を、整った日本語にリライトする、とかいう仕事だったねん(リライトついでに勝手にオレ個人の視点なり解釈なりを足したりもしたな<ヲイ)。

 ……あ、書いてて思い出したけど、オレの関わってる記事は、該当のマンガの単行本1巻後半あたりの雑誌掲載分くらいだと思った。それ以前は別の人間がリライトしてた。
  
  
 当時の思い出としては、クダンのマンガの単行本作業が終わってないのに、マンガ家先生がサンディエゴ・コミコンにゲストで行ってしまって単行本の発売日が……とか、

 さらに、帰国したマンガ家先生が単行本用描き下ろしを頑張っちゃったシワ寄せで、単行本の巻末に再録される俺らの記事ページが16ページ→8ページ(確か)になったとか、

 おかげで、単に雑誌掲載分の記事をそのまま巻末に載せるだけの楽な仕事が、記事を再構成する羽目に陥って徹夜したとか、

 ……いや、今思い出したが、最初は単に「雑誌記事16ページ分から、より抜いた8ページを掲載する」って方向の(楽な)修正だったのが、当時の俺が「それじゃコチトラの気が済まねぇ」とか言い出して、夜中にデザイナー(女性だった)を叩き起こして16ページの記事を切った貼ったして圧縮再構成したラフを投げつけたんだ。確か。
悪いのオレじゃん。


 あと、「版元(ニューヨーク市のブロードウェイ1700番地にある某社)へ記事内容のチェックに出すので、記事を英語に翻訳してください」とかサラリと言われて、かなり文法的にどうなんだろう、と思われるソレをやはり徹夜で書いたっけ。

 確か、このマンガは英語版も刊行されてて、その巻末にゃ、オイラの手掛けた巻末記事の米語版も載っかってるはずなんで(確認してないけど)、この事実をうまいことコネクリ回せば、
「オレはホンの数ページだけどDCコミックス(<社名伏せろよ)でライターとして仕事をしたことがあるんだぜ」
 とかいうプロフィールを自称できるような気がするが、どうか。<知るか。
  
  
関連記事

タグ:邦訳アメコミ

●最近のレジェンズ。

2008.09.08 Mon

▼最近の予約:

 真昼間からブログを更新、と見せかけて、FC2ブログの「予約投稿」機能のテスト。

 この機能を使えばアリバイ作りは勿論、2日連続更新(と、見せかけて、ダラダラ長くなった日記エントリを半分に分けて予約投稿)とかも出来るのだぜ。

 っつーワケで、明日もこの時間にエントリがアップされるよ。と、意味ねぇ予告をしつつ。
  
  
▼シリーズ・最近のデッド:

 ……デッドショットさん講座の3回目は、まぁ、書いてますのでもう少々お待ちください。

 とりあえず、実家に帰って『レジェンズ』全6号だの、『デッドショット』ミニシリーズだのを回収して、読み返したりしてますが。

 でー、この『レジェンド』第1~2号にかけて掲載されたマイク・ゴールド(『レジェンズ』担当編集者)による「『レジェンズ』ができるまで」なコラムをイマサラ読んだのですが。

 これが、「『スーサイド・スカッド』のオンゴーイング・シリーズの企画は『レジェンズ』が始動する前から進められていた」とか、「作家陣にジョン・オストランダーとレン・ウェインを推したのはディック・ジョルダーノ」とか、「当初の仮タイトルは『クライシス2』で、全8号で、ジェリー・オードウェイがペンシラーになる予定だった」とかいった、初めて知る事実があって「へぇ」と思う。

 ちなみにペンシラーがジョン・バーンに変更された&全6話になった経緯は、

 クロスオーバーする上で、各タイトルの編集者への諸々の確認・許諾に手間取る。
  ↓
 発売2ヶ月延びる。
  ↓
 ジェリー・オードウェイのスケジュールが合わなくなる。
  ↓
 オードウェイの代わりとなる格の作家といえばジョン・バーンかなぁ。
  ↓
 ダメ元でバーンに『レジェンズ』のプロットを渡したら、「描いてもいいよ」とか言われる。
  ↓
「でも俺、『ファンタスティック・フォー』で忙しいんだけど、スケジュールも少しなんとかならん?」とかバーンが言う。
  ↓
 ジャネット・カーン(DCコミックスの偉い人)が色々と手を回して、「バーンの代わりにオードウェイが『ファンタスティック・フォー』を描く」とかいうアクロバットでバーンのスケジュールをコジ開ける。
  ↓
 バーン「すまん、それでも6ヶ月しか制作期間を絞り出せないわ」
  ↓
 バーンの制作期間に合わせ、全8話から全6話に短縮。

 とかいう紆余曲折があったんだとか。イカス。

 こう、「偉い人」「大先生」等々の都合に合わせて、企画が音を立てて変わってく、なんてこたぁ、良くある笑い話ですが、ゴールド当人はサゾカシ胃が痛かったろうなぁ、と(「社長クラスが直々に動いてて、その返事待ち」とか、嫌だったらありゃしねぇ)。


 以上、「デッドショットさん講座」の方じゃ、多分盛り込まないネタを書きタラしてみました。
  
  
関連記事

タグ:俺メモ 編集者

●最近の日常・初秋篇。

2008.09.05 Fri

▼業務連絡気味:

 これから、こないだのマーヴルなトリビアのアレを、コメント欄のロヒキアさんの指摘を受けて微妙に文章書き足すぜ、という報告をば。

 あと、こないだのデッドショットさん絡みの日記の文章に対し、さる方より「『バットマン・パーフェクトガイド』の該当の文章は、原語版でもAn Assassinとしか書かれてないですよ」てな指摘をいただいたので、そっちも修正するです。


▼最近のカシアス:

 神保町の丸香でうどん(ひやかけ)とゲソ天を喰った帰り、なんとなく近所の長嶋書店に立ち寄ったら、地下のアメコミ置いてあるダンボール内に『スーパーマンvs.モハメド・アリ』日本語版を発見。2100円ナリ。

 ちょうど前日、時間つぶしにやったパチンコでアブク銭を掴んでたので、一緒に有ったニール・アダムスの画集2冊ともども購入。

 したら、レジに凄く無造作に少年画報社版の月刊『バットマン』が2、3冊ほど積まれてて、「うへぇ、眼福」とか思う。多分、店頭にゃ出ないんだろうなぁ。

 しかし、スーパーマンをブチのめしちまうモハメド・アリは凄ぇなぁ。そら範馬勇次郎も敬意を表すわ。<それはマホメド・アライだ。

 以上。
  
  
関連記事

タグ:邦訳アメコミ チャンピオン 古本

●どうでも良い解説:キリング・ジョークのラストのジョークについて。

2008.09.03 Wed

▼余計なお世話かもしれないが、あのジョークのオチを解説しよう、の巻:

 こう、突発的に『キリング・ジョーク』のラストでジョーカーの言ったジョークのオチについて(まぁオレ個人の解釈ではあるけど)、一度キチンと解説しとこうかと思った。

 ブッチャケ、某巨大掲示板の某スレッドに書き込みしようと思ってたねんけど、どうしても長くなるんで、面倒だからコッチで気の済むまで長々と書いちまえ、と思ってな。

 っつーワケで。

※以降の本文が丁寧語になってるのは、昔、このジョークの解説を書こうと思って書きかけてたテキストを流用してるからで、特に意味はないので気にするな。  

  


  
 さて、まずは件のジョークの全文を引用しますと、こんな具合です。

‘See, there were these two guys in a lunatic asylum
 とある精神病院に二人の男がいた

and one night... one night they decide they're going to escape!
 ある晩、二人はもうこんな場所にはいられないと腹をくくった 脱走することにしたんだ

So like they get up on to the roof, and there, just across the narrow gap,
 それで屋上に登ってみると、狭い隙間のすぐ向こうが隣の建物で……

they see the rooftops of the town, stretching away in moonlight... stretching away to freedom.'
 さらに向こうには、月光に照らされた夜の街が広がっていた……自由の世界だ!

‘Now the first guy he jumps right across with no problem. But his friend, his friend daren't make the leap.
 で、最初の奴は難なく飛んで隣の建物に移った。だが、もう一人の奴はどうしても跳べなかった。

Y'see he's afraid of falling...
 そうとも……落ちるのが怖かったんだ

So then the first guy has an idea.
 その時最初の奴がヒラメいた。

He says "Hey! I have my flash light with me. I will shine it across the gap between the buildings. You can walk across the beam and join me."
 奴ぁ言った「おい、俺は懐中電灯を持ってる! この光で橋を架けてやるから、歩いて渡って来い!」

But the second guy just shakes his head. He says...
 だが二人目の奴ぁ首を横に振って……怒鳴り返した

he says, "What do you think I am, crazy?"
「てめぇ、オレがイカれてるとでも思ってんのか!」

"You would turn it off when I was half way across."
「どうせ、途中でスイッチ切っちまうつもりだろ!」



 ポイントは、「最初の奴」の言ったこのセリフです。
Hey! I have my flash light with me. I will shine it across the gap between the buildings.
You can walk across the beam and join me.

 実は下線部「the beam」は懐中電灯の「ビーム(beam)」と「梁(beam)」がかかっています。

※「梁」というジャパニーズの意味がわからない人は辞書をお引きください。

 つまり「最初の奴」は、懐中電灯のビームでビルとビルの間に「梁」をかける、と言っていて、この光の「梁」の上を歩いてこっちに来いと言ってるのです。
(※うっかり「ビルとビルの間にかかっている梁を懐中電灯で照らしてやるので、こちらに来い」という意味に取ってしまわない様に)

 邦訳版だとここは「光で橋を架けてやるから」といった具合に、「梁」ではなく「橋」とした上で意訳してますね。


 さて、このテキストを読んでいるあなたは、とりあえず上記の発言に水平ツッコミを入れることを推奨します。なぜなら、光の上を人が歩けるわけはない。当たり前です。

 ですが、この男は真顔で「光の上を渡れ」と言っています。なぜならこの人はクレイジーだからです。わかりますね?


 さて、このクレイジーな男の発言に対し「二人目の奴」(無論、この人もクレイジーです)は、
「てめぇ、オレがイカれてるとでも思ってんのか?」と返します。

 1人目のクレイジーさんの「光の橋を渡れ」という常軌を逸した提案に対し、2人目のクレイジーさんが(自分もクレイジーなのにも関わらず)「俺をイカれてると思っているのか?」と返す。

 言うまでもなく、これはギャグです。こう、観客側がこのツッコんでる二番目の奴に対し、「お前が言うな」と心中でツッコミを入れるタイプの考えオチですね。


 ……で、このツッコミでギャグが完結したと思いきや、「二番目の奴」は更に続けます。

 この最後の1行こそがこのジョークの本当のオチ、2段オチの2段目なのです。

You would turn it off when I was half way across.
「どうせ、途中でスイッチ切っちまうつもりだろ!」

 わかりますか? この男の言ってることが。

 わからない人(<昔のオレ)の為に補足すると、この男はこのように言ってます。
「どうせ俺がビームの上を歩いていって、途中までさしかかったら、懐中電灯のスイッチを切ってビームを消すつもりだろう!(そしてオレをビルから落とす気だろう!)」

 ……そう、実はこの男は「ビームの上を歩くことができる」ことについてはツッコんでない、むしろ光の上を歩けることを前提に話をしてます。

 つまり、先ほどの「俺をイカれてると思っているのか?」というセリフは、「ビームの上を渡れ」という発言自体へのツッコミではなかったのです。

 本当にこの男が心配していたのは「ビームの上を半分まで歩いていった所で、向こう側の男にビームを消されること」だったのです(なぜなら、向こう側の男はクレイジーな人で、そんな野郎を信じるのは「頭がイカれてる」奴くらいだからです)。

 つまりこのジョークは、気の違った提案、絵空事の提案に対し、ちょいとオカしげな響きのツッコミをしたと思いきや、実はそのツッコミ自体が、まるで見当はずれな方向に放たれていたという、二重、三重にクレイジーなやり取りがミソなのです。


 なお、作中のジョーカーは、直前のバットマンが言った、
「我々の関係を、殺し合いで終わらせたくないんだ」
「どんな不幸がお前の人生を狂わせたのか、それは知らない。だがもし私がその場にいれば……お前の力になれたかもしれない」
「だからもう自分を追いつめるな。苦しみを一人で背負い込むな」
「我々が殺しあう理由などない」

 という、一連の真摯なセリフを聞いたことで、このジョークを思い出しています。

 つまりクレイジー極まりないジョーカーに対し、それでも「我々が殺しあう理由などない」と手を差し伸べようとするバットマンの提案は、実は「光の梁を渡れ」という1人目の患者と同じくらい、クレイジーで常軌を逸した発言に過ぎないことを示してるわけですね。

 ですがジョーカーは、その提案をけして受け入れません。なぜなら提案者であるバットマンはクレイジーな奴であり、そんな奴を信じて光の梁を渡るのは、頭のイカれた奴だけだからです。

 かくて、この2人の気狂いの間の溝は、永遠に飛び越えられることはないのでした。
  
  



 ……てな感じに、オレはあのジョークを解釈してるのですが、どうか。

「いやその理屈はおかしい」等、意見をお持ちの方は、コメント欄にいただければ幸いです。

 以上。
  
  
バットマン:キリングジョーク
―アラン・ムーアDCユニバース・ストーリーズ
(JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)
バットマン:キリングジョーク―アラン・ムーアDCユニバース・ストーリーズ (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)アラン・ムーア

ジャイブ 2004-03
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
starジョーカーが哀しすぎる
starコアなファン向け
starアランムーア傑作集

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
今回引用した日本語版のセリフはこちらの単行本より。
  
  
Batman The Killing Joke
Batman The Killing JokeBrian Bolland

おすすめ平均
stars傑作だと思います。
starsキリングジョーク

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
こちらは今年頭に出た新装版ハードカヴァー。
アーティストのブライアン・ボランド自身が彩色を1からやり直してて、質感がむやみに向上してます。
オリジナル版と比べてみるのも一興(とりあえず、上のオリジナル版の表紙と見比べてみ?)。

  
  
※追記:まさか、これ書いた後で「新装版」の方が邦訳版で出るとは思わなかった。
  
  
関連記事

タグ:アメコミ講座 邦訳コミック

●最近の「そんだけ」。

2008.09.02 Tue

▼どうでもいい日常:

 日曜にブリスターのセールに行った。

 アメコミは面倒くさいので漁らず、特売のフィギュアを物色。

 DCダイレクトのブルービートル(ハイメ)のアクションフィギュアが、ノーマル&ステルス共に500円だったので、1個ずつ購入。



 現行シリーズ初期のビートルのプロポーションをよく捉えて立体化してると思う。変に筋肉質じゃなくて、頭がやや大きめなのがステキ。
 にしても、こんな歯ギシリ面にしなくてもいいと思うんだが。

 メタリック&ツヤ消しを使い分けた塗装、クリアパーツの目、上品に入れられた各部のディティール等、完成度はかなり高し。
 ただ、下半身がロクに動かなくてポーズをつけづらいのが難点(まぁ、DCダイレクトに可動を求めちゃいけませんが)。

 両バージョンとも、コミックと同デザインのバックパック&両腕に取り付けられるシールドが付属。俺は何にも付けないのが好きですが。

 そんだけ。
  
  
関連記事

タグ:アメリカン・トイ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。