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●俺メモ:マーベル・ユニバースの鉱物について。

2011.10.26 Wed

▼俺メモ・マーベル・ユニバースの架空の金属についての覚え書き:

 こう、映画『キャプテン・アメリカ』のおかげでヴィヴラニウムとかのマーベル・ユニバースに存在している「架空の金属元素」が気になってきたので、適当に調べた結果をここに書き記すものナリ。

 とりあえず、実際のコミックやオフィシャル・ハンドブックなどを読んだわけではなく、wikipediaやマーベルデータベースなどのネット上の情報だけを元に記事にしているので、間違っている箇所があれば指摘して頂きたいなぁ、などと甘えたことを前書きしてみたり(すみません)。


・プランダラーズ・ストーン(Plunderer's Stone)/アンチメタル(Anti-Metal):

 初出はスタン・リー作の『デアデビル』第13号[1966/2]。ケビン・プランダー(密林の王者ケイザーの本名ね)の父親が発見した鉱石。謎の震動波を発して、金属原子の結びつきを解消させてしまう能力を持つ。そのため、この金属で作った武器は、どんな金属でも(アダマンチウムですらも)容易に切り裂く。

 元々は『デアデビル』第12~14号の3号連続のストーリーのカギとなるアイテムとして登場。当初は単なる「鉱石(the ore)」と呼ばれていただけだが、悪人プランダラー(本名パーニバル・プランダー、ケイザーの兄)によって見いだされ、「プランダラーズ・ストーン」なる名前を付けられる。

 その性質故に、「アンチ・メタル(Anti-Metal)」とも呼ばれる(「アンチ・メタル」の名称の初出は確認中)。

 後の『ファンタスティック・フォー』第119号で、ヴィブラニウムからアンチ・メタルという合金を作ることができるとブラックパンサーが明言し、結果、アンチ・メタルはヴィヴィラニウムの派生物であるという設定になる。


・ヴィヴラニウム(Vibranium):

 初出はスタン・リー作の、『ファンタスティック・フォー』第53号[1966/8]。

 アフリカにある架空の国家ワカンダに産する鉱石で、震動(vibration)を吸収する効果を持つ。――この、スタン・リーが割と適当に思いついたであろう設定は、後のライターによって解釈が拡大されていき、「音波」「衝撃波」など、様々な「震動により伝播するもの」を吸収する物体となり、非常に便利なアイテムと化していった。

 なお、ヴィヴラニウムが吸収した衝撃波のエネルギーは、ヴィヴラニウム自体の金属原子の結びつきを強くするため、衝撃波を与えれば与えるほど堅くなる、という非常にズルい設定がある。――とはいえ、ヴィヴラニウムはアダマンチウムほどは堅くなく、高密度でもない模様。

 ちなみにワカンダのヒーロー、ブラックパンサーは、コスチュームの下にヴィヴラニウム製のメッシュスーツを着ているため、めっぽう衝撃に強い。また彼は、ブーツの底にヴィヴラニウムの板をしいているので、高いビルから飛び降りても大丈夫だったりする(足から着地できれば、だが)。

 あと個人的に好きなヴィヴラニウムの活用法は、「エージェント・ゼロ(マーベリック)は、ヴィヴラニウム製のボディアーマーを身につけているので、音をたてずに移動できる」というやつ(周囲の音も無差別に吸収してしまうので、むしろ危ない、とかいうツッコミは無粋だ)。


 当初は、ヴィヴラニウムはワカンダにしか産しない鉱石であるとされていたが、後に南極にも産するという設定が追加された(いつ頃追加されたかは捜索中。――アンチ・メタルが、ヴィヴラニウムに関連づけられたのと近い時期じゃないかと推測してるが)。

 そのため、南極に産する方は「アンタークティック・ヴィヴラニウム」もしくは「サヴェッジランド・ヴィヴラニウム」、ワカンダに産する方は「ワカンダニアン・ヴィヴラニウム」と呼んで区別される(名前は異なれど、性質は変わりないが)。


 ちなみに、筆者個人はヴィヴラニウムの「衝撃波を吸収する」という特性が、「振動波を発して、どんな金属も切り裂ける」アンチ・メタルの効果を無効化できるのではないかと思うが、このことについて明言された資料は今のところ見つけられていないため、「筆者はそう思う」とのみ述べるだけに留める。


・ラヂオアクティブ・ヴィヴラニウム(Radioactive Vibranium):

 文字通り、放射線を帯びたヴィヴラニウム。詳細は不明。アフリカローカルのスーパーヒロイン、ヴィヴラニア(Vibrania)は、ラヂオアクティブ・ヴィヴラニウムの放射線に被曝した結果、両手から強力な衝撃波ブラストを出せる様になった、らしい(『マーベル・スーパーヒーローズ(vol. 3)』第4号[1990/12]より)。

 すごいね、ヴィヴラニウム。

(マーベル・ユニバースにおいては「ラヂオアクティブ」は何でもできる魔法の言葉)


・ザ・ヴィヴラニウム=アイアン・ミクスド・アロイ(the vibranium-iron mixed alloy):

 ヴィヴラニウムと鉄の合金。わかりやすくいえば「キャプテン・アメリカのシールドの材料」。初出は……いつなんだろう。キャプテンのシールド自体は『キャプテン・アメリカ・コミックス』第2号[1941/4]だけど、その材質について言及されたのはかなり後年のことだろうし。

 とまれ、この合金は、第2次世界大戦当時、金属工学者ドクター・マイロン・マクレーン(Dr. Myron MacLain)が、“偶然”開発してしまった合金になる。

 マクレーン博士は、鋼鉄とワカンダニアン・ヴィヴラニウムとを混合することで、衝撃に強い装甲板を開発しようとしていたが、両者を結びつける触媒が見つけられず、失敗を繰り返していた。

 あるとき博士は、研究の途中でウッカリ居眠りをしてしまったのだが、目を覚ましたらなぜだか鋼鉄とヴィヴラニウムがうまいこと混ざりあった合金ができていた。

 なんらかの触媒が、偶然、ほど良いタイミングで鉄とヴィヴラニウムに混ざり込み、この合金を誕生させたらしいのだが、なにせ眠っていた間に起きたことなので、詳細は不明。

 その合金は円盤状に成型され(一説には、戦車のハッチ用の金型に流し込まれてたため、あの形になったらしい)、ストラップをつけて超人兵士キャプテン・アメリカのシールドになった。

 設定上、この合金はアダマンチウム以上の硬度を誇り、加えてヴィヴラニウムの「衝撃波を吸収する」という特性も併せ持っている。正に「破壊不可能」と形容されるに相応しい。

 ――ちなみに、キャプテン・アメリカのシールドの材質について、「アダマンチウムとヴィヴラニウムの合金」と記載している資料もあるが、これは誤り。

 誤り、なのだが、この「アダマンチウムとヴィヴラニウムの合金」説は、まことしやかに「正しい情報」として語られることも多い。

 実はこれには理由がある。

 マーベルは、1980年代前半に公式設定資料集『ジ・オフィシャル・ハンドブック・オブ・ザ・マーベル・ユニバース』を出しているのだが、この本(最初に出た1983年度版)のキャプテン・アメリカのエントリーに、「キャプテン・アメリカのシールドの材質はアダマンチウムとヴィヴラニウムの合金である」という、誤った情報が堂々と書かれていた。

(2015/4/28 追記:今このエントリを読み返して、なんとなく『エッセンシャル ジ・オフィシャル・ハンドブック・オブ・ザ・マーベル・ユニバース』のキャプテン・アメリカのエントリを見たら、シールドの材料が「ヴィヴラニウムとアダマンチウムの合金」としっかり書かれてた。初版から直してねぇのか、マーベル)

 今なら発売当日にうるさいマニアがインターネットで嬉々としてミスを指摘するのだろうが、当時にそんなことがあろうはずもなく、また公式設定資料集の記述を疑ってかかるような疑り深い人間もそれほどおらず、結果、「キャプテン・アメリカのシールドの材質はアダマンチウムとヴィヴラニウムの合金」という誤情報が拡散していったのだという(伝聞で申し訳ない)。

 その後に出た『キャプテン・アメリカ』第303号[1985/3]で、この誤りは修正され、「キャプテンのシールドはヴィヴラニウムと鋼鉄の合金」と明言されたらしいのだが、筆者はこの第303号の現物を持っていないため、これが作中で明言されたのか、お便りコーナーあたりで明言されたかは不明(現物持ってる人の確認求む)。

 そういやウェブサイト「マーベル・データベース」のアダマンチウムの項目には、この合金は公式には「プロト・アダマンチウム(Proto-Adamantium)」と呼ぶ、とか書いてあるのだが、オフィシャルな名称なのだろうか(筆者は疑り深い人間なので、とりあえずこの名称を使うのは避ける)。


・アダマンチウム(Adamantium):

 おそらく、マーベル・ユニバースで最も有名な架空の合金。

 初出はロイ・トーマスがライターをしていた頃の『アベンジャーズ』第66号[1969/7]。科学者ドクター・マイロン・マクレーンが新たに発明した、破壊不能の金属として登場した。――で、この号でアダマンチウムはウルトロンに奪われ、悪名高い「アダマンチウム・ボディのウルトロン」(ウルトロン6)が生まれることとなる。

 ついでにいえば、このストーリーラインのラスト(第68号)では、ヴィヴラニウムが大きな役割を果たす。ライターのトーマス的には、スタン・リーが生みだしたヴィヴラニウムの設定に敬意を払いつつ、自分も架空の金属「アダマンチウム」を考えてみたよ! といった感じで、一連の話を書いたのだろうか(推測なので、鵜呑みにしないように)。

 で、このエピソードで初登場したアダマンチウムとその発明者であるマクレーン博士は、後年に設定を足されていき、

・実はマクレーン博士こそ、キャプテン・アメリカのシールドを作り出した人だった。

・しかし、あのシールドに使われた合金は偶然の産物だった。

・そのため、マクレーン博士は、「キャプテンのシールドに用いられた合金」の精製過程を再現しようと、長年研究を続けた。

・その結果、「キャプテンのシールドに用いられた合金」に限りなく近い原子配列を持つ合金、アダマンチウムを発明することとなった。

 ……ということになった模様。

 なお、『アベンジャーズ』第66号から2年後の、1971年末に出た『キャプテン・アメリカ』第145号(1972/1)のお便りコーナーには、フレッド・ジャンセン(Fred Janssen)なる人物から「キャプテン・アメリカの盾は、ヴィヴラニウムとアダマンチウムが用いられていて、その発明者はマイロン・マクレーン博士、というのはどうだろう?」といったお便りが掲載されていたという(例によって現物を持っていないので未確認)。――ひょっとしたら、この案を参考に、後年「キャプテン・アメリカのシールドの素材」についての設定が創出されたかも知れないが、真相は不明。

 他方、1974年に出た『インクレディブル・ハルク』第180~181号[1974/10-11]には、ウルヴァリンが初登場するのだが、彼はこの時点で「アダマンチウムのツメを持っている」ことが明言されていた(確認したところ、『インクレディブル・ハルク』第181号の2ページ目でウルヴァリン自身がいっている)。

 ちなみに、この『ハルク』の担当編集者は、アダマンチウムの生みの親であるロイ・トーマスで、ライターはマニアックな設定を拾いあげるのが好きなレン・ウィーン。

 そしてこの半年後に出た『ジャイアントサイズ・ディフェンダーズ』第4号[1975/4]にもガジェットとしてアダマンチウム合金が登場するのだが、こちらの担当編集者はレン・ウィーンだったりする。

 このことから、「トーマス→ウィーン→ウィーンの同世代の作家」といった具合に、アダマンチウムというガジェットは伝播、定着していったのではないかと、筆者は考える。


・セカンダリー・アダマンチウム(Secondary Adamantium):

 要するに、2線級のアダマンチウム。アダマンチウムは、精製に非常に複雑な工程を要するため、量産には金がかかる。そこで、コストをある程度犠牲にして、精製されたのがこのセカンダリー・アダマンチウムになる。

 頑丈ではあるが、しょせんは2線級であるため、ハルク程度だったら容易に引き裂けてしまう程度の頑丈さを誇る。

 過去のコミックでアダマンチウム製のアイテムが破壊されたりしていたことへの説明として「あれは実はアダマンチウムはアダマンチウムでも、セカンダリー・アダマンチウムだったのだ」的なトンチで切り抜けるために、どこかのライターが創出した……らしいが詳細は不明。どこが初出なんだろう。


・アダマンチウム・ベータ(Adamantium Beta):

 アダマンチウムの亜種。ウルヴァリンの骨を覆うアダマンチウムが、彼のヒーリング・ファクターによって組成が変化したもの。「強度はアダマンチウムと何ら変わりないが、骨の生物学上の活動を阻害しない」という特性を持つ。

 これも「ウルヴァリンが骨を金属で完全に覆ってしまったら、生物として色々と不都合ではないのか?」というツッコミに対する言い訳として考えられた模様。


・カーボナディウム(Carbonadium):

 冷戦時代、アメリカ側が開発したアダマンチウムを模倣して、ソビエト連邦が開発した金属。弾性に富み、破壊は困難(ただしアダマンチウムの方が硬い)。また、メタヒューマンのヒーリング・ファクターを無効化する、あるいは鈍化させるという、えらくピンポイントな特性も持つ。日本で割合に有名なヴィラン、オメガレッドの武器「カーボナディウム・コイル」の素材でもある。

 初出はオメガレッドの初登場号でもある『X-Men (vol. 2)』第4号 [1992/1]。

 なお、カーボナディウムは放射線を帯びており、カーボナディウム製の部品などを身に帯びるのはかなり危険である(この設定は、多分『ウルヴァリン・オリジンズ』で、オメガレッドが再登場した際に付与されたものだと思う)。

 オメガレッドがカーボナディウム・コイルを装備していられるのは、彼が「周囲の人間の生命力を吸収する」ミュータント能力を持っており、カーボナディウムの影響により減った分の寿命を補えたからである(ヒデェ)。

 なおカーボナディウムは、「カーボナディウム・シンセサイザー」なる、手のひらサイズの機械によって精製される。この機械はまた、固体のカーボナディウムを融解させることも可能。さらには、元々組成に不安定な所があるカーボナディウムを安定させ、毒素(放射線?)を除ける効果も持つという。

 ……カーボナディウムはカーボナディウム・シンセサイザーによって精製されるけど、そのカーボナディウムは組成に不安定な所があって、でもカーボナディウム・シンセサイザーを使うことで、カーボナディウムは安定した組成になるって、なんか変な気もするが。

 ちなみにオメガレッドは超人兵士として完成するために、このカーボナディウム・シンセサイザーを必要としていたのだが、冷戦時代にアメリカ側のチームX(ウルヴァリン、セイバートゥース、マーベリック)によってシンセサイザーを奪われたため、失敗作の烙印を押されて、冷凍睡眠させられていた(ウィンター・ソルジャーといい、なんでソビエトのエージェントはすぐ冷凍睡眠させられるのか)。

 唯一カーボナディウムを精製できるカーボナディウム・シンセサイザーが行方不明であり、また唯一カーボナディウム製のガジェットを装備していたオメガレッドも近年にウルヴァリンに殺害されたため、カーボナディウムは事実上、失われた技術となっている(シンセサイザーおよびオメガレッドの帰趨については『ウルヴァリン・オリジンズ』の一連の単行本を参照)。

 ……でも、ヒロイック・エイジ期のムーンナイトのコスチュームにカーボナディウムが使われているとか言及されていたり、スペリオール・スパイダーマン(ドク・オック)もカーボナディウムを使ってたりするので、実はシンセサイザーが唯一の精製手段ではない……?


 なお、「アダマンチウムを模して作った金属」が、なんでカーボナディムなんていう、炭素(カーボン)をほうふつとさせるネーミングなのかという点だが、これはオメガレッドが初登場した前後の時期(1980年代後半~1990年代前半)に、「新素材ブーム」だの「ハイテクブーム」だのが起きていたという時代背景が影響していると思われる。

 当時のブームにおいては、「炭素繊維(カーボンファイバー)」「ガラス繊維(グラスファイバー)」「アラミド繊維」といった繊維関連の素材が割合に脚光を浴びていたため、同時代のSFっぽいフィクション内においては、「カーボン」「ケブラー」「光ファイバー」などといった、その手のマテリアルの単語を意味もなく挙げることが無駄に大流行していたのだ。

 ――当時のSFアニメのテーマソングのサビで、「光ファイバー コミュニケーション 回路全開」という、全くワケがわからない歌詞が、崇高なる呪文の如く、高らかに歌われていたのを記憶している方も多いだろう。

 オメガレッドの創造者であるジョン・バーン&ジム・リーも、多分、「カーボンなんちゃら」とかいうネーミングに当世風のカッコよさを感じて、「カーボナディウム」なんていう名前を捻り出したのだと思われる。当時、時代の寵児であったこの2人が、逆に時代に躍らされた、そんな皮肉を内包した素晴らしきネーミングだといえよう。多分。


 ……ま、こんな所か(最後のカーボナディウムのネーミング考察はいらなくね?)。

 とりあえず、前書きでも書きましたが、本稿の記述に対して意見のある方は、コメント覧、ウェブ拍手などでお伝え頂ければ幸いでアリマス。

 以上。寝る。
  
  


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●映画『キャプテン・アメリカ』を見た。

2011.10.20 Thu

 ……2連続でアメリカン・コミックス原作映画のエントリかい。

 ともあれ。


▼映画『キャプテン・アメリカ』を見たのよ。

 まあその、見た。

 とりあえず公開2日目(土曜)に、見た。

 例によってあんま前情報を入れず(予告編は映画館で見ちゃってたけど)、過剰な期待はせずに、って態度で見に行った。


 端的な感想としては、「とりあえず、見たい要素は見られたので値段分の満足はできたぜ!」と。

 ま、マーベル・スタジオが絡んでるんで、キャラクターがコミックスから逸脱しない様にしつつ、コミックスのファンが見たいものを見せてくれてるしね。


 ザックリとした評価としては、『アイアンマン』よりちょい下、『アイアンマン2』以上、くらいの評価かなぁ、と。

(オイラが『アイアンマン』第1作が好きすぎる、という点は差し引いておこう)


・いきなり総括:

 前半は最高。

 でも後半、なんか駆け足過ぎだったり、キャラの掘り下げとかあんまなくて、いまいち。

 とはいえ、オイラの「見たいシーン」は前半部に集中してたんで、満足できた。

 とかいう具合。

 ていうかそもそも2時間ちょいの尺でキャプテン・アメリカの誕生から北極海にドボンまでを書こうとしちゃうと、どうしても駆け足にならざるを得ないわな、というのは見る前からウスウス感づいてたので、後半が駆け足になってくにつれ、「うむ、やはり」などと思って、優しく見守る気持ちになっていったよ(何様だ)。


・細々とした感想:

 個人的に一番良かったトコ:「スティーブ・ロジャースは、キャプテン・アメリカになる前から、高潔な人格を備えていた」という描写をキチンとしていた点。

 泣ける。ていうか、冒頭のアースキンとの語らいや、手榴弾のシーンとかは泣きながら見てました(<年寄りなので涙腺が緩い)。

 スティーブという人は、ごく素朴な、誰かが傷ついてることに我慢ができないから、その誰かと変わりたいから、兵士として前線に赴きたかったのよね、という原点が描かれていたのがよかったなぁ、と。


 2番目に良かったトコ:キャプテン・アメリカがブルックリンで誕生すること。「そうだよな、キャプテンはブルックリンで生まれたんだよな」と、映画見ながらウナズキましたが。

 ブルックリンの下町を舞台にナチスの工作員とスティーブがチェイスするシーンはね、「あぁ、この街並みが、カービィの原風景であるのだな」とか、思いながら見てました。映画の中じゃ、そんなに長いこと写ってないけど、丁寧に作られているのだろうなぁ、あの街並みは(CGだったら泣く)。

 でー、工作員に人質に取られた子供が「俺っち泳げるから大丈夫だよ!」的に、スティーブに強がってみせるのもね、カービィ描く所のブルックリンっ子らしいなぁ、と。


 ちと不満なトコ:バッキーとの友情とか、ペギーとのラブロマンスとか、フィリップス大佐との信頼関係とか、ハワードとの奇妙なライバル関係とか、要するに周囲のサブキャラとの関係が、いまひとつ掘り下げられてなかったトコが、やや不満かな、と。ま、明らかに尺の問題なんですが。

 あと個人的には、近年のブルベイカーの『キャプテン・アメリカ』の影響で、キャプテン・アメリカ&バッキーのコンビに過剰な思い入れを抱いてしまってる身としては、本作のキャプテンとバッキーの関わりはちょいと薄かったなぁ、と。

 ていうか、あまりキャラクターとして掘り下げられる前に退場しちゃうーのーよーねー、バッキーってば。

 自分よりも強くなっちゃって、階級も上になったスティーブに対して、わだかまったり割り切ったりとかいうリアクションが、もっと見たかった。身体を張ってスティーブを守って「大丈夫か、やせっぽち」とか強がりいうシーンとか見たかったなぁ、と。

 あとシャレでドミノマスク付けて、ウィンターソルジャーっぽいカッコしてくんないかと期待してたけど、そんなことはなかったぜ!

 てぇか、バッキーの退場は「予定通り」であるにせよ、あんな風にドラマのカケラもなく退場するんじゃなくて、やはりこう、死亡フラグをモリモリ立てた上で原作をホウフツとさせる形で爆発退場して欲しかったなぁ、と。――まさか、ラストバトル前に退場するとか思わなかったよ!


 戦争の描写:キャプテンの敵がナチスドイツそのものではなく、ナチスから離反した「シュミット軍」だったり、レッドスカルの開発したスーパー殺人光線によるドンパチが主体で、あまり血が出たり腕がもげたりしないようになってるとか、ね。色々と気をつかってるのだなぁ、と、思いました。

(ここ最近のオイラが、リアル寄りで泥と流血まみれな戦争もの映画を見てた落差もあるかもしれんけど)

 つか、スカルの基地から捕虜の皆さんが脱出するくだりは、「光線銃でドンパチ」「オモチャ化しやすそうな装甲車に乗り込むハウリング・コマンドー」とかいうシチュエーションが、『GIジョー』みてぇで「おいおい」とか心の中で突っ込んでましたが。

 でー、あんま血を見せないつくりにしてるせいで、キャプテンが戦場の悲惨さを目の当たりにするシーンが、割と軽くなってるのは、痛し痒しだなぁ、と。

 あと、そこまで「戦争での殺人」をオブラートにくるんどきながら、後半でキャプテンが「投げナイフで敵を殺害する」っつー直接的な描写が入るのはどうかなぁ、と。割り切るなら割り切って欲しかったッス。

 つか、冒頭で「ナチスと戦いたいけど、殺人はしたくない」とか理想を語るスティーブが、殺人という現実と対峙したときの掘り下げも欲し……いや、話がブレるか。


 レッドスカル:プロト・スーパーソルジャーだったという設定は良かったです。あと、トライアングル・シールドがスカルにボコボコにされて、ラウンドシールドに強化、という流れも大好き。

 でもまあ、やはりも少し、キャプテンとの因縁とかスカル個人のキャラを掘り下げて欲しかったなぁ、と。

 つーか、前半、あれだけもったいつけて素顔を見せなかったのに、後半はマスク脱ぎっぱなしなのはどうなんだろ、と。

 スカル自身は、自分の素顔を嫌ってはない風だったのが割と意外でしたが、だったら前半通してマスク被ってたのはどういうこと? とか思わないでも(敵の正体でビックリさせるっていう、映画的演出なのはわかるけど、「作中ではこういう理由です」って言い訳も欲しいじゃない?)。


 ラストバトル:なんかこう、バッキーが死んでから、色々すっ飛ばしてラストバトルに流れ込んでる感じなんで、キャプテンが私怨で突っ込んでる様に見えなくもないのよね、と。こう、仲間から諭されて、人々の思いの体現者=キャプテン・アメリカとして乗り込むとかいうドラマがあってから行ってもよくね? とか。

 で、要塞への突入時に、ヒドラのパワードアーマー兵2人が、火炎放射でキャプテンを取り囲むシーンがあったじゃないですか。あれ、予告編で見て、「こっからどうやってキャプテンは危機を脱するんだ?」とかワクワクしてたんですが。……まさか、あんなオチとは思わなかったよ!

 あと、キャプテンが捕まって、処刑される寸前にハウリング・コマンドーが窓を突き破って突っ込んでくるカッコいいシーンがありますが。中枢部に、“窓ガシャーン”で突入できるって、どんな難攻不落の要塞ですか。っつーか、窓ガシャーンで中枢部に突入できるなら、キャプテンが正面突破しなくても良かったじゃないか、と。

 ――いや多分、キャプテンが正面突破の大暴れしてるスキに、フィリップス麾下の部隊が要塞に接近&ハウリング・コマンドーは窓ガシャーンできるポイントまで潜入してる、っていう陽動作戦だったんだろうけど、説明不足じゃね?


 ラスト:「北極海へドボン」のときのキャプテンの散り様が、イサギよすぎるなぁ、と。こう、自己犠牲は美しいんだけど、「最後の最後まで脱出の方策を探って、それでもダメだったから北極海にドボン」の方が、オイラの中のキャプテン・アメリカ像かなぁ、と。

 ――この辺、個人差はあるだろうけど、オイラ的にはキャプテンの美徳は、アッサリと生命を投げ出せる献身よりも、最後まで自分のできることを探す不屈の意志だと思うのね。

(いや、映画の中では、「スティーブ=みんなを救うためにたやすくその身体を投げ出してしまう人」だってのを、冒頭の手榴弾のくだりで描いてるんで、筋は通ってるんだけどさ)


 ラストのラスト:キャプテン氷漬けに→現代で復活の流れは、もすこし丁寧に描写しても良かったんじゃないかな、と思った。

 つかね、原作のキャプテンの「北極海に落っこって氷漬けになったけど、運良く仮死状態になってた」ってのは、1960年代に「おおらかなSF」の書き手であるスタン・リーが書き飛ばしたホラじゃねぇですか。

 それを2010年代に作られた、「割とリアル志向ですよ」ツラをしてる映画が、1960年代のマンガよりも説明少なめで、この「奇跡の帰還」を堂々と描いちゃうのは、ちとどうかと思うよ。

 いや、あの現代のシーンは、キャプテン・アメリカの設定を知らない観客をビックリさすために説明を略してる、って面もあるんだろうけどさ。

 でも「現代だった」ってのが判明した後に、ニック・フューリーさんがも少し「もっともらしい説明セリフ」でフォローしてくれてもよかったんじゃないかな、と。フューリーさんって、そういうキャラじゃん(<『アイアンマン2』でのフューリーのデウス・エクス・マキナぶりをまだ根に持ってる)。


・その他どうでもいいことども:

 ハウリング・コマンドー:ダムダム・デュガンと一緒に戦ってる黒人兵士は、若い頃のニック・フューリーだと思ってたら、パンフ見たら別人だったぜ! どうりで活躍してねぇ! ていうか無駄にキャラが濃そうな面子なのに、キャラが掘り下げられてねぇ!


 アーニム・ゾーラさん:初登場時のカットで吹いた。コミック版の恰好で出てくるかと思った。


 キャプテン・バイク:無駄なギミックがステキ。


 レッドスカル・モービル:意外に活躍してた。


 トリープフリューゲル:最初見たとき吹いた。発進シーンもちゃんとしてて吹いた。普通に水平飛行しててさらに吹いた。ていうか、実写映画でトリープフリューゲルが飛行シーン込みで描かれたのって、結構レアじゃないかしら。


 レッドスカルの乗ってたアレ:巨大な全翼機で、機内に小型の戦闘機を搭載してるっていうデザインが、いかにもナチスの(いや、シュミット軍だけど)インチキ仮想最終兵器で素晴らしかった。

 多分、ホルテン兄弟のHO-18の設計をゾーラさんがパクってきたものの、ジェットエンジンの生産が間に合わず、しょうがねぇからレシプロエンジンを補助動力に飛ばしてるんだろうなぁ、とか(まあ、コズミック・キューブの出力があれば、大概のモンはマッハで飛ばせそうだけどさ)


 コズミック・キューブ:コミック版の設定をバッサリ切って、「便利な超エネルギー供給源」としてのみ描いた割り切りは正解だと思う。

 どうでもいいけど、コズミック・キューブ利用の発電機とかのデザインラインが、微妙にアーク・リアクターと似通った感じでしたが。あれ、別に変な裏設定とかないよね? ハワードがハイドラの技術をリバースエンジニアリングしてたとか(<いやそれだと『アイアンマン2』でのリアクターの開発過程と齟齬が生じるやろ)。


 色っぽいねーちゃん:ナチスのスパイかなんかかと思ったら、全然そんなことはなかったぜ! つか、あのキャラいるか? キャプテン・ガールズの誰かがスティーブにキスする程度でよくね?


 スタン・リー:最初、スタンだと気づかなかったけど、声で「あ、スタンじゃん」と気づいた。なにか間違ってる気がするが、スタンじゃしょうがねぇ。


・まとめらしきもの:

 その、『キャプテン・アメリカ』ってさ、第2次大戦当時、ナチスドイツの行為に義憤を燃やしたユダヤ系の作家と、出版社社長が「こうあれかし」との願いをこめて描いたマンガじゃないですか。

 第1号の表紙でキャプテンがヒトラー殴ってるのは、「こんな風にアメリカも早く宣戦布告をして、ドイツをギャフンといわせて欲しい」という願望を、絵にしたモンだし。

 そういう素朴な、それだけにストレートな義憤から生じたからこそ、『キャプテン・アメリカ』という物語は、現代まで生き続けるだけの力強さを獲得できたわけで。

 でー、今回の映画は、そのピュアな物語を尊重しつつも、でもやっぱりアレをそのまま再現しちゃうのはマンガっぽすぎるから、むしろ「キャプテン・アメリカ・国債ツアー」っていうメタなネタを盛り込んで、「ネタにしてるから恥ずかしくないもん!」的に開き直ってみた感じで。

 誰もが愛するピュアさと、そのピュアさを正面から見られない気恥ずかしさとのせめぎ合いから生まれたテレデレな映画であることだなぁ、と。

 でー、製作者側はテレてても、作中のスティーブはとことん素朴に、ピュアに描いてるのは、この映画の良心だよな、と。作中で、スティーブ自身が何らかの形で自分をギャグにしてたら、この映画の背骨が折れてただろうな、と。

 ――『グリーン・ランタン』の感想でも書いたけど、「意志の強さ」がウリのヒーロー映画の主人公にギャグをやらせちゃ台無しよね、と。

 結論としては生真面目なスティーブ萌え、とかで(意味わからねぇ)。


・適当なオチ:

 その、今回の『キャプテン・アメリカ』に「現代のアメリカの正義がどうのこうの」とかいうナニガシかを引き出しちゃう人は、こう、子供向けの絵本に人生の真理を見いだしちゃう自分探しOLくらいにロマンチックな人であるなぁ、と、ひねくれた感想を述べてみる。

 あとこの映画の製作者側って、この現代に「キャプテン・アメリカ」という、ミもフタもない名前のヒーローの映画を撮ることにすごく自覚的で、作中でも色々気をつかってるよね、と。

 記憶する限りじゃ、スティーブって「正義」とか「アメリカ」とかが絡んだ、「娯楽映画に変に絡んでくるヤッカイな人」のセンサーに引っかかる様なセリフをいってなかったし。多分。


 以上、まとまりなくオワル。
  
  
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●映画『グリーン・ランタン』を見た。

2011.10.05 Wed

▼映画『グリーン・ランタン』を見た:

 そうとう昔(公開初日)に見たのだけど。

「語ろうとすると、ネガティブなことしか書けない」という現実に心が折れて、今までテキストを完成させられないでいたのだ(大げさな)。

 個人的には、公開前から「予告編は見ない」「撮影裏話とか、気にしない」「映画の評判は目にしても忘れる」とかいう姿勢で、なるたけフラットに、ニュートラルに映画を鑑賞したのですが。

 結論としては、「前評判通りだったなぁ」、という。


 いつも映画を見に行く2駅となりのワーナーマイカルで上映してくんなかったんで、わざわざ千葉から錦糸町のTOHOシネマまで足を伸ばした。この時点で、脳裏に暗雲立ちこめてるけど、「俺なら楽しめる」という根拠のない自身の元に、席に着く。

 つか、久々に昼間に映画館に行ったけど、家族連れとかカップルが『グリーンランタン』を見に来ててな。正直、「お前ら全員、ションボリしながら劇場を出るだろう」とかいうヤケッパチな感慨を抱きつつ、鑑賞開始。


・ザックリした評価:

 なんつーか、『アイアンマン』以降、オイラの中でのアメリカン・コミックス原作映画の評価基準は「『アイアンマン』より面白いか否か」という絶対的な基準ができてるのですが。

 まあ、正直、『アイアンマン』より面白くなかったよね、と。部分的に見ても「この点で『アイアンマン』を越えてたかな」という要素もなし。

 なんつーか、「ストーリーの組み立て方は『ゴーストライダー』よりもションボリしなかった」「でも、キャラクターの見せ方は『ゴーストライダー』の方がカッコ良かったよね」とかいう感じ。

 すなわち個人的には『ゴーストライダー』とだいたい同じくらいの評価にある作品でした。評価低すぎですか(<『ゴーストライダー』に失礼だ)


・グダグダとした感想:

 こう、事件やシチュエーションや人間関係が、割と無駄なく過不足なく提示されてくのは、良いと思いました。

 けど、提示されたもろもろが、“何故そうなったか”の説明をしてなかったり、人間関係やキャラクターを提示しただけで、あんま掘り下げてない感じなのは、見ていて気持ちよくなかったなぁ、と。

 乱暴にまとめちゃうと「起承転結の『起』と『結』しかねぇ」という印象。

「起」を受けて「何故そうなったか」を説明したりする「承」とか、「承」に続いて「実はこんな意外な事実が」的な掘り下げを行う「転」がね、欲しいなぁ、と。

 なんだろ、映画ってのは、もっと説明的でいいと思うのさ。キャラクターの行動に説明がないとさ、こっちは頭の中で「ここで突然グリーンランタンがDEOの基地に現れたのは、多分、リングに導かれて来たんだろうな」とかいう「つじつま合わせ」を無意識にしちゃうじゃん? そういう風に、所々で立ち止まって頭を使っちゃうと、映画に入りこみにくいじゃん? ――むしろ本作は、劇場で見るより、DVDでリモコン片手に一時停止したり、コメンタリーで監督の言い訳とか裏設定とか聞きながら見た方が楽しめるのかしら、と、突然思いついたがどうか。

 でー、「説明的」であって欲しいシーンとしては、例えば中盤の「ハルがワードローブに吊られた父親のジャケットを見つめつつ、でもその後のパーティでは、彼にしては珍しくフォーマルな格好で出席しちゃう」くだりとかね。ここ、ハルの心の傷になっている父親との関係を示す良いシーンだと思うんだけど、その後なんのフォローもされてないやん?

 そこはベタだけどさ、ハルのフォーマルな格好を見たキャロルが、「父親のジャケット」について言及するとかでフォローすべきじゃね? そのセリフでキャロル自身とジョーダン父との関係にもちょっと触れれば、キャロルのキャラの掘り下げもできるんじゃないか、とか愚考するんだけどさ。

 っつーか、そうしたハルの父親への思いや、ハル・キャロル・ヘクターの微妙な関係とか、ハルがなにかと“辞めたがり”な性格だったりすることとか、その彼が恐れを克服するに至る経緯とかいった、「物語上の重要な要素」に触れるシーンはさ、こう、音楽とか演出で盛り上げたりして、「解りやすい盛り上げ」で、解りやすくこっちの感情を高ぶらせて欲しいなぁ、と。

 あんまこう、そういう「盛り上げ」に欠けてた様な気がするのさ、この映画は。

 ていうか、ジョーダン家、フェリス家、ハモンド家という、それぞれが奇妙に関係しあっている3組の家族を登場さしといて、それぞれの関係をキチンと掘り下げてないのはね、もったいないと思う。

 ベタだけどさ、回想シーンで少年時代のハルとヘクターが、キャロルに告白しようとしてたり、ヘクターがハルと父親の関係に多少の憧憬を抱いてたりとかいうシーンとか、そうした子どもたちを見ながら微笑む父親たちとか入れても良くね? と、思った。

 ていうか、本作ではハルは一人っ子でよくね? 3つの家族を登場させた結果、ハルの兄弟とか甥っ子とかの要素を持てあましてね?


 あと演出的にはね、ハルがヒーローになって初めて空を飛ぶシーンで、全然盛り上げないのはどうかと思うのね。単に引きのカメラでちょろっと飛び回るハルを見せて終わりって、爽快感の欠片もないアレは、いかがなものかと。

 主人公がパイロットで、映画の冒頭では無茶な機動で飛行機をブン回してたんだから、「自力で全く自由に空中機動できる」という、破格のパワーを与えられたあのシーンでは、おもっきりハル視点のカメラで無茶苦茶な空中機動して「イーヤッハーァッ!」って叫ぶのが、「陽性なコミックス原作映画」のあるべき盛り上げ方じゃねぇの?(<いや、まんまそれやっちゃうと『アイアンマン』なんだけどさ)


・その他思いついたことを適当に:

 グリーン・ランタン・コァのみなさま:空気すぎて泣く。ステルさん格好良かったのに。


 キロウォグさん:先輩のなにげない助言が、ラスボスとの戦いに有効、とかいう「解りやすさ」はよかったと思います。とってつけたような伏線なんで、もう少しヒネれ、というきもしないでもないですが。……でも、実際にキロウォグが助けにきてくれた方が、良かったと思います。


 シネストロ:登場シーン少なし。単にリングの扱いに熟達した人間が、初心者をイジめて去ってった程度の関わりで、ジョーダンとの友情を期待してたこちとらにゃあ不満です。

 知り合いのお嬢さんに「シネストロ×ハルが萌えるんだよ!」とか力説してた俺の身にもなってください(そのお嬢さんには、邦訳版『シークレット・オリジン』を貸してシネストロさんの萌え萌えなところをフォローしときましたが)。

 っつーか、シネストロさんのデレが欲しい。あとハルが彼ならではのやりかたで逆襲するトコも欲しい。要はシネストロとハルの意地っ張りイチャイチャが見てぇ。

 つか、パララックスとの戦いでシネストロとの戦いのテクなりが生かせた瞬間も欲しかったのよねー。シネストロの「不遜だけど一理ある師匠キャラ」は近代グリーンランタンにおける偉大なる収穫だと思うのさ、オイラとしては。

 あと、シネストロさんがもっと「恐怖」の魅力に墜ちてく過程も描くべきだと思うの。墜ちるの速すぎ。その一方で、仲間が死んだのに、そのことが掘り下げられないんで、なんか淡白というか。アビンにしか興味ないのか。

 その、ハルが意志力を味方にしてく過程で、意志力に絶望してくシネストロという対比は欲しいじゃん。やっとハルが一歩階段を上ったら、数歩先に行ってたシネストロが足を踏み外すっていう構図が、あるべきじゃん。

 この辺もね、「提示すべき要素」は提示してるんだけど、過程は省かれてるし、掘り下げがないから、いまいち感情移入しにくいなぁ、と。


 パララックス:設定自体はオリジナルなのに、その設定は「結局、諸悪の根元は、いらんことをしたガーディアンズかよ!」という、『グリーンランタン』のジョークにされがちなソレを踏襲してるのが、個人的にはイヤでイヤでイヤでイヤでしょうがなかった。手短にいえばイヤでイヤでしょうがなかった。

 こう、コミックのあらすじをwikiで読んだ程度で「ガーディアンズってろくなことしねぇよねー」とか、訳知り顔でギャグにしちゃってやがる若造が、この映画をもネタにしてしまうのかと思うと、思うと、思ううとととと、うと(<見えない敵と戦いだしたぞ!)。



(頭を冷却中につき、少々お待ちください)



 つーか、宇宙最強の武器パワーリングの所持者であるところのグリーンランタンの、精鋭数人がかりの攻撃をものともしないコズミックな敵がね、その辺の工場におさまる程度のスケールに縮んでたり、試作戦闘機のミサイルとか、タンクローリーをぶつけられただけでダメージ受けたりとか、挙げ句の果てに恒星に引っ張られて焼け死ぬとか、どうなの、それ。物語のスケール矮小過ぎね? 脚本書いた人はガードナー・フォックスとジュリアス・シュワルツに土下座すべきじゃね?

 つか、あの試作戦闘機さ、冒頭じゃコンピューターによるシミュレーションで、ドッグファイトの命中判定をしてたのに、あのシーンでは「本物のミサイル」が搭載されてるのって、どうなのよ。


 ヘクター・ハモンド:「意志力を武器にするヒーロー」に対して、「念動力を使いこなす悪人」という構図は実に適切だと思いました。

 けど、結局ハルが純粋に意志力でヘクターを打ち負かせてない感じなのは、ちとどうかと思う。

 ベタだけどさ、ジョーダンが意志の力でヘクターの指にはまったリングを遠隔操作してボクシンググローブでぶん殴ったりとかいう「解りやすい」感じに「ハルの意志力の勝利」を描いても良くね?

 あと、DEOの研究所がね、序盤に出たとき、無意味に存在感を主張してるロボットアームが気になったけど、その後、ヘクターの大暴れなシーンで無駄に活用されてるのがね、ちょいとどうなのよって、冷めた。ていうか、作業用のアームにあんな強力な火炎放射機とかついてるのって、どうなのよ、それ。


 ヒーロー映画の「お約束」:くり返しではあるけど、「ヒーローとしての力を得てはしゃぐ所」「空を飛べてはしゃぐ所」という、ヒーローものにおける2大「手軽に爽快感を出せるシーン」に全く尺が割かれてないどころか、なんかカメラも引いた視点ばっかで、盛り上げてないのはどうなのか、と思った。

 ていうか、ハルのせいで職を失った人らがハルを闇討ちするという、「法律的にはアレだけど、同情の余地のある」シチュエーションで、その人らを逆に圧倒的なリングパワーで殴り返しちゃう、って形で、ヒーローとしてのパワーが発現しちゃうのは、どうかと思うのよ。


 キャロルさん:何の説明もなくハルの家でパイフェイスと一緒に座ってたり、何の説明もなくハモンドに捕まってたりするという、「物語の進行上、必要な場所にいつの間にかワープしている」アレは、恐るべきメタヒューマン・スキルであるな、と思った。

 あとキャロルがハルの正体にすぐ気づいちゃうくだりは、ヒーローものにおける恋愛としては「ヒーローのマスクではなくその下にあるものに気づいてる」的な、割と大事な描写ではあるけど、「バルコニーにヒーローが現れてヒロインに微笑む」シチュエーションを含めて、単なるパロディっつーか、コメディになってるのが、ね。安っぽくしちゃってやがるなぁ、と。

 ていうか、本作に通底してる「コメディタッチ」がね、本作で描こうとしてる「真摯な意志力でヒーローになるぜ!」ってテーマと、かみ合わせが悪いと思うの。ギャグばっかいってる人の見せる真摯さって、うさんくさくね?


 あとコメディ調の話なんで「ボクシンググローブで敵をブン殴る」愉快なシーンに期待してたけど、そんなシーンはなかったぜ!


 以上、書きたいことを書き散らして満足したのでオワル。


 なお、これだけ悪口いってても、DVDは買うつもりなのだぜ。できれば映像特典たっぷり入った限定版的なソレを。
  
  

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