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●キャプテンとライセンスとエターニティなソレ。

2008.04.18 Fri

 まぁ、イマサラなニュースですが。

▼キャプテンハーロック:松本零士さん「許諾してない」と困惑 韓国で映画化報道 

 でー、この 『キャプテン・ハーロック』のライセンスがらみのトラブルと聞いて、思い出したのが、かつて存在したコミック版『キャプテン・ハーロック』のライセンスにまつわるトラブルの話。

 っつーわけで、例によって「未発表の書きかけテキストを、適当な機に乗じてまとめ上げてみた」シリーズより。


▼アメリカン・コミック版『キャプテン・ハーロック』の紆余曲折

 さて、さかのぼること1986、7年頃。『ボルトロン』、『ロボテック』といった日本産のアニメ作品(の、再編集版)が北米で放映され、諸々のアニメ作品がビデオソフト化され、ビズ・コミックス社が活動を開始し、ナウ・コミックスが『スピードレーサー』や『アストロボーイ』を出したりと、アニメ・マンガブームが方々で萌芽し始めたそんな時期(記憶だけで書いてるので時系列は微妙)。

 そうした流れの中で、小規模出版社のコミコ・コミックス(Comico Comics)社発行のコミック版『ロボテック(Robotech)』が成功しまして。この流れを察知した、やはり小規模出版社のエターニティ・コミックス(Eternity Comics);は、自社でも日本産のアニメのコミック版を出版することで、流れに載ろうとした。

 彼らは、自社で作品を発表している“アニメ通の”コミック作家ベン・ダン(Ben Dunn)の提案を容れ、日本の人気作家、松本零士原作の『キャプテン・ハーロック』のコミック化を決定した。

 実はアメリカでは、ほんの1、2年前(1985年)にアニメ版『ハーロック』第1作(※1978年度版の「青い」アルカディア号の出て来る方)が、『千年女王』とのカップリングで『キャプテン・ハーロック&ザ・クイーン・オブ・ア・サウザンド・イヤーズ(Captain Harlock and the Queen of a Thousand Years)』のタイトルで、シンジケーション局にて放映されており、その辺の認知度を見越してのことだったのかもしれない。……が、この北米版は、ロクにヒットしなかったので、別に見越したりはしてないのかもしれない。

 筆者個人としては、この提案は松本ファンだったベン・ダンが、趣味に走って提案したのだと思う。ベンの代表作『ニンジャ・ハイスクール』にもちょいちょいハーロックあたりのパロディキャラは出てたしね(※実際の所どうかは、各自判断下さい)。


 まあそんなわけで、当時、『キャプテン・ハーロック』のライセンスは、『キャプテン・ハーロック&ザ・クイーン・オブ・ア・サウザンド・イヤーズ』の製作元であるハーモニー・ゴールド社(かの『ロボテック』の製作元だ)が持っているはず……だったのだが。

 がー、よくよくエターニティが調べた所、いまや『ハーロック』のライセンスは、コーラル・ピクチャーズ(Coral Pictures)なる会社に移っていたことが判明する。

 ま、別にどこの会社がライセンスを持っていようがかまわんエターニティは、このコーラル・ピクチャーズに接触し、コミック版『ハーロック』の3年間の出版契約を結んだのだった。


 やがて1989年初秋、エターニティからコミック版『キャプテン・ハーロック』が出版される(カバーデート:1989/10)。

 アートを担当したのは(やはりというか)ベン・ダン、ライターはロバート・ギブソン(Robert Gibson)であった。ちなみに表紙はカラーで、中身はモノクロのコミックというスタイルだった(エターニティは小規模出版社なので、やや質の悪い紙にモノクロで印刷、というのがスタンダードだった)。

 ちなみに、このシリーズに登場するアルカディア号は、1978年度版『キャプテン・ハーロック』に登場した「青い方」ではなく、艦首のデカいドクロがチャームポイントな『我が青春のアルカディア』版の「緑色の方」であった(絶対、ベン・ダンの趣味だ)。

※あと、設定自体も、トチローが生きてたりと、『我が青春のアルカディア』寄りになっている。


 そんなクリエイター陣の熱意もあってか、同作はそれなりに成功を収め、シリーズは続いていった。当初は月刊のオンゴーイング・シリーズとして刊行されていた『キャプテン・ハーロック』だが、このシリーズは13号で一旦終わり、以降は、数話完結のミニシリーズを連続して送り出す、というスタイルに変更された。

 後にベン・ダンは、自作『ニンジャ・ハイスクール』の執筆に集中するためアーティストを降板するが、『スターブレイザーズ』(北米版『ヤマト』)のコミック版の執筆経験のあるティム・エルドレッド(Tim Eldred)が後任アーティストとなり、シリーズは継続する。
  
 ……ところがやがて、エターニティは予期していなかった事態に巻き込まれる。


 1990年代初頭のことだった。エターニティ・コミックス社は、アニメ版『キャプテン・ハーロック』の権利者である、日本のアニメ製作会社、東映動画(現・東映アニメーション)からのメッセージを受け取る。

 東映動画側が、エターニティに告げたことを要約すると、こうなる。

「御社はコミック版『ハーロック』を出版しているようだが、我々東映動画は、御社にアメリカでの『ハーロック』の出版権を与えた覚えはない。一体誰の許可を得て、コミック版を出版しているのか?」

 寝耳に水のエターニティが、コーラル・ピクチャーズについて再度調査した所、驚愕の事実が判明する。

 このコーラル・ピクチャーズという会社、実は実体のないペーパー会社であり、エターニティが契約料を払い込んだ相手は、フロリダ在住のライセンス詐欺専門の詐欺師だったのだ。

 事情を聞いた東映アニメーションは、エターニティが区切りの良いところまでシリーズを継続することを認めてくれた。エターニティ側が被害者であったとはいえ、破格の対応と言っていい(筆者の推測では、エターニティがさかのぼってライセンス料を払ったのではないかと思う<確証はないので信用しないこと)。

 なおエターニティ側は、これを機に東映動画と正規の契約を結び、彼らの『ハーロック』を継続することを望んだが、東映動画はこれを丁重に断った(多分、コミック版『ハーロック』が、アニメ版や松本零士版の設定を尊重しつつも、相当にオリジナル要素が含まれた作品だった為かと思われる<これも推測なので信用しない方がいい)。

 かくて、エターニティ版の『ハーロック』は、ファンに惜しまれつつも1993年で終了した。

 最終シリーズとなったミニシリーズ『キャプテン・ハーロック:マシン・ピープル』の最終4号の表紙には、ヤケクソのようにデカく「ファイナル・イシュー」の文字が刻まれていた。


 その後エターニティ・コミックスは1994年に解散した。

 そもそもエターニティ・コミックスは、マリブ・コミックス社のレーベルの1つで、主にクリエイター・オウンのシリーズを出版していたブランドだった。

 しかし大元のマリブ・コミックスが、大手出版社のマーヴル・コミックス社に買収されたため、エターニティは作品の権利を各クリエイターに返却した上で解散したのだった。

 余談ながら、この当時ベン・ダンは、自分のコミック出版社アンタークティック・コミックスを経営しつつ、エターニティで代表作『ニンジャ・ハイスクール』を連載するという奇妙な体制を採っていた。しかし、エターニティは解散にあたり、『ニンジャ・ハイスクール』の権利をベン・ダンに戻してくれため、ダンは以降アンタークティックから『ニンジャ・ハイスクール』を出し続けることができた。
  
  
※以上、シリーズ後期のアーティストを勤めたティム・エルドレッドへのインタビューを適当に訳したり言葉を足したりして構成してみた。
  
  

  
  
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