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●最近のMARVEL。

2008.10.28 Tue

▼最近のマーベル:

 こう、なんとはなしに、例の浦沢直樹の『ビリーバット』について触れたブログだの2ちゃんのスレだのを、見てたのですが。

 その、主人公の名前(※)と、「忘れ去られたヒーロー」というキーワードから、『ビリーバット』はキャプテン・マーベルにオマージュを捧げた作品ではないか、とかいう意見を数カ所で見かけて、「なんだかなぁ」と思う。

(※)キャプテン・マーベルの正体はビリー・バットソン少年。

 恐ろしくミもフタもないことを言ってしまえば、「浦沢直樹(+長崎尚志)が、キャプテン・マーベルなんてぇ、日本じゃ底抜けにマイナーなヒーローを知ってるわけないじゃねぇか」って思うねんけど、どうか。

 ってぇか、第2回で『ビリーバット』の舞台となる時代が、まだキャプテン・マーベルが現役で発行されてた1949年って明かされ、ビリーバット自体、戦後に誕生した新しいヒーローだってことが判明した時点で「ビリーバット=マーベルのオマージュ」説はナシだろうと思うが、どうか。
(第2回を読んで「ケヴィン・ヤマガタが働いているマーブル・コミックス社はキャプテン・マーベルに由来してるんだろうけど」とかいう書き込みも見たけど、そこまでいくとコジツケではなかろうか)

 ビリーバットのネーミングについては、こちらのブログで「戦後の少年マンガ『ビリーパック』にちなむのでは」という指摘がされてますが。

 オイラ、『ビリーパック』の現物は読んだことはないんで、この指摘がどの程度正鵠を射ているかはわかりませんが、まぁ、ビリー・バットソンよりはもっともらしいなと思う。

 思うだけで「絶対そうだよ!」とかいう気はサラサラないですが。
(俺、作家のインタビューみてぇな資料を読まずに、作中で提示された情報だけを元に「○○の元ネタは××ではないか?」とか考察するの好きくないねん)


 でー、まあ、こっからが本題なのですが。

 なんつーか、この件から個人的に得た結論としては「キャプテン・マーベルの歴史って、特にDCコミックスとの裁判の顛末は、日本じゃ誤解されて伝わってるよなぁ」という。

 まあ、知名度がないからしょうがないのですが。

 とはいえ、チョイと検索してみたら、ヨソの大手のアメコミサイトでも、間違いを含むテキストを載せてるし、その、どうかなぁと思わなくもなかったので、「例の裁判」の顛末に絞って、このブログでも触れてみようと思った。


 その、例の裁判、スーパーマンの版元であるナショナル・コミックス社(後にDCコミックス社に統合)が、キャプテン・マーベルの版元であるフォーセット・コミックス社に対して、「キャプテン・マーベルはスーパーマンの剽窃であり、著作権侵害にあたる」として出版差し止めを命じた裁判ですが。

 この顛末について、良く日本のサイトで書かれる“間違った”事件の顛末ってのは、こんな具合だったりするですよ。

 DCがフォーセットの『キャプテン・マーヴェル』を「スーパーマンの剽窃だ」として訴えたこの裁判は数年間続いた。最終的にフォーセット・コミックス側が敗訴し、多額の賠償金を支払うことになった。この裁判の結果、キャプテン・マーベルの著作権はDCコミックスが所有することになってしまった。そして、看板作品を失ったフォーセットは倒産してしまった。

 皆さんも、上記のような具合のテキストをそこかしこで読んだことがあるんじゃないでしょうか。

 でー、間違いのポイントとしては、
1)フォーセットがDCに敗訴した
2)キャプテン・マーベルの著作権はDCコミックス社に移った
3)フォーセットは倒産した

 の3点。

 まず第1に、フォーセットはDC(ナショナル)に敗訴してません。

 その、ブッチャケ、裁判所的には、「キャプテン・マーベルはスーパーマンの権利を明白に侵害している」って判決は下されてはいます。1953年に。確か二審で。

 ですが、この判決が下された直後に、フォーセットとDCは和解してます。

 和解が成立している以上、この裁判に勝訴も敗訴もありません。解りますね?

 その、なんでDCとフォーセットが和解したかというと、まあ、事実上「DCの勝ち」な判決が下ったとしても、その後、この件での損害を査定するため、一審に差し戻って裁判が続くことになってたからです。

 でー、フォーセット側は、控訴したり、被害額査定の裁判をネチネチと続けることもできたんですが、判決の下された1950年代前半は、コミック業界全体が冷え込んでたこともあって、これ以上法廷で争っても「時間と金の無駄」なことを双方が痛感しておりまして。

 結局、フォーセット側が折れて、
・フォーセットはDCに対して40万ドルの示談金+これまでにかかった裁判費用を支払う

・以降、DCの許可がない限り、フォーセットはキャプテン・マーベル関連の雑誌を出版できない。他社へのライセンスも認可させない

 といった和解要項を取り交わすことで、フォーセットとDCは和解したのでした。繰り返しますが、敗訴はしてません。

 ちなみにこの和解要項には、

・スーパーマンの模倣に関し、フォーセットはそれを認めていない

 という旨の文面も記載されてます。でもって、和解した以上はDCもこの文面を受け入れています。

 DCも、この文面を、受け入れています。大事なことですので、2回いいました。


 第2に、「この裁判の結果」、キャプテン・マーベルの著作権はDCコミックス社に移ったりはしていません。

 ていうかその、オイラは法律にはそんなに明るくはないのですが、一般常識で考えても、「キャプテン・マーベルはスーパーマンの著作権を侵害しているか否か」が争点の裁判の結果、キャプテン・マーベルの著作権の持ち主が変わるってこたぁ、まずないと思うんですが、どうでしょ。

 そもそもDCがキャプテンの著作権を手に入れたんなら、なんでDCは引き続き『キャプテン・マーベル』関連の雑誌を出さないんですか? 当時、キャプテン・マーベルはまだまだ高い人気を誇ってたのに。

 少なくともオイラは、この件に触れた資料で、キャプテン・マーベルの著作権がこの時点でDCに移ったことを示すモノは読んだことはありません。

 なので、

 この裁判の結果、フォーセットは(前述の和解要項によって)『キャプテン・マーベル』関連のコミックの出版やマーチャンダイジング展開はできなくなったものの、『キャプテン・マーベル』関連の著作権は、以降もフォーセットが持ち続けたと思います。

 ……すいません、やっぱ回りくどいので、「『キャプテン・マーベル』関連の著作権は、以降もフォーセットが持ち続けた」と断言しますわ。

 だってその後1972年に、DCコミックス社はキャプテン・マーベル関連の著作権の保有者(フォーセット一族の誰か)と正式に契約を交わしまして、キャプテン・マーベルとその関連キャラクターの登場するコミックを出版するライセンスを取得してますから。

 裁判で著作権をDCが得てたなら、この時点でライセンス料を払ったりはしませんでしょ?

 ちなみに、その後1980年に、DCコミックスは『キャプテン・マーベル』関連のキャラクターの著作権を買い取ってます。

 裁判で著作権をDCが(以下略)


 そして最後に、フォーセットは倒産してません

 ええと、そもそも『キャプテン・マーベル』その他のコミックスを出版してた「フォーセット・コミックス」は、「フォーセット・パブリッシング」という出版社の子会社なワケですよ。

 でー、フォーセット・パブリッシング社は、1953年にDCコミックス社と和解した後、コミックの出版から手を引くこととし、子会社であるフォーセット・コミックスを解散させます。

 結果、フォーセット・コミックスの雇っていた作家たちは解雇されましたが、フォーセット・コミックの統括者だったロスコー・K.フォーセットや、名編集者アル・アラードはフォーセット・パブリッシングに移籍して、同社のペーパーバック部門フォーセット・ゴールドメダル・ブランドで辣腕を振るいました。

 その、日本語でいう「倒産」ってのは、経済的に破綻して債務が弁済できなくなること、って所が割と大事だと思うのですが、その意味で、上記のような具合に綺麗に幕をたたんだフォーセット・コミックス社は、「倒産」という日本語には当てはまらないと思うのですが、いかがでしょうか。

(※「DCへの示談金で経済的に破綻したのでは?」とかいう短絡的な反論を思い浮かべた人は、お手数ですが自分で証拠となりそうなナニカを見つけて提示してください)
  
  
 ……以上、言いたいコト言ったので、オワル。


 っつーか、俺が旧ホームページや同人誌とかで語ってた「この裁判」についての内容も、細かな用語の訳し方とか怪しい気がしてきたので、今度ヒマを見つけて洗い直そうと思った。
  
  
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タグ:シャザム! 豆知識

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