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●最近の『ビリーバット』。

2008.11.04 Tue

▼適当なるビリー:

 っつーわけで、タイトル通りに、『ビリーバット』第3回の感想。

 前回までは発売日当日に感想書いてたのが、そろそろ店頭からも今週号が消えてるこのタイミングにエントリ書いてる時点で、まぁ、俺的なテンションはお察しください。

 とりあえず、今回の「萎え」ポインツ。

・『ビリーバット』を発行しているマーベル・コミックス社がロサンゼルスっつー、絶対無いとまでは言わないけど、この時代の流通網とかを考えたら、リアリティのないロケーションに本社を置いてる(大概はニューヨークに本社置くと思うねん。作家も編集者も集まってるし)。

・リアリティを放棄してるにもかかわらず、「ビリーバットの人気はワンダーウーマンと肩を並べる」とかいう、生々しい台詞が今回も登場。
 っつーか、この当時はスーパーヒーローものが低迷してたんで、ワンダーウーマンを人気作品の指標にするのはどうかと思うよ。

・「『ビリーバット』の連載をアシスタントに作画を任せて休みたい」というヤマガタに対し「『ビリーバット』はお前にしか描けない」的な「作家本位」の理屈を返すマーブルの社長が、なんか違和感ある。当時のアメリカン・コミックの、それも出版社社長なんて立場の人間がいう台詞としては、リアリティなくない? という。
 つか、あの当時は終戦後に復員したコミック作家が職にあぶれてた時代だし、アシスタントでなくとも代わりに描ける作家はいくらでもいたと思うが。

・そもそも『ビリーバット』というコミックが、どんな版形の媒体で、どんな具合に連載されてて、ケヴィン・ヤマガタがその作品をどんな具合の体制で描いてて、でもって作品の著作権は誰に帰属するのかといった具合の、『ビリーバット』というフェイクのコミックに、「コミックブック」としての血肉を与えるディテールが全然ないのが、不満を通り越してイラつく。

 以上3点。

 まぁ、この辺読まされた時点で、「俺は別にこの作品の想定している読者層に入ってないんで、無理につきあうことはない」という結論に達したので(いや、連載始まる前から気付いてたけど気付いてないフリしてたんだが)、もういいや、と。


 何度も言うけど、アメリカン・コミックスの世界をそれなりにリアルに描く努力を放棄してる一方で、虚構のヒーロー・ビリーバットを、スーパーマン、ワンダーウーマン、ディック・トレイシー等の実在のキャラクターと肩を並べさせるのは、実に失敬だと思う。

 アメリカの作家に日本のマンガを題材にして、「そういうこと」をやられたら、って想像してみ?


 あと、第2回の時点で他の人からも指摘されてたけど、劇中に登場するヤマガタのアシスタントが、あまりにも「日本的な」アシスタントっぽいよね。

 ま、あのアシスタントが具体的にどんな仕事してるかは、きちんと描写されてないので、突っ込んでもしょうがないのですが(ひょっとしたら、背景以外にもペン入れ全般とか、主要登場人物以外の作画全てをやらされてるのかも知れないし<ボブ・ケインかよ)。

 っつーか、その、「日本的なアシスタント」ってモンがそもそもこの1949年の時点で誕生してないんですが、今後、ケヴィン・ヤマガタが日本で著名なマンガ家と交流したり、日本で連載始めたりってな展開になったら、下手をすると、「ケヴィン・ヤマガタが日本式アシスタントの先駆け」みたいなことになるんじゃないかと、思った。

 ま、なんか第3回見る限りじゃ、今後はマンガとかコミックとかどうでも良い方に展開しそうですが。


 以上。

 オワル。
  
  
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コメント

*

プロットひとつ、ネーム一本切ったことない人はしあわせだわ。

人の作品に放言ぶつけてりゃいいんだからねえ。

じゃあ、現実にありえない話以外はみーんなクソなわけだ

ははは

*

>はははさま
とりあえず、この記事ではプロットとネームの話はしていないし
「現実にありえない話はみーんなクソ」といったニュアンスの記述もありませんが
コメントを書かれる記事をお間違えではないでしょうか。
  
ちなみに個人的には、批判に対する「じゃ、お前が描けよ」とか
「描いたことないくせに」とかいう反論は
書いた時点で負けだと思っております。

*

スーパーマンのガチムチ物語が好きならそれはそれでいいじゃないですか!

*

そうですね
貴殿がそのように捉えることは、それはそれでいいと思います。
ところで、コメントを書かれる記事をお間違えではないでしょうか。

*

初コメント失礼いたします。

気持ちは分かります。詳細を詰め込みてほしいって気持ち。歴史を知ってる人であればなおさらかも知れません。

けど、あまりにどリアルに描いちゃったら”エンターテイメント”としてつまらなくなるのでは?(つまらねぇから読まないと言われたらそれまでですが)
そこは多分あえて省いて描いてるんじゃないかと。

細かいディティールに焦点をおくのであればテーマというか話が違うものになる。

あの作品が言いたいのはそこの部分じゃないような気がします。

と、なんとなく素朴にそうおもいました。

参考までに通りすがりのくそ野郎の一意見としてとらえていただけたら幸いです。

*

>通りすがりさま
その、「詳細を詰め込んで欲しい」とか「リアルに描いて欲しい」とかは、実は求めてないのですよ。

むしろ「『ビリーバット』の作品世界ではそうなってる」ということにして、オリジナルのアメリカン・コミックス業界の描写をしてくれないかと思ってます。
ついでに、作中に登場するコミックの名前も、オリジナルのヒーローの名前にしてくれないかと。

そうすればこちらも「この作品では、そうなっているのだ」と納得できますから。

でも、なぜだか、『ビリーバット』はスーパーマン、ディック・トレイシー等の、実在しているコミックの名前を挙げているのです。

なぜそこだけリアルな単語を盛り込むのか。
そんなディテールは、作品の面白さやテーマには、なんら関与しないのに。
「いいたいのはそこの部分」じゃないだろうに。

むしろ「あえて省いても」いいだろうに、
省くどころか「それら実在のコミックよりも、ビリーバットは大人気だ」なんていう、実在のキャラクターに失礼なディテールの上乗せまでしている。

あの作品にとってその部分は、それほどに大事なのでしょうか。
大事ならば、その周囲のディテールも固めて、説得力のある設定にすべきではないでしょうか。
なのに、あんな間違ったコミック業界の描写でいいのでしょうか。

そんな風に、色々と考える次第です。

*

なるほど。
確かにそれはそうかも。

難しいさじ加減ですね。

でも、たけうちさんがおっしゃってるようにちょっとしたスパイスで作品の深みが増すのかもしれませんね。

詰めというか。

ま、こうやって意見が出てくるってことはまだまだやりようがある作品てことですね。・・・がっつり進んでますが。

鋭い着眼点感服しました。

今後もブログたのしく拝見させていただきます。

*

>通りすがりさま
丁寧なお返事ありがとうございます。
  
……こう、時代物のドラマで「考証担当」がいるように
マンガにも「この当時のアメリカの文化」みたいな、時代背景を考証する人が
いてもいいんじゃないかしら、などとも思ってみたりもしております。
(浦沢先生の場合、米語版も出版されるんですから、なおさら)

*

何故か最近1920年~40年代のコミックス、漫画の歴史をまさぐっており、
その関連で「ビリー・バット」も購読しましたが、わたしも軽い失望感を感じました。

それは浦澤直樹という認知度も影響力も高い漫画家が認知度の低いアメリカンコミックスの当時の様子を
フィクションといえども間違った情報として多くの読者に与えてしまう。与えてしまったこと。

例えるならエスキーテニスのルールを知らない漫画家がエスキーテニスの選手を主人公にした推理漫画を描き、
エスキーテニスはこの漫画には重要ではないのでルールも憶測でよい、といった開き直りで間違ったエスキーテニスを描くようなものではないかと。

ですがまあ、実際のところ忍者ものや時代劇だって時代考証でたらめな漫画が横行しているので
エンターテーメントとして「ここは違うだろー」とつっこみどころが何個あるのかカウントしながら読むのも一興かと。
てなわけで私はしばらく購読を続けてみようかと思っております。

先日読みましたマイケル・シェイボンの「カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険」でも
当時存在しなかったセクシー路線コミックスで一山当てるというエピソードがありましたがこちらは背景考証ばっちりなので
違和感は感じませんでしたね。まあ漫画では状況説明をくどくど出来ない事情もありますが。

それにしても「ビリー・バット」は「ブラック・サッド」の…まあいいや。

長々と失礼いたしました。ブログの更新楽しみにしております。ではでは。

*

>つるさん
コメントありがとうございます。

自分と似た傾向の感慨を抱いた方が、その旨、コメントしてくれることというのは、
マイナージャンルを愛好している人間にとって、心強いものです。

『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』は今知りましたが、Amazonの
アラスジを読むだけでワクワクしてきて直ちに注文しました。

日本でも、戦後のマンガ界を舞台にしたフィクションとか出ないものですかね。
(ただし、タイムスリップネタは封印で)

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