Homeスポンサー広告資料風なソレ>●どうでもよいムーアっぽいなにか。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

●どうでもよいムーアっぽいなにか。

2009.01.30 Fri

▼最近のムーア。

 こう、劇場公開も近づいて、方々のブログで話題になったりならなかったりな『ウォッチメン』について、「ここはいっちょう俺も適当に語ってブログのアクセス数をあげるぜ」とか、浅ましいことを思いつく。

 で、適当にネットサーフィンして見つけた、トゥーモロー・パブリッシングのホームページのABCを始めた頃のアラン・ムーアへのインタビュー記事を、なんとなく読む。

 内容的にはムーアが子供の頃の英国のコミック流通についてだとか、「俺はスティーブ・ディッコが好きだったんだぜぇ! 俺はアナーキストで、ヤッコさんは右翼だけど、それでも尊敬してる! 俺がロックバンドに参加してたとき、ディッコについての詞も書いたんだぜ!」とか、「でもさ、ディッコの作品のテーマって、アイン・ランド(Ayn Rand:アメリカの女流小説家)の著作からの影響大きくね?」とか、あともろもろで、非常に面白かった。


 試しに全文訳してみようかと思ったけど、半分方訳したトコで「あー、無理」と判断して、まぁ辞める。っつーか、昔ムーアの企画書訳したときも思ったけど、この人の口語体の文章は、1センテンスが無駄に長くて時々同じことを言い直すんで、意味がとりにくいんだよ!<逆切れ

 とりあえず、日本でも評価の高い『ウォッチメン』と『キリング・ジョーク』に関して、ムーアが言及してる箇所は割りとスラリと訳せたので、今日はそこだけ貼って、逃亡する。

 っつーワケで以下引用。


──現在の仕事であるアメリカズ・ベスト・コミックスは、あなたが先程おっしゃった“陰鬱なダークエイジ”後の作品として、『ウォッチメン』への解答なのですか?
アラン・ムーア:『ウォッチメン』への反応はさほどない。何故なら俺は、あの作品に大いなる敬意を払っているからだ――あれは偉大な作品で、デイヴ(・ギボンズ)と俺は良い仕事をしたと、非常に誇りに思っている。

(中略)

『ウォッチメン』は俺が依然として大量の愛着を持ち合わせている仕事で、実に画期的な作品だった。デイヴと俺はあの本のために一連のテクニックを開発したものさ。
 しかし俺が『ウォッチメン』を書き終えた時、それらの技法は既に陳腐なものに感じられた。俺の言いたいことが解るかい?
 俺は次の作品には同様のストーリーテーリングのテクニックは使いたくなかった。だから『ビッグナンバーズ』や『ロストガールズ』、『フロム・ヘル』にはキャプションはないし、ワザとらしい“巧妙な場面転換”なんかもない。単に的確な場面転換があるだけだ――その方が俺にはより自然な手法に思えるんでな。
 俺が言いたいのは、俺は『ウォッチメン』のカラクリは気に入っているってことだ――あれは良くできたスイス時計のような作品、メカニズムだ、解るかい?

──(そうしたメカニズムは)書くのに疲れますか?
ムーア:ああ、非常に疲れる。ああしたレベルの複雑さをもったもの――その複雑さが表面上だけのものを書くのは。俺は思ったんだ“ああ、こんなことは2度としたくない”って。
 同じくらい複雑な作品は書いている。『フロム・ヘル』は『フロム・ヘル』なりに、『ウォッチメン』並に複雑だ。しかし『フロム・ヘル』の複雑さはより物語的なものだ。それは見かけ倒しでなく、そして俺は『ウォッチメン』以来、あの作品のような見かけ倒しな作品を書きたいとは思わない。
 ……あれと同時期に手がけた『キリング・ジョーク』は、やっちまったと思ってる。確かにブライアンのアートは美しいが、あれは俺の作品の中ではおそらくもっとも気に入らないものの1つだ。あれは『ウォッチメン』のストーリーテーリング技術に近すぎたんだ。
 もしも2年前か2年後――俺たちが『ウォッチメン』でしたことに、俺がそれほど影響を受けてない時期にあれをやってれば、おそらくは異なったものになったろうし、よりましなものになっていたろう……まあ少なくとも脚本に関して言えばだ。
 
  
 以上。

 とりあえず言えることは、『キリング・ジョーク』とか『ウォッチメン』の、このシーンとこのシーンが対応してるんだぜ的な、わかりやすい演出を指して、「ここの演出が凄いんだぜ! さすがムーア、天才!!」とか鬼の首を取ったように言ってるボイズンガールを時々見かけるけど、ムーア本人を目の前にしてそんなことを言うと、あの野郎の機嫌を損ねるので気をつけろ、と。

 あとついでに、『ウォッチメン』の初期企画について触れてる箇所を貼り付けて寝る。


(インタビュアーに「『ウォッチメン』にはMLJコミックスのヒーローの要素も入ってるのではないですか?」と聞かれて。※MLJは現在のアーチー・コミックス)
ムーア:ああ、正解だ。『ウォッチメン』の初期のアイデア――それは完成した『ウォッチメン』とは似ても似つかない――は、非常にシンプルなものだった。
 丸々1つの会社のコミックのライン、作品世界、コンティニュティ、スーパーヒーローに満ちた世界――願わくば中断され、もはや出版されていない会社のコミックのライン――を持てて、そして俺が異なったやり方でイジれたなら、きっと素晴らしいだろうと思ったんだ。
 このアイデアは、俺が似たような作品――要するに『マーヴルマン』さ――を手掛けた後のものであることは覚えていて欲しい。あの作品で俺は既に存在しているキャラクターを用い、彼と彼の存在する社会的環境を、より不快で、おそらくはより現実的な世界観に当てはめた。
 それで俺は、MLJのキャラクターたち――アーチーのスーパーヒーローたちを用いることから考え出した。なぜなら彼らはその当時出版されてなかったからだ。そして俺の知る限り、彼らの権利は容易に得られたろうからだ。
 初期のコンセプトでは、1960年代から1970年代版の、より馬鹿げたバージョンのザ・シールド(※MLJの看板ヒーロー)が波止場で死体で発見される。でもって、復帰したジャック・カービィ版プライベート・ストロングなどのいくらかのキャラクターが登場し、殺人事件が展開していく。
 俺は、“著名なスーパーヒーローが死体で発見される、ってのはコミックブックの出だしとしてなかなかのモンだろう”って考えてたんだ。で、謎が明かされるにつれ、一段、また一段とこのスーパーヒーローの世界の真の中心に近づき、それらスーパーヒーローの一般的なイメージとは異なる現実が明かされる。まあ、こんな感じのアイデアだった。

 ディック・ジョルダーノ(※元はチャールトン・コミックスの編集者で、後にDCコミックスに移籍。とてもえらいがその偉業はここでは書ききれない)がチャールトン作品を買収した時、デイヴ・ギボンズと俺は何か一緒にやろうって話していた。
 俺たちは『2000 A. D.』で2、3のストーリーを手掛けていて、彼と組むのは非常に楽しかった。で、俺らはDCで何かをやりたかった――俺たちはブライアン・ボランド、ケヴィン・オニールに続く英国離脱組の第一波で、俺は離脱組初のライターだった。そして俺たちは一緒に仕事がしたかった。
 初期の頃は、『チャレンジャーズ・オブ・ジ・アンノウン』のミニシリーズでもやろうかとか、どっから思いついたのか、『マーシャン・マンハンター』ミニシリーズのカバーの下描きも進めてたりした。
 だがやがて俺は、“これらは普通のシロモノだ”と思った。既に他の人間がそれらのキャラクターに関する企画を進めているだろうし、それ故DCは俺らに彼らを使わせたがらないだろうとも。
 で、その時点で俺は、MLJ/アーチーキャラクターらのアイデアを思いついていた、しかもこれは、いかなる既存のスーパーヒーローの一団にも当てはめられるアイデアだった。例えばタワー・コミックスのキャラクター、サンダー・エージェンツあたりでも、同じことができたろう。
 物語はスーパーヒーローたちについてのもので、そのスーパーヒーローたちがどいつらでもかまわなかった――彼らが共感できる存在で、人々が彼らを覚えていて、故にそれらのキャラクターらの現実がいかなるものかが明かされた時に、大きなショックと驚きを与えられるならば。

 で、ディックはチャールトンのキャラクターをDCのために買収してきてて、彼らの使い道を探していた。そこでデイヴと俺は企画書を提出した。この時点で企画は、いくらかのチャールトン・キャラクターが登場するものとなっていた。
 こいつにどのくらいのアイデアが盛り込まれていたかは覚えちゃないが、確か殺人で幕を開け、誰が殺人犯かもはっきりと決めていた。それに動機のアイデアもあったし、プロットの骨子は揃っていたと思う――こうした全ては実際のところ『ウォッチメン』では最もどうでも良いことどもになった。完成した作品のより重要な要素は、ストーリーテーリングやコマ間に潜ませたものであり、プロットはちっぽけなものだった。
 で、過激で普通でないスーパーヒーローの本を計画していた俺らは、タップリと懐かしさを含んだチャールトンの偉大なラインナップは、読者に共感と反響を与えると踏んだ。だから俺らはこの企画を、新たに加わったチャールトンのキャラクターを用いる形で提出した。

──それでその企画をディックに送った?
ムーア:そんな所だ。詳細は忘れた――何せずいぶん前のことでな。
 やがてディックから返事が来たのは覚えている。彼は企画を気に入ったが、彼は実の所、チャールトンのキャラクターを使わせたくなかった。
 なぜならこの企画は彼らの多くをひどい目に会わせたまま終わる。俺らの企画の後でDCが彼らを更に利用できるようにしておくならば、俺たちがこの企画で意図している衝撃が減じることは避けられなかった。
 もし俺らがチャールトンのキャラクターらを『ウォッチメン』に使っていたら、第12号の後には、──まあ、キャプテン・アトムは依然生きてるかもしれないが、『ウォッチメン』で起きたことを大分なかったことにしなければ、DCはそれらのキャラクターを扱ったコミックブックを出せなかったろう。

 当初俺は、新たにでっち上げた薄っぺらなキャラクターで、この企画ができるとは考えていなかった。そんなことをしたら、それらのキャラクターが読者に対して持つ全ての共感を失うことになり、それは俺がこの本で重要な箇所だと思っているものを減じると思ったからだ。
 やがて俺は気づいた。もしも俺が代用品のキャラクターらを適切に書けて、彼らに何らかの形で親しみを抱かせられたなら、そして彼らの持つ何がしかが一般的なスーパーヒーローへの共感や親しみを読者に想起させたなら、きっとうまくいくだろうと。

 で、俺らはコンセプトを練り直しはじめた。チャールトンのキャラクターらを出発点として――これは俺らがディックに従った――そしてここでプロットが関わってきた。俺らはキャラクターを変形させていき、そして俺は、そうした変化が俺により一層の自由を与えてくれることに気づきだした。
 キャプテン・アトムを原子力のスーパーヒーローにして、彼に原子爆弾の影を漂わせるという単純なアイデアは、オリジナルの企画の頃からあった。
 だが、ドクター・マンハッタンをある種の量子科学的なスーパーヒーローにすることで、全く新たな次元が開けた。彼の回りに漂うものは、単なる核の脅威以上のものになった。また俺たちがドクター・マンハッタンで描けるもの、彼の感情と彼の時間の認識の仕方は、キャプテン・アトムには相応しくなかった。だから、こいつは最良の選択だったのさ。そのことに俺が気づくのにしばらくかかりはしたもののな。

 俺は思った“実際こいつはクールだぜ!”。第1号を書いた時点で、俺はこのアイデアに夢中になっていた。
 正直、疑念を抱えたまま、準備に入ったんだ。だが一旦、行動方針を決めちまって、俺とデイヴの間でやりとりが始まったら、そして俺がデイヴのスケッチとアイデアを見始めたら……そうさ、俺が第1号を書きだした時、俺はキャラクター達をつかみ、そして彼らは俺の頭の中で強固になっていった。
 俺はそれらをスクリプトに落とし込み、そして、第3号の最初のページを書いてた時に俺は気付いた。こいつは俺らが思ってた以上のものだって。
 俺は突然に思った、“ヘイ、道路のこっち側の壁に放射線マークの看板が取りつけられてるところから始めるんだ。それで核の脅威が強調される。そしてこの新聞売りに叫ばせるんだ、暇を持て余した市井の人間が時々する様な具合に。で、この子供が読んでる海賊コミックのナレーションがかぶさる。そしてそれらが互いに関連する様にしてく。で、この海賊マンガで言及されてることを、このコマの絵に、もしくは新聞売りが言っていることに関連づけたら……おいおい、なんだかスゲぇことが起きてないか?” この時、『ウォッチメン』は飛翔したのさ。そしてこの時、俺は単にスーパーヒーローを暗く描くことよりも重大な何かが起きていることに気付いた、そう、暗く描くなんてのは、前に『マーヴルマン』でやったことだしな。
  
  
 以上。

 寝る。
  
  
The Extraordinary Works Of Alan Moore: Indispensable Edition
The Extraordinary Works Of Alan Moore: Indispensable EditionAlan Moore

Twomorrows Pub 2009-01-14
売り上げランキング : 188351


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

  
  
関連記事

コメント

*

> 『ウォッチメン』で起きたことを大分なかったことにしなければ、

昔の編集者は良識があったのだな~と(暴言)

*

んでも、カウントダウン:アリーナの各ユニヴァースから集まってくるキャプテン・アトム軍団の中にこそっとドクター・マンハッタン(のような)人を混ぜた今のDCも度胸あるよね、と(笑)。

*

>ロヒキアさん
>昔の編集者は良識があったのだな~と(暴言)
まあ、マジレスしちゃうと今昔の編集者ってよりは、ディック・ジョルダーノって人の良識かと。
せっかく買収してきたモンを1回で使いつぶされても金が無駄になるし、一方で、気鋭の作家の渾身の企画をツブしたくないって言うトコから、うまくムーアをノせて着地点を見つけたなぁ、と。

>Humanflyさん
個人的には、度胸ってより、「空気読めてない」感が……。
でも、モリソンの『スーパーマン:ビヨンド』にも、マンハッタンぽい人が出てるんだよなぁ……。
(まぁ、モリソンは空気読もうとしない人ですが)

*

突然の訪問、失礼いたします。
私はこちら⇒http://kirbydx.blog23.fc2.com/
でブログをやっているきみきといいます。
色々なサイトをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
「やってもいいよ」という方はコメントを残してくだされば、
私もリンクさせていただきます。
よろしくお願いします^^

*

一番空気読めてないのはチャールトン出身のジョルダーノに
「チャールトンのヒーローをファックさせてよ!」と
頼んだムーアでは...。

*

……あぁ、文中に「カービィ」って入ってるブログに無差別にコメント入れるスクリプトなのね。

>Captain Yさん
>一番空気読めてないのはチャールトン出身のジョルダーノに
>「チャールトンのヒーローをファックさせてよ!」と頼んだムーアでは...。
一応、ムーアはジョルダーノの経歴を知った上で「素晴らしい作品にするので、合意の上でファックさせてください」って頼んでるんで、一応、スジが通ってるっちゃ通ってるんじゃないでしょうか。
ま、ヨソから身請けしたばかりの花魁に、いきなりハードなファックをしようとしてますがね!

コメント投稿

Private

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://ironjoe.blog7.fc2.com/tb.php/206-e1893b14
この記事にトラックバックする(FC2ユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。