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●DC講座Re:スーパーマンの死と再生について。

2009.10.20 Tue

▼適当なるリメイク:

 さて、今回は旧ホームページに掲載されてた「スーパマンの死」に関する記事のリメイクを掲載しようかと。
 この原稿を書いた当時は、まだまだその辺の大型書店なぞに中央公論社版の『スーパーマンの最期』が転がってたモンですが、最近はようやく見なくなりましたな。
 ま、古本屋に行けば割合見かけるし、Amazon.co.jpでも定価以下で中古が手に入るのですが。

 とまれ、こちらのテキストは、1990年代に物議を醸し、しかも日本で中途半端に邦訳されたことで微妙に知名度のある「スーパーマンの死」について、その前後の出来事も含めて解説してこうという次第で。

 というわけで。

1.基本事項

 そもそも、このスーパーマンの死と再生というのは、全3部の構成にて発表されております。

 最初がスーパーマンが謎の怪物ドゥームスディと交戦して死ぬ、『ドゥームスディ』(単行本タイトルは『デス・オブ・スーパーマン』)
 2作目、スーパーマンの葬式と、彼のいないメトロポリスの風景、そして彼の墓から死体が消失するという、復活を暗示させるラストの『フュネラル・フォー・フレンド』(単行本タイトル『ワールド・ウィズアウト・スーパーマン』)
 そしてスーパーマンの後継者として登場した4人の謎のスーパーマンと、真のスーパーマンの再生を描く最終作『レイン・オブ・スーパーメン』(単行本タイトル『リターン・オブ・スーパーマン』)の3つです。

 日本ではこの3部作の1作目を『スーパーマンの最期』として刊行したものの、残りの2作が発行されなかったために、復活の経緯などがウヤムヤに伝えられることとなったのですが。


2.スーパーマンが死ぬまで:その1・スーパーガールとその周辺

 で、本題に入りたい所ですが、その前にスーパーマンが死ぬまでの経緯、って所から書きたく思います。その、3部作だけ解説してもいいんですが、それじゃ情報として充分じゃないんで、その前後の流れで本編に関わってくる部分は解説させてください。はい。

 いきなり知らないキャラをポンと出されても、ワケ分かんないでしょうし――実際、何の予備知識もなく『スーパーマンの最期』を読んだ人って、スーパーマンやジャスティスリーグと言った登場人物の人間関係や、ルーサーとスーパーガールの関係とかが解らなくて、結局、「スーパーマンが死んだ」という事実だけが、ポンと提示された感じだったでしょ?

 えーと、スーパーマン=クラーク・ケントは実は滅亡したクリプトン星から、小型宇宙船マトリクス・チャンバーに乗せられてやって来て、ケント夫妻に引き取られて、成人してから超能力発現、スーパーマンとして世のため人のためにその力を使うようになった、ってのは大丈夫ですね? ここからダメ、って人はその、容赦なく切り捨てますんで、小プロの『スーパーマン/バットマン』でも読んでから出直して来て下さい。
(2009年註:現在はこの辺の基本設定も改定されてきてるんですが、そこまで言及するとキリがないので「当時はそうだった」ということにしてください)


 で、ですね。そうして活躍してるスーパーマンは、ある時彼とそっくりの衣裳を着た、(しかも幼なじみのラナ・ラングにそっくりな)女性と遭遇します。彼女は自分が我々の地球にそっくりな世界を持つ、ポケット・ユニバース(閉鎖宇宙)よりやって来たことを告げ、スーパーマンに助けを求めます。

 いわく、彼女の地球は、3人の凶悪なクリプトン星人(ゾッド将軍、ザオラ、クエックス・ウル)によって壊滅の危機に瀕しており、同じクリプトン人であるこちらの世界のスーパーマンの助力を借りたい、と。

 ちなみに彼女は、自分が向こうの世界のレックス・ルーサーによって人為的に力を与えられた存在だと思っていたのですが、後にルーサーが、向こうの世界のラナ・ラングをモデルに造り出した人造生命体(プロトマター・マトリクス)であることが判明します。

 ともかく、彼女と共に向こうの世界に渡ったスーパーマンでしたが、自身と同じ能力を持つ(しかも向こうは3人)クリプトン人に圧倒され、生き残りの人々も殺されてしまいます。彼らがこちらの世界にやって来たら、たとえ世界中のヒーローの力を結集させたとしても制止することは困難であり、また多くの犠牲者が出るだろう、という判断から、スーパーマンはクリプトナイトの放射線を用いて3人を殺害してしまいます。

 一方、マトリクスは3人との戦いでダメージを負い、ラナ・ラングの姿を取ることすらできず、いびつな泥人形の様な姿で、ケント夫妻に引き取られます。
 で、このマトリクスは後に知性と変身能力が回復し、スーパーガールを名乗って、スーパーマンと共に戦うようになります。

 『スーパーマンの最期』に少しだけ登場したスーパーガールが、いきなり殴られたら粘土状の肉体になってしまったのにショックを受けられた方も多いかと思いますが、あの子こそが、このマトリクスさんであります。
 ちなみにあの当時、彼女がレックス・ルーサーの側にいたのは、向こうの世界の“善人の”レックス・ルーサーに好感を抱いていたスーパーガールが、こっちの世界のルーサーも善人だと思い込んで、彼の元に身を寄せてたからです。後にルーサーは本性を現して、2人は別れますが。

※この辺のお話は自分も本編は断片的にしか持っておらず、『シークレットファイルズ』や、『スーパーガール』単行本序文等のリトールド部分から構成してますんで、致命的な誤り等ございましたら突っ込んで頂ければ吉です。
(2009年註:ていうか、『インフィナイト・クライシス』周辺の設定改定により、このマトリクス・スーパーガールも「存在しなかった」ことにされました。あとクリプトン人も10万人の生存が確認されてて、その1人には「本物の」ゾッド将軍も含まれてる現在から見ると、たった3人のクリプトン人に汲々としてるスーパーマンがなんだか……)

 ちなみに『スーパーマンの最期』を読んで、髪の毛がフサフサで若々しいレックス・ルーサーに違和感を抱いた方も案外おられるのではないでしょうか。あの人はレックス・ルーサー2世と言いまして、飛行機事故で死亡したレックス・ルーサー1世の隠し子です。
 ……と言うのは真っ赤な嘘で、実は、ルーサー1世本人です。
 一時期、対スーパーマン用にクリプトナイトをはめ込んだ指輪を身につけていたルーサーは、その結果、放射線によって末期ガンに侵されます。しかしルーサーは己の死を回避すべく、元カドモス・プロジェクトのドクター・ドノヴァンの協力で、自身のクローンを製造。この肉体に脳移植を行い、1世の事故死を装った上で、「実は僕は隠し子の2世です」と登場したのでした。


3.スーパーマンが死ぬまで:その2・スーパーマンとモングル

 さて、スーパーマンの過去話はまだ続きます。スーパーガールとの一件で、スーパーマンは相手が地球を滅ぼした大悪人だったとはいえ、自らの手で裁きを下してしまったことに、心の底から罪悪感を抱きます。

 ケントが二重人格になって、クライム・ファイターの「ギャングバスター」を名乗って密かに活動したりといった紆余曲折の末、人々の命をたやすく奪うことのできる自身の能力が、周囲に害を及ぼすことを怖れたスーパーマンは地球を去ることを決意します。

 宇宙をさまようスーパーマンは、やがて、戦闘惑星ウォーワールドの帝王モングルに捕らえられ、彼の奴隷剣闘士となります。しかしながら、剣闘士に堕しても、対戦相手の命を奪うことを拒否するスーパーマンの高潔さは、弱肉強食の論理が支配するウォーワールドに波紋を投げかけ、最終的に下層階級の人々の反乱を喚起、モングルの帝国は壊滅します。
 そのさなか、スーパーマンはクレリックなる異星の伝道師と遭遇します。かつてクリプトン星を訪れたことのあるクレリックは、スーパーマンにクリプトン製の人工知能、エラディケイター(外観的にはフットボールよりやや小さいくらいの頭を持つマクロファージ、とでも言おうか。スーパーマンが地球まで乗ってきたマトリクス・チャンバーにも似ている)を手渡します。


4.スーパーマンが死ぬまで:その3・エラディケイターとハンク・ヘンショウ

 さて、ウォーワールドでの経験で、自身のモチベーションを取り戻したスーパーマンは、エラディケイターを手土産に地球に帰還します。が、元来、クリプトン人を絶対的に守護する兵器として製作されたエラディケイターは、やがて最後のクリプトン人であるスーパーマンを完全なるクリプトン人――情緒も、愛も切り捨て、論理のみに生きる冷血な種族――に昇華させようと試み、徐々に彼を洗脳していきます。

 このことに気付いたスーパーマンは、エラディケイターを南極の氷に封印しますが、人工知能は南極大陸の地下にクリプトン星を再現した要塞を築き、地球全土のクリプトン化を目指します。
 その過程で再度スーパーマンを洗脳したエラディケイターは、彼を感情無き“クリプトンマン”に変えます。が、クラークの両親ケント夫妻の愛情を込めた説得により、スーパーマンは自身を取り戻し、エラディケイターを打倒。人工知能を太陽に投棄します。不屈のエラディケイターは、更に後、太陽エネルギーをチャージして、ヒューマノイドの形態をとって帰還するも、再びスーパーマンに倒されました。
 ちなみにこの時エラディケイターが南極に作った要塞は、“孤独の城塞”と名付けられ、以降スーパーマンが利用することになります。

 一方、それらの出来事とは全く関係なく、ナサの宇宙飛行士ハンク・ヘンショウは、仲間たちと共にスペースシャトルで宇宙に旅立った際、謎の宇宙線に被爆します。シャトルはスーパーマンにより救助されますが、宇宙線の影響でヘンショウの仲間は異形のミュータントに変異し、程なく死亡します。
 ですがヘンショウ自身は、宇宙線の効果により、自身の意識をいかなる機械にも移送できる超能力を獲得しており、周囲の機械に憑依することで肉体を侵していた致死の放射線病から逃れます。やがて、地球に己の居場所がないことを悟ったヘンショウは、スーパーマンの乗ってきたマトリクス・チャンバーに意識を移し、その技術を吸収すると、自身を小型の星間宇宙船に変移させ、宇宙の彼方に消え去ります。

※余談ながら、ヘンショウと3人の仲間たちが宇宙船で放射線に被曝、と言うクダリは『ファンタスティック・フォー』のパロディとなっています。


5.ここまでのまとめ:

 えー、長々と書きましたが、とりあえず

・元ウォーワールドの帝王、スーパーマンに恨みを抱くモングル
・クリプトン人の無差別守護天使エラディケイター
・機械に乗り移れる器用な人ハンク・ヘンショウ

 の3人のキャラについて心に留めておいてください。

 さて、ここからが本番、3部作本編の解説になります。


6.『スーパーマンの最期』

 まずはスーパーマンのデス&ライフ3部作の開幕となる『スーパーマンの最期』について。これはですね、まぁ、テキストとして邦訳版が出てますんで、そっちを読んじゃってください。まだ古本屋でも見かけますし。ストーリーは、謎の怪物ドゥームス・ディが登場して、ジャスティスリーグ・アメリカが壊滅、スーパーマンも相打ち、と。
(2009年註:まあ、読むがよいです)


余談:あの人は誰なの?

 で、ですね。この本を読んだ人から良く聞かれる質問がですね、「ブラッドウィンドの正体って何?」ってやつです。
 邦訳版の真ん中辺りで、ブルービートルが「そうか! ブラッドウィンドの正体は!」とか驚いてるあのシーン。作中ではなんらフォローされてないんで、嫌な感じに気にかかっていた人もいるのではないかと思いますが。

 はっきり言えば、ブラッドウィンドの正体はジャスティスリーグの最古参メンバー、マーシャン・マンハンターです。

 手短に話しますと、この『ドゥームズディ』事件の前に、ジャスティスリーグ全体を巻き込んだ「ブレイクダウン」事件てのが起きまして、この事件で、リーグ内から死者1名と多数の離脱者を出すこととなります。

 この後、当時リーダーを務めていたマーシャン・マンハンターも傷心でリーグを辞し、リーグ自体も解散します──その後スーパーマン、バットマン、グリーンランタンらによって、リーグは再編成されるのですが。

 で、あてどもなく地球の成層圏あたりをさまよっていたマーシャン・マンハンターは、謎の魔術師ブラッドウィンドと遭遇します。その時ブラッドウィンドは、彼の胸に付いているブラッドジェムという宝石に封印されていた、悪の化身ロトの攻撃を受けておりました。で、マーシャン・マンハンターが彼の宝石に触れた所、ブラッドウィンドは宝石の中に引きこまれ、しかも宝石はマーシャン・マンハンターの胸に張り付いてしまいます。
 そして、宝石内部のロトから洗脳と、マーシャン・マンハンターの変身能力により、マーシャン・マンハンターは、身も心もブラッドウィンドに化身してしまいます。

 さて、外界への脱出を企むロトは、宝石の封印を打ち破れるだけの強力なエネルギーを持つメタヒューマンを求めており、そのためブラッドウィンド/マーシャン・マンハンターを、強力なヒーローたちの集うジャスティスリーグに加入させます。
 しかし彼は本質的にはマーシャン・マンハンターでして、『スーパーマンの最期』の件のシーンでは、マーシャン・マンハンターの弱点である火炎に巻き込まれたために、無意識に変身を解除してしまい、そこをブルービートルに目撃されていたのでした、と。

 ちなみに『スーパーマンの最期』の直後に起きた『ハンズ・オブ・ディスティニー』事件にて、ブラッドウィンド=マーシャン・マンハンターという事実が判明し、程なくアトム(2)、レイ(2)らの協力で、ブラッドジェム内から本物のブラッドウィンドが救出され、ロトも倒されます。

 全然手短ではありませんね。反省。


7.スーパーマンなき世界

 さて、『スーパーマンの最期』で、スーパーマンは死亡します(当たり前ですが)。これに続く2話目が『ワールド・ウィズアウト・スーパーマン』、もしくは『フュネラル・フォー・フレンド』というストーリーラインです。

 ストーリーは、スーパーマンの葬式をジャスティスリーグが行う一方、スーパーマンがいないメトロポリスでスーパーガールやガーディアンたちが奮戦。また最愛の息子の葬式が盛大に行われているのに、スーパーマン=ケントという真実を明かすわけにもいかず、葬儀に参列できないケント夫妻の苦悩が、淡々と描かれた話です。

 とりあえず、この話の中のポイントは2つです。
 第1は、政府に支援を受ける遺伝子研究機関、プロジェクト・カドモスがスーパーマンの遺伝子を目的に、彼の死体を盗み出したこと(その後、スーパーガールとレックス・ルーサー2世によって、死体は棺の中に戻されるのですが)。
 第2は、本編ラストにて再び死体が消失し、調査の結果、どうやら墓の“内側から”何者かが扉を開けて出ていったらしい、ということです。

※今気付きましたが、墓から死体が消えるって、某救いの御子と同じパターンですね。確か、本編でも7日目くらいでしたし。


8.スーパーマンの帰還――ただし4倍に増えて……。

 さて、上の2つの伏線を引きつつ開幕するのが、3部作最終話『リターン・オブ・スーパーマン』もしくは『レイン・オブ・スーパーメン』です。

 この話はスーパーマンの死体が行方不明になった直後、「スーパーマンの後継者」を名乗る4人の新スーパーマンが登場する所から始まります。それぞれがスーパーマンという偉大なヒーローの志や外観、あるいは魂を受け継ぐこの4人は、各々の手法を貫き、メトロポリスの市民を守ってゆきます。ではまず、この4人の紹介からいきましょうか。

・バイザー:ラスト・サン・オブ・クリプトンを自称。南極にあるスーパーマンの孤独の城塞にエネルギー体にて顕現、その後メトロポリスのスーパーマンの墓に侵入し肉体を得る。エネルギー源であるはずの太陽光にセンシティブになり、サングラスをかけている(そのため付いたあだ名がバイザー)。
 冷血漢で、手から放射するエネルギーブラストで、悪人どもに瀕死の重傷を負わせるなど、元祖スーパーマンとはかなりかけ離れた行動理念を持つ。
 孤独の城塞を拠点としている、クラーク=スーパーマンだと知っている、スーパーマンの死体に乗り移って復活した(様に見える)等の点から、本物度数はかなり高い。

・サイボーグ:全身の大部分を機械化して復活した(と自称する)スーパーマン。性格的にはオリジナルに最も近いが、記憶の大部分は失われている(らしい)。
 調査の結果、機械化部分はクリプトン星のテクノロジーで構成され、また生身のDNAもほぼスーパーマンと一致することが判明。断片的ながらロイスとの記憶を持ち合わせており、バイザーの次に本物に近い。

・スティール:“マン・オブ・スティール”の称号を受け継ぐ。元エンジニアのジョン・ヘンリー・アイアンズは過去に自身の開発した武器が、ギャングによって悪用されていること、あまつさえその武器で近所の子供が殺害されたことに怒り、過去に製作していたパワードスーツを完成させ、胸にSのエンブレムを付け、スーパーマンの代わりとなってメトロポリスを守ることを誓う。
 スーパーマンとは全くの別人だが、アイアンズの隣人の占い師が「外見は異なっていても彼にはスーパーマンの魂が乗り移っている」と発言したためにスーパーマンの後継者として目される。理念的には最もスーパーマンに近く、ロイスですら一時「魂乗り移り」説を信じかけたほど。
 本人的にはスーパーマンの意志を継ぐ気でいたものの、本物のスーパーマンの座を奪う気は無く、“後継者争い”からは距離を置く。

・スーパーボーイ:“マン・オブ・トゥモロー”を自称。カドモス・プロジェクトが産み出したスーパーマンのクローン。見かけは16歳程度。最もスーパーマンの後継者争いに熱心で、スーパーボーイと呼ばれると「俺はスーパーマンだ!」と、非常に怒る。


9.仁義無き相続

 さて、こうして登場した4人のスーパーメンはそれぞれの手法、方法論を打ち出し、人々に受け入れられていきます。中でもサイボーグはカドモス・プロジェクトが秘匿していたドゥームズディの死体をハーネスだのワイヤーだので隕石にくくりつけて宇宙に投棄。一方でホワイトハウスを襲ったテロリストを倒して大統領の賛辞を得、“本物”として認められていきます。

 が、程なく謎の巨大宇宙船が、グリーンランタン(ハル・ジョーダン)の故郷、コーストシティに襲来。調査に赴いたバイザーは、突如翻心したサイボーグ・スーパーマンに重傷を負わされます。直後、宇宙船はコーストシティに数千の核爆弾を投下、700万人の市民の住む大都市は一瞬にして焦土と化します。悠然と宇宙船の甲板に降り立ったサイボーグを出迎えたのは、かつてのウォーワールドの帝王、モングルでした。


 サイボーグの正体は、ハンク・ヘンショウでした。

 スーパーマンのマトリクス・チャンバーを奪い、外宇宙への旅に出たヘンショウは、荒涼とした宇宙空間を流離う内に精神に異常をきたし、自身の現状、仲間たちの死、それら全てをスーパーマンのせいだと思いこみ、彼に対して激しく憎悪を募らせるに至っていました。
 やがて、荒涼とした惑星に降り立ったヘンショウは、偶然その星に流れ着いていたモングルと遭遇。スーパーマンという共通の憎悪の対象を持つ2人は手を組むこととなります。
 マトリクスから得たスーパーマンのDNAおよびクリプトン星のテクノロジーを用いたヘンショウはサイボーグ・スーパーマンの肉体を作り出します。その後、地球に帰還した彼はスーパーマンの伝説を失墜させるべく、彼の名を騙り、密かに地球破壊計画を遂行していたのでした。

 サイボーグ・スーパーマンとモングルは、地球を第2のウォーワールドとすべく、コーストシティの跡地に巨大な機械化都市、エンジンシティを建設、続いてメトロポリスに狙いを定めます。
 サイボーグはコーストシティの惨事を全てバイザーに被せ、またスーパーボーイをエンジンシティにおびき寄せ、捕虜にします。そして、アステロイド付近に宇宙船の本隊がいるという偽情報でジャスティスリーグやグリーンランタン(初代)らを宇宙の彼方に派遣し、エンジンシティへの介入を防ぎます。

 一方、瀕死の重傷で孤独の城塞に戻ったバイザーは、城塞のロボットたちに治療を受け、その過程で自身の本来の記憶を取り戻します。


 バイザーの正体はエラディケイターでした。

 スーパーマンがドゥームズディと相打ちになったその直後、クリプトン人を絶対的に保護することを第一義とするエラディケイターのプログラムが機動し、人工知能はエネルギー体として孤独の城塞に復活を遂げていたのでした。
 その後スーパーマンの墓に赴いたエラディケイターは、墓の壁をすり抜けてスーパーマンの死体に接触。彼のDNA、記憶を読みとり、自身の肉体を組み上げます(※実体を持たなければ満足に活動できなかったため)。

 こうして実体化したエラディケイターは、スーパーマンの死体を携え孤独の城塞に帰還していました。スーパーマンの死体が消え、墓が内部から開かれていたのは、こうした理由によります。その後エラディケイターは、太陽光線を集束するリジェネレイション・マトリクスを製作、マトリクス内にスーパーマンを封印し、蘇生を試みます。しかし、スーパーマンのDNAを読みとった際にエラディケイターは多少の記憶の混乱を起こしており、自身がスーパーマンであると思いこみ、活動を開始していたのでした。


 さて、エラディケイターが城塞に帰還する寸前、リジェネレイション・マトリクス内の本物のスーパーマンは、奇跡的に蘇生を果たしていました。しかし、復活した彼の肉体からは、超能力が消えていたのです。やむを得ずクリプトン製のパワードアーマーに乗り込んだスーパーマンは、南極から海底を歩いてメトロポリスに向かいます。

 一方、辛うじてエンジンシティからの脱走に成功したスーパーボーイは、サイボーグの翻心とその計画を伝えにメトロポリスへ向かい、スーパーガール、スティール、そしてメトロポリス湾に上陸した本物のスーパーマンと合流します。
 コーストシティの惨状を聞いたスーパーマンは、レックスの部下からロケットブーツを借り、スティール、スーパーボーイ、スーパーガールと共にエンジンシティへ飛びます(ただしスーパーガールは、いざという時のための切り札として、姿を透明化して同道)。サイボーグとモングルの姿を求め、都市内に侵入したスーパーマンたちは、エンジンシティと一体化したサイボーグに出迎えられます。

 エンジンシティでの戦いは苛烈を極めます。やがて、メトロポリスに向けて発射されたミサイルを制止しようとしてスーパーボーイは重傷を負い、スティールもアーマーをサイボーグに乗っ取られ、無力化されます。スーパーマンを密かにアシストしていたスーパーガールまでも倒され、危機に陥るスーパーマンでしたが、間一髪、復活したエラディケイターに救われます。

 他方、コーストシティの守護者グリーンランタンは外宇宙から帰還し、焦土と化した故郷の仇を取るべくモングルと交戦していました。モングルの黄色い肌に苦戦しつつも(※グリーンランタンのパワーは、なんであれ、黄色の物体には無効)、コーストシティの人々の怨嗟の声に突き動かされるジョーダンは、傍らに落ちていたスティールのハンマーでモングルを打ち倒します。

 その頃、エラディケイターと共にエンジンシティ中心部にたどり着いたスーパーマンは、サイボーグ/ヘンショウと対峙します。不敵に笑うサイボーグは、エンジンシティの駆動源が巨大なクリプトナイトの結晶であることを明かし、スーパーマンに向けクリプトナイトの粉塵を浴びせかけます。
 が、いち早くエラディケイターが楯となり、クリプトナイトの放射線を吸収。自身のエネルギーを触媒にしてクリプトナイトの放射線の極性を変換し、逆にスーパーマンにエネルギーを充填させます。結果、超能力が復活したスーパーマンは、弾丸よりも速いその一撃で、サイボーグの胸のエンブレムを貫き、超高速振動でサイボーグのボディを原子から破壊します。

 かくて、ただひとりのスーパーマンが残りました。

 めでたし、めでたし。


追記:事件後の各人各様

・クラーク・ケント:ドゥームズディ事件後、スーパーマンの表の顔であるクラーク・ケントは行方不明として処理される。だが後にスーパーマンは、ドゥームズディに破壊された市街地の片づけの最中、瓦礫に埋もれていた非常用シェルターの中にいるケントをX-レイ・ビジョンで発見し救助する。人々が見守る中、救出されたケントと親友スーパーマンは、固い握手を交わすのだった……以上、スーパーマンとスーパーガールの(救助されたケントはスーパーガールが変身したもの)自作自演でした。
 ちなみに「死んじゃってた」間にアパートの大家はクラークの荷物を引き払って部屋をスーパーボーイに貸すわ、プラネット新聞社は彼の後継者を雇い入れるわで。
 その後、ペリー編集長を拝み倒してプラネットに復帰するわ、住みかがないのでジミー・オルセンの家に居候するわ、エンジンシティで浴びたクリプトナイトの影響で超能力が大暴走するわで、日常を取り戻すのに少しばかり苦労することとなるのでした。

・スーパーボーイ:程なく、自身がスーパーマンのクローンではなく、カドモス・プロジェクトのディレクター、ウェストフィールドの遺伝子から作られたクローンであることを知る。彼の超能力も、スーパーマンの超能力とは異なる接触念動力(タクタイル・テレキネシス)であった。その後ハワイに定住。1年後、スーパーマンの正式な従弟となり、コン・エルの名を貰う。
(2009年註:更にその後、実はウェストフィールドがレックスに騙されていたことが判明。スーパーボーイの正体は、スーパーマンとルーサーの遺伝子のハイブリッドであった)

・スティール:その後ワシントンにてヒーロー活動を開始。その才気を買われ、新生JLAメンバーに。後にメトロポリスに帰還。

・エラディケイター:クリプトナイトにより重傷を負うもかろうじて回復。ガンで死にかけていたスター・ラボの研究員デビッド・コナーの人格と合一する。その後ヴィジランテチーム、アウトサイダーズに参加。やがてエラディケイターの原プログラムと、コナーの人格、それに個としてのエラディケイターの人格がせめぎ合い、人格崩壊を起こすも、個としてのエラディケイターが他の人格を統合し、また原プログラムを切り離すことで、アイデンティティを取り戻す。
(2009年註:最近姿を見ないな、と思ったら、なんや『インフィニット・クライシス』の前あたりに、オマックに襲われて意識不明の重体になった模様。クリプトン人絡みの設定が大幅に変わってる現在、旧設定に依存した出自の彼が復活する余地はあるのか……?)

・ジャスティスリーグ・アメリカ:彼の死んでいる間に、ワンダーウーマンがリーグに招聘され、リーダーに就任。スーパーマンは復帰後、再びリーグに誘われるものの復帰せず。
 ガイ、マキシマ、マーシャン・マンハンターらも程なく抜けてゆき、かわりにオブシディアン、アトムスマッシャー、ブルーデビルといった2線級のキャラが続々加入(解散したジャスティスリーグ・インターナショナルからフラッシュが編入されたのがせめてもの救いか)。おかげでリーグ一層弱体化。
 その後、国連からも支援を打ち切られ、解散同然に。あげく、スーパーマン、バットマンらによって新生ジャスティスリーグ・オブ・アメリカが結成。気付けばワンダーウーマン、フラッシュまでも新生JLAに鞍替え。おまけに異星人に衛星軌道上の基地を破壊され、引導を渡される。合掌。

・レックス・ルーサー:スーパーマンが復活してからしばらくの後、ルーサー2世のクローンボディが突如老化&ロイス・レーンに正体を見抜かれるといったダブルパンチを喰らい、ヤケを起こしてメトロポリスを道連れに自爆を試みるも、スーパーマンらによって阻止され、植物人間状態で警察に拘留。
 が、その後のアンダーワールド・アンリーシュド事件にて、妖魔ネロンと取引をしたルーサーは、若々しく健康な肉体に復帰。その後に行われた裁判では、「クローンボディの一件は、(クローンボディの製作者である)ドノヴァンに脅迫されて従っていただけで、私に罪はない」とヌケヌケといい放ち、更にファイナル・ナイト事件で人類救済に貢献したことで心証を良くし、無罪放免される。

・モングル:メタヒューマン専用の刑務所に収容されていたが、脱走。フラッシュやグリーンランタンらと交戦する。が、程なく欺瞞の皇子ネロンに首の骨を折られ、死亡。
(2009年註:現在シネストロ・コァに所属してるのは、彼の息子の2代目モングル)

・サイボーグ:ドゥームズディの死体を留めるハーネス内にバックアップを保存しており、ドゥームズディと共に、惑星アポコリプスにて復活。アポコリプスの帝王ダークサイド+スーパーマンと交戦。しかしダークサイドのオメガ・エフェクトによって原子レベルまで分解され、彼の虜囚となる。

・ドゥームズディ:宇宙の彼方にて復活し、暗黒惑星アポコリプスを蹂躙。彼の復活を知ったスーパーマンと時空監視人ウェーブライダーにより時の果てに封印される(しかし何者かが時空間に干渉し……)。
(2009年註:その後、幾度も復活したり、ダークサイドによって量産されたりと、スッカリ安っぽい怪物に成り下がりました)

グリーンランタン:自身のパワーリングの力を用い、コーストシティの復活を試みる。が、彼のあるじであるガーディアンズ・オブ・ジ・ユニバースにリングの力を私利に用いたとされ、叱責を受ける。
 逆上したジョーダンは惑星オアのセントラル・パワーバッテリーのエネルギーの吸収を試み、その過程でグリーンランタン・コァを壊滅させる。ガーディアンはグリーンランタン・コァ最大の造反者、シネストロを蘇生させてまで制止にかかるが、ジョーダンはシネストロを殺害。
 ジョーダンはセントラル・バッテリーの全エネルギーを吸収し、エネルギーを断たれたガーディアンズはただひとりを残して全滅する。神域の力を手に入れたジョーダンは全てを有るべき姿にすべく、時空の地平に消える。
(2009年註:すべてはパララックスのせいでした<ナゲヤリ)
  
  
今検索したら、『デス・オブ・スーパーマン』と『リターン・オブ・スーパーマン』ってば、1冊のハードカバーで出てた。……投げ売りされてるソフトカバーを買った方が安い気もするけど、宣伝素材とかの資料集40ページは見たいかも。
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コメント

*もうグリーンランタンはどうなっても知らん。

>(2009年註:すべてはパララックスのせいでした<ナゲヤリ

反米テロリストは真っ先にアメコミ編集部へ武力行使するべきですね。

*Re: もうグリーンランタンはどうなっても知らん。

>NAMELESSさん
 すみません、ウィットに富んだレスなどが思いつかないので
「私には、貴殿のおっしゃっていることが掴みかねていますが、世の中にはそうした論旨を持つ方がいることは記憶に留め、今後、そうした意見も尊重していきたいと思います」
という、具合なレスを返させて頂きたいのですが、いかがな具合でしょうか。

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