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●どうでも良きエングルハート。

2010.11.24 Wed

▼どうでも良きエングルハート:

 こないだ届いた『バックイシュー!』第45号が「奇妙なカップル」特集で。

 グリーンランタン&グリーンアローとか、パワーマン&アイアンフィスト、デアデビル&ブラックウィドー、ヴィジョン&スカーレット・ウィッチといった、割と奇妙な組み合わせのヒーローのコミックについてもろもろ記事が書かれてたのですが。

「DCコミックスでマーベル風のライティングをしていたので、奇妙なカップリングといえるよね!」とかいう牽強付会にも程がある理屈で、スティーブ・エングルハートに1970年代の『ジャスティスリーグ・オブ・アメリカ』誌を担当してた頃についてのインタビューが2番目に掲載されてるのは、どうなのか。いや、この時期のエングルハートの話には興味があったので、むしろウェルカムでしたが。

 ちなみに1970年代のエングルハートは、

・マーベルを電撃的に退社。
 ↓
・DCに移籍
 ↓
・1年後、小説家に転身

 とかいう華麗な経歴を誇ってたのですが。

 その、オイラは今までこの流れについて「DCに移籍後に小説家になることにしたのであろう」と思っていたのですが、実はエングルハートはマーベルを退社した時点で小説家に転身しようとしてたことが、今回のインタビューで判明して「ほう」と思った。

 マーベル退社時のエングルハートは、1年間ヨーロッパを放浪してから小説家になるぜ! とかいう青臭いことを考えてたらしいのですがー。そこへDCの新パブリッシャー、ジャネット・カーンが「あなたの好きにしていいから『ジャスティスリーグ・オブ・アメリカ』誌を書いてくれない?」とかいう話を振ってきたそうで。

 でー、エングルハートは「1年だけしか書かないよ、俺、小説家になるし」「あとついでに『バットマン』も書かせてー」とかフッかけたら、カーンはアッサリ「いいよ」といったそうで。いい話だ(幸い、『ジャスティスリーグ』も『バットマン』関連誌もジュリアス・シュワルツが編集してたし)。

 ちなみに、エングルハートはマーヴルを退社した理由も答えてたのですが、ブッチャケ、「総編集長になったばかりの若造ゲーリー・コンウェイが、“俺さま一番偉いんだから、俺の書きたいタイトルを書くぜ!”的に、俺の『アベンジャーズ』とスティーブ・ガーバーの『ディフェンダーズ』を奪ったからだ」とかいう感じ。

 ……ちなみに、このインタビューの編集者、凄ぇ偉いことに、わざわざコンウェイ当人にもエングルハートが退社した経緯を聞いてるのね。

 コンウェイによれば、そもそも「私の総編集長としての仕事は、マーベルの支出を抑えることも含まれていた。で、当時の『アベンジャーズ』は〆切りブッちぎりで、印刷所へ払う違約金が馬鹿にならなくなってた」という事情があって。

 でー、エングルハートにきちんと〆切りあわせで原稿を書いてもらおうとしたコンウェイは、彼に「必ず金曜日中にシナリオを上げてください。したら、休み明けの月曜日からアーティストが作業に入れます。もし金曜に原稿が間に合わない場合、私が土日を使って代用原稿のプロットを考えますので」的に話をしたそうで。

 そして、問題の金曜日、エングルハートは予想通りに〆切りをブッちぎった上に「金曜が〆切りとか聞いてない、アーティストは月曜から仕事するんだろ? 土日に書いて間に合わすよ」とかいう返答。

 でで、コンウェイが「そう告げてたから」と、代理原稿のプロットを書き出したところエングルハートは「その代理原稿は俺の一連のストーリーラインをぶちこわしにする。それを載せるんだったら俺はマーベルを辞める」といいだして。

 それに対してコンウェイは折れずに自分の書いたプロットを通しちゃって、アッサリとエングルハート退社、と。

 まあ、若造にナメられたくないベテランのエングルハートと、若造だからといってナメられたくないコンウェイが互いに衝突しちゃった感じですな(……まあ、コンウェイ自身も更にこの後、「若造のくせにベテラン」のジム・シューターと色々やり合って、ごく短期間で総編集長職を辞してDCに移籍しちゃうのですが)。

 こう、サラリーマンとしてはコンウェイの方を支持したいけど、エングルハートの作家性も認めてやりたいよなぁ、と思った。


 あと、たった1年間じゃ、思うようにストーリーを展開できないので、DCの上の方とかけあって「毎号ダブルサイズ」のページ数に(当時コミック本編は基本17ページだったのを34ページに)してもらったけど、そのペースについてきてくれたアーティストのスティーブ・ディリンはスゲェぜとか、『アベンジャーズ』のサブキャラであるマンティスを『ジャスティスリーグ』誌に「別の世界からやって来た、謎の美女・ウィロー(仮名)」として出しちゃった例の件に関しては、実はきちんとジュリアス・シュワルツに相談して許可をもらってたとか、諸々いい話を聞けた。

 前号のゲリー・コンウェイ インタビュー(※)といい、最近の『バックイシュー!』のインタビューはいい感じでオイラのツボをついてきやがるぜ、という適当なシメで終わる。

(※)1970年代の『スパイダーマン』関連のインタビューで、「スパイダーモービルはスタン・リーがオモチャ化を狙って出させた」「スタンが“とにかく出せよ! すぐ壊していいから!”っていったんで、1号でぶっ壊したよHAHAHA」という、ブッチャケトークが素晴らしかった。  
  
  
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タグ:編集者 資料本

コメント

*

エングルハートと聞いて、飛んできましたよ

>『バックイシュー!』第45号
あい、こちらも注文しております。まだ届いておりませんが。

>「総編集長になったばかりの若造ゲーリー・コンウェイが、“俺さま一番偉いんだから、俺の書きたいタイトルを書くぜ!”的に、俺の『アベンジャーズ』とスティーブ・ガーバーの『ディフェンダーズ』を奪ったからだ」
まあ、この辺は当時のアヴェンジャーズを読んでいれば、スカーレットウィッチの扱いとか急激に路線変更してるのが良く分かるんで得心のいくことですが、エングルハートは'80年代にもウェストコースト誌とシルヴァーサーファー誌を同時にマーヴルとケンカ別れして投げ捨ててるんで、俺の中ではトラブルの多い作家だなぁ、と。
きちんと話を終えて降りてるのは、ディフェンダーズとドクター・ストレンジだけかな?

>当時の『アベンジャーズ』は〆切りブッちぎり
ああ、それで「ビーストがアヴェンジャーズに入るから、紹介の意味も兼ねてネ!」的にリプリント号(http://www.milehighcomics.com/cgi-bin/backissue.cgi?action=enlarge&issue=05815547774%20136)が唐突に入ったのか!

エングルハートの俺様節なエピソードは本人のサイトで色々拝めますので、一度行って見られてはいかがと。
http://www.steveenglehart.com/

*

>Humanflyさん
どうもっす。ええ、割と飛んでくるのを待ち受けておりました。

個人的にはエングルハートはあんまり経歴をきちんと調べてなくて
自分の中で割合、像が結ばれてなかったりしてたのですが、
Humanflyさんのレスを読んで、がぜん「俺様キャラ」として興味がわいてきました。
公式サイトも見てみるです、はい。

……日本で『バックイシュー!』を買ってる人って、あと何人ぐらいいるのかしら。

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