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●『グリーンランタン:リバース』を読んだ、の巻。

2011.01.31 Mon

▼『グリーンランタン:リバース』を読んだ:

 読んだ。

 こう、オイラの場合、『グリーンランタン』は「エメラルド・トワイライト」をきっかけに入って、それからほぼ10年間、5代目グリーンランタンのカイル・ライナーくんが主役を務める『グリーンランタン』の物語を読んできた、一言でいえば「カイル世代」な読者だったのですが。

 そんなオイラ的には、この『リバース』は、発表当時は「ジョーダンの復活と新たなるグリーンランタンの物語」っつーよりは、「カイルが最前線に立っていた時代の終焉を告げる物語」的な認識だったりしてな。

 だもんで当時は「カイルが10年間頑張って位置を築いてきたのに、ここでジョーダンを生き返らすのかよぉ」とか思いつつ、「これからはカイルくんの出番はなくなるのだろうなぁ。ていうか死んじゃったらやだなぁ(※ジェフ・ジョーンズだし)」などと微妙な諦念を混じらせつつ読んでたなぁ、ということを思い出した。
  
 ……まあ、ジョーダンがグリーンランタンの最前線で活躍することにスッカリ慣れて、カイルもいい役所を振られてる今現在の状況下において本作を読むと、素直にジョーダンの帰還を喜べるし、クライマックスの宣誓シーンとか「ちょう燃える」のですが(語彙が貧困ですね)。


 個人的には、本作の巻末に掲載されてる初期稿を読んで、ようやくシネストロの“死”の真相がわかったのがよかったです。オイラは今まで、「ジョーダンが首を折ったシネストロは、実はシネストロ&パララックスが生みだした幻影」じゃねぇかと思ってたのですが。初期稿によれば、シネストロは本当に首の骨を折られてたけど、「リングのパワーで死には至ってなかった」状態だったそうで。

 ……いやそれ、ズサンな計画じゃね?(ビームで骨にされたキロウォグみたいに、「首の骨を折られる」以外の方法で殺害されてた可能性もあるし、だいたい、直後にジョーダンがセントラル・バッテリーのパワーを奪い尽くすってのに、リングのパワーで生命維持とか危ないって!)
  
  
  
  
 でー、な。
  
  
 本誌に添付されてる「解説冊子」のテキストは、毎度のことながら入念に調べた上で書かれてるし、「ああ、この項目にかこつけて、この設定を紹介しているのか」といった具合な、テキストの書き手の意図が汲めるトコなど、もろもろ楽しく読めるものだったのですが。

 ただ、「それはちょっと、意図がわからない」と思う部分があったので、指摘してみようと思った。
  
 ……まあ、具体的には「アビン・サーの死因」について記述なのですが。


(襟を正し、ちょいと生真面目な顔になりつつ)
  
  
 さて、現行の『グリーンランタン』の設定では(というか『グリーンランタン:リバース』以降、ジェフ・ジョーンズが紡いできた『グリーンランタン』の物語世界においては)、アビン・サーの死因は「(後のレッドランタンであり五逆徒の1人)アトロシタスに重傷を負わされたあげく、宇宙船が地球に不時着して致命傷を負った」と、なっている。

 これは裏設定でも何でもなく、現在では単行本としてもまとめられている『グリーンランタン:シークレット・オリジン』ストーリーラインで、明確に描写された設定だ。

 しかし、邦訳版『グリーンランタン:リバース』の解説冊子では、アビン・サーの死因は「悪人リージョンに重傷を負わされたあげく、宇宙船が地球に不時着して致命傷を負った」といった具合に記述されている。

 何故かは、筆者にはわからない。


 このリージョンというキャラクターは、1989年に発表された“この当時のグリーンランタンのオリジン”を描いたミニシリーズ『グリーンランタン:エメラルド・ドーン』に登場した悪人になる。こちらの作中ではリージョンはアビン・サーに致命傷を負わせている。

 ただし、この『エメラルド・ドーン』の物語は、『シークレット・オリジン』が発表され、グリーンランタンのオリジンが“上書き”された現在においては、その物語の大方は「なかったこと」にされた。

「リージョンがサーに重傷を負わせた」という設定も、『シークレット・オリジン』において「アトロシタスがアビン・サーに重症を負わせた」という設定を上書きされ、消滅した。

(※一応いっておくが、リージョンは『シークレット・オリジン』には一切登場していない。というかそもそも、リージョンは『エメラルド・ドーン』にしか登場していない)

 つまりは、この解説冊子は「現在では上書きされ、消失した設定」をアビン・サーの死因として紹介しているのだ。

 一方で、この「現在の正式なオリジン」である『グリーンランタン:シークレット・オリジン』の物語が、2011年夏に邦訳予定だ(※邦訳版『リバース』のオビの折り返し参照)。

『リバース』の解説で、アビン・サーの死因について、『シークレット・オリジン』と矛盾する解説をしておきながら、将来的に、『シークレット・オリジン』を出すつもりである、というのは、いったいどういう意図なのだろうか。筆者には、その意図は測りかねる。
  
  
 なお、この解説冊子では、「ハルの父親の死を巡ってのジョーダンとキャロルの父親とのわだかまり」とその帰趨や、「ハルの母親の死因」についても解説されているが、これらの設定は『シークレット・オリジン』において詳細に描写された設定になる。

 つまり、この冊子は、あるパートでは『シークレット・オリジン』を踏まえたテキストを載せているのに、アビン・サーの死因に関しては『シークレット・オリジン』での描写を無視して、古い設定である『エメラルド・ドーン』での描写を取り上げるという、勝手な設定の混淆をおこなっているのだ。

(※ちなみに「ハルの父親の死を巡ってのジョーダンとキャロルの父親とのわだかまり」は、『シークレット・オリジン』のドラマの鍵の1つであり、その帰趨について『リバース』の解説上でネタばらしをしているのは、いかがなものかと思う)

 そうまでしてアビン・サーの死因を『エメラルド・ドーン』基準で解説しようとする、その意図はなんなのだろうか。

 というか、意図があってリージョンについて触れているのであれば、リージョンというキャラクターについても、きちんと解説すべきだと思うが、この冊子には「リージョン」を解説する項目はない。それも、筆者には解せない。
  
 ――この冊子におけるリージョンの記述は3箇所(そう、3箇所もあるのだ!)で、いずれもアビン・サーに傷を負わせたことについて触れられている。それだけ言及すれば、読者は「サーに致命傷を負わせたこのリージョンとは、どんなキャラクターだろうか?」と疑問に思うだろうに。

 何の意図があってかは知らないが、読者に現行のサーの死因を伝えず、さりとて紹介している過去の設定についての詳細は避ける。それは読者に対して、アンフェアではないのか。
  
  
 重ねていう。このテキストを書いた方の意図が理解できない。

 あるいは、まったく意図などなく、単に設定をヒドく勘違いしているのではないのか? もしかすると、『シークレット・オリジン』『エメラルド・ドーン』を読まずに、ネット上の記述だけを頼りにテキストを書いているのではないか? という疑念すら浮かんでくる(※根拠のない憶測です。信じないように)。


  
 ついでにいえば、この冊子の7ページ目の「イスマルト」の解説文で、「リングの力で宇宙を渡るグリーンランタンがなぜ宇宙船に乗っていたのか、長らくファンを悩ませてきたこの疑問に答えを出したのは、あのアラン・ムーアである」との記述があるが、「『グリーンランタン』第1話でアビン・サーがなぜ宇宙船に乗っていたのか?」という疑問の答えは、1962年(オンゴーイング・シリーズの連載2年目だ)に出た『グリーンランタン(vol. 2)』第16号で既に語られており、「長らく」ではない。
  
 あと、冊子7ページ目の「GLコミックの常で~」の解説文で「カイルの父も息子と再会した時点ではその正体に気付いていない」とあるが、『グリーンランタン(vol. 3)』第150号(カイルと父親が始めて対面した号)で、父親がかなり前からカイルの正体に気付いていた描写があったことを指摘しておきたい(カイル世代なのでな!)。

(この手の細かなミスの指摘はもう少しできるが、いい加減長くなったので終わる)
 
  
 以上。
  
  
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タグ:今日読んだアメコミ

コメント

*もっと、翻訳されることを希望。

ツッコミを読んで、さらにグリーン・ランタンを読みたくなりました。

シークレットオリジンも楽しみです。

グリーンランタン:リバースは、ハルが堕落するストーリーも読めていたら、もっと楽しめた気がしますが、どうでしょうか?

*

>重ねていう。このテキストを書いた方の意図が理解できない。

単にリバース時点のオリジンが解説中のそれなのと、訳す予定の
シークレットオリジンの丸々ネタバレになるからなのでは?

*

>アメコミ・ファンさん
>ツッコミを読んで、さらにグリーン・ランタンを読みたくなりました。
ネガティブな意見で横溢したこのエントリを読んで
非常にポジティブな感想を抱いていただきまして、ありがとうございます。

>グリーンランタン:リバースは、ハルが堕落するストーリーも読めていたら、もっと楽しめた気がしますが、どうでしょうか?
ですね。
こう、アメリカン・コミックスってのは
長いこと毎月読んできたコミックの設定なりが、
ある日突然に、「すごく深遠な何かの一部分であった」ことに気づく瞬間というのが
非常に楽しいものです。

一方で、自分よりも前の世代、いわば「ハル・ジョーダン世代」は
どのような面持ちで『リバース』までの10年を過ごし、
『リバース』を読んだのだろうか、ということを考えてみたりもしますが。
……ていうか、今から10年後、今の「ハル・ジョーダン」世代が
どんな顔をしてその頃の『グリーンランタン』を読んでるのでしょうかね。

*

>アキヒロさま
ご意見ありがとうございます。
個人的には、その当時の設定がどうであれ、
2011年1月に刊行される単行本では、現状の設定を解説すべきであると思います。
どうしても解説をしたければ、「この当時の設定では」などと時制を明確にすべきだと思います。
(※この解説冊子の問題点の一つは、解説している事柄の時制が、全体的に不明瞭な所だと思います)

あと「カール・フェリスとハル・ジョーダンの確執」という
『シークレット・オリジン』クライマックスの重大なネタバレを
この冊子で懇切丁寧に解説をしている時点で
>訳す予定のシークレットオリジンの丸々ネタバレになるから
という推測は的を外れているかと思います。

あとアビン・サーの死因は『シークレット・オリジン』の導入にすぎないので、
執拗に隠すべき事柄でもないかと思います。

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