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●最近のローニン。

2011.05.06 Fri

 久々に、最近読んだアメリカン・コミックスの話。ネタはオリエンタル・テイストな世界観で微妙に話題になったアレ。

▼『5ローニン<5 Ronin>』

5 Ronin
5 RoninPeter Milligan
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 ウルヴァリン、パニッシャー、デッドプール等、マーベルの人気ヒーローを、和風テイストに置き換え、時代劇調の舞台で展開される物語、とかいうコンセプトのミニシリーズ。

 舞台は、バトル・オブ・セキガハラの後、天下の帰趨が決定したことで、日本にローニンがあふれ出していた時代。センゴク・ピリオドとエド・エラの狭間の時代。

 バトル・オブ・セキガハラでイースト・アーミー側に付いたことで権力を手中に収めたザ・ダイミョー(※劇中では名前は出てこない<最終話に出てたかも<適当か)に恨みを持つ5人のローニンたちが、この狭間の時代に生きる意味を求めて足掻く、そんな具合の物語。

 物語は全5話で、各タイトルの内容は以下のような感じ。

・第1号「5ローニン:ウルヴァリン」
 物語はいきなり主人公が惨殺されるという画期的オープニングから開幕。不死身の肉体の持ち主であるらしいローニン(ウルヴァリンっぽい人)と、その肉体の謎を巡るお話。謎の乞食(デッドプールさん)の妄言に導かれローニンは己の影と対峙する……とかなんとか。
 あ、ちなみに本作は「それなりに」日本の資料を基に、超能力とかヒーリング・ファクターとかが登場しない「割とリアル」な世界観で書かれてるので注意。妖怪とかNINJAとかも出ないし、伝奇的なテイストもなし。


・第2号「5ローニン:ハルク」
 剣を捨て、山奥に畑を拓いて平穏な生活を送ろうとする僧侶が主人公。この人が、まぁハルク役のローニンなわけですが、別に緑色の巨人に変身したりはせず、「怒ると見境なく暴れちゃうんで暴力を封印している」程度。
 ヤトーと化したローニン軍団の恐怖にさらされるとある農村。村の青年は、キチガイ乞食(デッドプールさん)の助言を信じ、元は屈強なサムラーイであったという僧侶に助けを求めるが……。
 クライマックスのバトルの「やっちゃった」感が半端ない1本。いいことしようと思っても、ああなるのがハルク的よね、と。


・第3号「5ローニン:パニッシャー」
 ケイチョー・インベーションでコリアを攻めていた帰還兵のサムラーイが主人公。……パニッシャーさんの「ベトナム帰りの帰還兵」的なテイストを和風に変換してみたわけですね、きっと。
 長きにわたる海外での戦いから帰還したサムラーイだが、その領地はザ・ダイミョーに召し上げられ、愛する妻はチジョクを受けぬため、タントーで喉を突いてジガイしていた。領地を失い、今やローニンとなった男は、復讐のため、ザ・ダイミョーの配下を血祭りに上げていく。だが彼は忘れていた、ザ・ダイミョーの配下にもまた、家族がいることを……。
 和風テイストなガジェットを使いつつ、復讐のむなしさを描いた話で、個人的には一番好きかも。しかし、そんなビターな味わいを、両手に持った大口径火縄銃というビジュアルのインパクトで台無しにするパニッシャーさんがステキ。


・第4号「5ローニン:サイロック」
 イギリスン紳士ブラドックさんとジャポネーゼのハーフであるところのオイラン(人呼んでバタフライさん)が主人公。
 ヨシワーラ・ナンバー1のオイランであるバタフライは、他人の心を読む術に長けており、男たちを容易に手玉にとる(※バトル・オブ・セキガハラの直後だってのに、ヨシワーラが存在してることは気にしたら負けです。<大工さんが頑張ったんだよ!)。ある日、彼女は尾羽打ち枯らしたローニンに心惹かれ、彼と一夜を共にする。そのローニン(例のウルヴァリンっぽい人)がザ・ダイミョーのアサシネートを計画していることを知ったバタフライは、突如タントーを抜き、ローニンに襲いかかる。果たして、彼女の真意とは……? とかなんとか。
 レーティングPA(15歳以上推奨)ということで、スモーレスラーっぽいオッサンとバタフライさんのエロスなシーンも描かれてます。


・第5号「5ローニン:デッドプール」
 これまでの4話において、そのキチガった言動で、4人のローニンたちの運命の転機となってきた謎の乞食(デッドプールさん)の正体と過去、ザ・ダイミョーとの関わりが明かされる話。
 ラストには5人のローニンの「その後」とかも書かれてて、まぁ、物語のテーマらしきものが語られる最終話。本家のデッドプールさんに負けず劣らずのキチガイぶりを見せるデッドプールさんに、「あーあ」と嘆息すること間違いなし。


・総評めいたもの:
 こう、全5話のミニシリーズで、1~4話までが、「キチガイっぽい謎の乞食の導きにより、己の運命と対峙することになったローニンたち」の話で、最終話がそのキチガイ乞食が主人公の話、という構成だと、最終話のストーリー展開は「5人が一堂に会して、ザ・ダイミョーと戦うんじゃないかな」と、予想するのではないでしょうか。
 ていうかこの『5ローニン』というタイトルは、『セブン・サムライ(『七人の侍』の米題)』が元ネタなわけで、このタイトルからも読者は、本作が『七人の侍』のオマージュっぽい展開になって、「ひと癖ある5人のローニンが集って悪に立ち向かう話」だと、予想するのではないかと思うんですが。

 ……恐ろしいことに、この『5ローニン』の最終話は、そういった読者の予想を、容易に裏切ります。しかも、悪い方向に。本作の悪役たるザ・ダイミョーは、最終話にて討ち果たされますが、その死に様は、開いた口がふさがらず「エェェェェェェ」と変なウメキが漏れるような、カタルシスに欠けたものとなっております。なにあれ。ていうか、いままでの4話で積み上げてきたドラマとか意味ねぇ!

 つか、それまでの4話にしても、「平穏を求めるローニンと逃れられぬ戦いの運命」とか「妻子の仇を討つために復讐鬼と化すローニン」とかいう具合に、時代もののよくあるパターンをヒネりもなくマーベル・キャラクターっぽい主人公に演じさせてるだけでね。しかも変にリアルな世界観にしたおかげで、キャラクターのマーベルっぽさ(=荒唐無稽さ)も削がれてて、ネタとして突き抜けてるところもなしで。

 手短に本作を形容すれば、第1~4話は「凡作」。第5話は「嬉しくない裏切り」。総合して「割と読んだことを後悔する一作」。

 これで、もうちょっと「気の違ったオリエンタリズム」が横溢してれば、ジャパニーズとしてはネタとして面白がれたのですが、逆にそれなりに勉強して「頑張って書いてる」感が出てて、ギャグにしづらい。実に困る。

 以上。
  
  
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