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●アメコミの原稿料のハナシ、続く。

2013.07.10 Wed

▼続いた:

 こう、前回の記事を書いた後で、アメリカン・コミックスの原稿料とかについて、適当に検索してた(どれくらい適当かというと、英語でなく「アメコミ 原稿料」という日本語のキーワードで調べてたぐらい適当)。

 したら、かのバロン吉本先生が、1980年頃にアメリカで生活してて、マーベル・コミックスとかに営業をかけて、最終的に『サヴェッジ・ソード・オブ・コナン』でB&W(要は白黒ね)の短編を執筆したという話を見つけて「へぇぇぇぇ」となる。

 詳しくは、こことかここを読んでいただけると、まぁ、一発なのですが、要するに、バロン先生、1980年頃にサンディエゴ・コミック・コンベンションに参加して、で、その帰りの飛行機で、同じくコミコンに出席してた手塚治虫と一緒になって。

 でー、治虫がいつものように思いつきで「マンガ家同士でアメリカに家を買おうぜ!」とかいいだしたら、バロン先生、なぜか自分1人でアメリカに家を買っちゃって、その上、「よし、アメリカの出版社に持込みするぜ!」とか決心して、マーベル・コミックス社ほかの出版社を巡った、という。

 ……スゲェ。意味が解らないがとにかく凄い行動力だ。

 まあ、当時の先生は代表作の『柔侠伝』シリーズが完結して、それなりにまとまったお金を持ってたかしてたのでしょうね。……に、しても、アシスタント10名引き連れてアメリカに渡り、3ヶ月間アメリカで色々な体験をしつつ、日本向けの原稿を執筆してたとか、カリフォルニアに買った家からはるばるニューヨークのコミック出版社に営業かけに行ったとか、並大抵じゃない行動力だよなぁ。

 ちなみに、バロン先生が書いた短編が掲載されてるのは、『サヴェッジ・ソード・オブ・コナン』の第67号ね。アメリカのコミックデータベースサイト、GCDにもBaron Yoshimotoとして登録されてるのだ。ちなみに脚本はブルース・ジョーンズで、先生はペンシル&インクを担当。

 で、インタビューによれば、先生は当時日本ではページ1万円ほどの原稿料をもらっていたのだけど、マーベルでの原稿料はその5倍だったそうで。要は5万円、と。

 ちなみに1981年当時の平均円相場は、おおよそ1ドル221.45円(参考:wikipedia日本語版)。

 50000円÷221.45=225.78なので、この仕事でのバロン先生のペンシラー&インカーとしてのギャランティは、1ページあたり約225.78ドルって感じかしら。前回のエントリの数字だと、ペンシラー:150ドル、インカー:130ドルで、大雑把に合計して280ドルだけど、1980年頃は今よりも多少物価が安かったろうから、まあ、妥当な数字なのではないでしょうか(適当な)。


 あと、もう1つ見つけたのが、かの平田弘史先生が1980年代初頭に、DCコミックス社向けに描き下ろしグラフィック・ノベルを執筆していた、という記事。

 これね。

 まあ、元の記事を読めば解るように、結局、平田先生はもろもろあって原稿の完成を遅れに遅らせ、最終的にDCコミックス社と契約を解消、その後、さらに時間をかけて完成した原稿はインディーズ系出版社エクリプス・コミックス社から刊行されるという事態になったそうなのですが(DCから出ていたら、フランク・ミラーの『ローニン』と同時期の出版になってましたね)。

※ちなみに記事中に出てくる、平田先生とDCとの仲介をしたMike Friedrichは、メインストリームのコミックス界では『ジャスティスリーグ・オブ・アメリカ』、『アイアンマン』などのライターとして知られるマイク・フリードリヒその人ですな。

 でー、この記事で興味深かったのは、平田先生がDCからもらっていた原稿料の金額が堂々と書いてあるところですね。

 平田先生はページ単価約215ドルだったそうです。おお。

 でもってこのレートは、DCコミックス社の他の作家の20%増し、新人作家としては50%増しの金額だったそうです。つまり、当時のDCの一般的なアーティストへのページ単価は約215ドル÷120×100=約179.16ドル。新人作家のページ単価は約215ドル÷150×100=143.3ドル、という感じですかね。

 ……あれ、でも215ドルって、バロン吉本先生のページ単価より安くね?

 あるいは平田先生の215ドルってのはペンシル+インクの原稿料じゃなくて、ペンシル単独でのギャランティなのかなぁ(でも平田先生って他人にインキングとかさせなさそうだしなぁ)。

 もしくはバロン先生が描いた『サヴェッジ・ソード・オブ・コナン』はマガジンサイズの雑誌だったから、通常のコミックブックとはギャランティのレートが違ってた、とか?

 それとも平田先生とDCとの仲介をしてたマイク・フリードリヒが仲介料を取った後の金額?

 あるいは単にDCコミックスがマーベルよりもギャランティが安……(<待て)


 まあ、とりあえず、1980年代にアメリカでコミックを執筆した作家とそのギャランティについての貴重な証言、ということでメモしておくものナリ(ていうか、マイク・フリードリヒが日本のマンガに興味を示して、個人的に活動してたことの方が驚きだよ!)。

 ちなみに劇画系の作家がアメリカの出版社で単発仕事をするというと、後は1993年にエピック・コミックスから刊行された小林源文・画の『サイコノーツ』が有名ですかね。こいつは日本語版も出てますが(考えてみれば、エピック・コミックス・レーベルの数少ない邦訳である。ついでにいえばアラン・グラントの数少ない邦訳作品でもあるな)。


 まあ結論としては、今度バックナンバー買うときに、クダンの『サヴェッジ・ソード・オブ・コナン』と、平田先生の『Samurai, Son of Death』を一緒に買おうと思った(サイコノーツはそのうち日本語版で)。

 以上。
  
  
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タグ:アメリカのマンガ

コメント

*

あ、このサヴェッジソードの話積んでるダークホースの復刻本にあるかなと思ったら...コナンの話でもハワードの話でもなさそうだから収録されてないかも...サヴェッジソード本誌あたるしかないかもしれませんね

*

>Captain Y さん
どうも、奇しくも続けてCaptain Yさんのアンテナに引っかかる感じのエントリになりました。

『サヴェッジ・ソード~』の該当号は、今だとローンスターで2ドルちょいで買えるんで、バロン先生の10数ページの短編目当てで買うなら、再録TPBを1冊買うとかよりは、オリジナルを買った方が安く上がりそうですなー。

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