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●『マーベル・マンガバース』版スパイダーマンを読み返したぜ、な日々。

2015.01.19 Mon

▼『マーベル・マンガバース』版スパイダーマンを読み返した:

 した。

 やはり、オイラ個人としては、面白かったなぁ、と思った。

 でー、これから長々と書く説明的なそれで、興味を持った方には読んで欲しいかなぁ、と思うのだけど、現在『マーベル・マンガバース』を読む手段って、

「TPB(多分、初版以来、再版されてなさげ)を、Amazonマーケット・プレイスとかで、無闇なプレミア価格で買う」

「コミックショップでバックナンバーを買う」

「マーベルの電子書籍読み放題サービス、マーベル・アンリミテッドで見れるらしいので、加入して、見る」

 とかいう、少々ハードルの高いソレらな感じで、あんま簡単には読めないのがションボリだなぁ、と。

 まあ、読める状況にあったり、買ったけど積んだまま、とかいう人は試しに読んでみ? と。


 ちなみに、今回のエントリで触れる「マーベル・マンガバース版スパイダーマン」ですが、定義としては、オリジナルの「マーベル・マンガバース」の企画において刊行されたワンショット『マーベル・マンガバース:スパイダーマン』と、その後スピンオフとして刊行されたミニシリーズ『スパイダーマン:レジェンド・オブ・ザ・スパイダー・クラン』の2つ、カーレ・アンドリュースがライターを務めてる2本ね。

 スパイダーマンが全然出てこない『マーベル・マンガバース』本編とか、その後のオンゴーイング・シリーズや、スパイダーマンが主役の1人を務めてはいるけど、ライターが違う『ニュー・マンガバース:ザ・リングス・オブ・フェイト』は除外。

 要するに、カーレ・アンドリュースの書いてる物しか認めませんという、狭量なソレ。こちとらジジイなので狭量なのはしょうがないのだ(開き直り)。

 書いている、といえば、アンドリュースは『マーベル・マンガバース:スパイダーマン』の方では、ライティングのみならずアート(ペンシル&インク)も担当しておりますが。個人的には、こっちの『マーベル・マンガバース:スパイダーマン』のアートの方が、『スパイダーマン:レジェンド・オブ・ザ・スパイダー・クラン』のアートよりも好きかなぁ、と。

 んでアンドリュースは、この後2006年にも、ライティングとアートを兼任して、『スパイダーマン:レイン』なぞを書いて/描いておりますが、まあ、アンドリュースの『スパイダーマン』といえば、こっちの『レイン』の方が有名ですな。

 っつーかオイラ、『スパイダーマン:レイン』読んだ後、偶然に『マーベル・マンガバース:スパイダーマン』を書いた/描いたのもカーレ・アンドリュースだと知って驚愕したモんですよ。なんせアートスタイル全然違うんだもん。

※『スパイダーマン:レイン』:過去のとある事件で心を折られ、ヒーローを引退した老人のピーター・パーカーが、色々あってスパイダーマンに復帰するも、肉体と精神を折られ、挫かれ、敗北し、社会になんらの変革も及ぼせず、それでもピーター個人の贖罪のために足掻き戦う物語。ミもフタもない形容をすればスパイダーマン版『ダークナイト・リターンズ』。バットマンがその憤怒で社会を改革してしまう存在なのに対して、スパイダーマンってのは社会に敗北し続け、それでも戦う個人の物語なのだよなぁ、とか思わされる話。


 でー。


▼感想・総論的なもの:

 大雑把な感想としては、2作品ともに「スゲぇドライブ感溢れる構成」がみなぎっているというか、余分なシーンを極力省いて、心地よいスピードでラストに向けて物語を突き進ませてく感じが心地よいなぁ、と。

 こう、「ベンおじさんとピーターの絆の強さ」とか「ピーターは学校では超能力を隠して学内カーストの下の方にいる」みたいなディテールは、「詳細に描写しないけど、原典の『スパイダーマン』と大体同じなんで、類推して補完してね」的な省略をしてたり。

 あと、ザコとの戦闘シーンとか、仇敵を探し求めて街をさまよう、みたいな「描写としては必要だけど、物語を進める上では足踏みでしかない」シーンもバッサリ省略。

 さらには、設定とか過去の因縁の説明は「全てをご存知な師匠の霊体が夢を通じて説明」「なぜか夢の中で過去の出来事を幻視」的に、やはりシンプルかつ手短に済ませる感じで。

 でー、その辺を手短に済ませることで稼いだページを、自分が見せたいシーン(ピーターがベンおじさんを思い出して、「Noooooo!!」って叫びながら限界を超えた力を発揮するシーンは、盛り込みたいじゃん!?)とか、物語を面白くするガジェットの盛り付け(新たな敵を登場させたり、キャラクターを掘り下げたり)に費やしてる感じ。


 ただその、枝葉を切り落としたスピーディーな展開ってのは、逆に、「腰を据えて読み込んじゃう」と、要所要所の「も少し説明しとくべきじゃね?」ってディテールが気になる所も、無きにしも非ず……なのよね(ピーターの学校でのポジションについて、頭がいいのか、体育では本当の身体能力を隠しているのか、とかを、もうちょっとだけ説明しといて欲しいかも、とか)。

 ていうか……その、『スパイダーマン:レジェンド・オブ・ザ・スパイダー・クラン』の方がね。スパイダーマンが割と気軽にスパスパと悪のニンジャの首を飛ばしたりする話なんだけど、でもピーター個人は“殺人を犯した”という事実に葛藤しないのね。っつーか、その辺の葛藤に触れると話が横道にそれるので、ワザとガン無視してるんじゃないかと思う(多分)。

 その辺は、「悪人を殺さない」というポリシーがドラマにコクを生んでるオリジナルのスパイダーマンを愛する人には気になるっつーか、むしろ反感持たれるかもかなぁ、と思う次第ですが。

 こう、個人的には、敵のニンジャは「死んだら煙になる」感じの、「人外の何か」にして、故に首をスッ飛ばしてもOK! YES首斬り、NO葛藤! 的なエクスキューズを持ってもよかったんじゃないかなぁ、と。

 まあそもそも、敵のニンジャ軍団とかがね、“死んじゃってもいいような凄い悪人なのだ”て描写も割と淡白でね(あいつらは皆殺しにしても飽き足らないくらい位のヒドいことをしてた、的なセリフは出てるけど、絵で見せてないので、あんま重みがないのよね)。

 と、まあ、腰を据えて読んじゃうと、その辺のアラが気にかかるですが、このシリーズは、そういうところに目くじら立てるよりも、そういうところは「考えない」ようにして、作者側のスピーディな展開のつるべ打ちを、「この次の展開は? 展開は?」的に、少々気ぜわしいココロモチで読み進んでく方が楽しめるのではないか、と思った。

 なんだろ、荒削りなストーリー展開の良いところだけ見てあげましょうというか。

(……おかしい、このシリーズの「面白いところ」を挙げてたはずなのに、なんでこんな突っ込みとフォローを延々と書いてるのだ、オイラは)


▼『マーベル・マンガバース:スパイダーマン』の感想:

 まあ、最初に世に出た『マーベル・マンガバース』版スパイダーマンの物語、ということでいわゆるオリジン・ストーリーなのですが、「22ページしかないから余分なこと語ってるヒマはねぇ!」的に、実にもってスピーディに展開してくので……開幕1ページ目からベン叔父さんがアレなことになっております。

 でー、『マーベル・マンガバース』ってのは、手短にいうと、既存のマーベルキャラクターを「アメリカ人が考えるベタなマンガのキャラクター的にリ・イマジネーションする」という企画でありまして──例えば、ガンマ線を浴びたことで変身するハルクは、ジャパンの著名なラヂオアクティブ・モンスターである「ゴジラ」風の巨大怪獣としてリ・イマジネーションされてるのですが(<ベタでしょ?)。

 そんなわけで、本作のピーター・パーカーは、ニンジャ集団「スパイダー・クラン」の徒弟だったのですが、師匠であるベン・パーカーを、謎のニンジャ軍団クジ・キリ(九字切り? 九十九里?)のベノムに殺されてしまい、スパイダー・クランの最後の後継者となるのだった……とかいう、ベタにジャパナイズされた話になっております。

 でー、ベノムに復讐したいのだけど、メイ叔母さんが心配するので、ピーターのままでは活動できない。そこで、スパイダーな感じのマスクとコスチューム(オリジナルのスパイダーマンそっくりだけど、何故このデザインなのかの説明はバッサリ省略)を付けて街を飛び回る……とかいう感じでスパイダーマンが誕生する運びとなっております。ちなみにこちらのピーターは、本家スパイダーマンの様な壁に張り付く超能力などはないので、「手鉤」で壁面に張り付き、「鉤縄」を使ってスウィングしております。ニンジャなので。

 俊敏なスパイダーマンをマンガナイズしたい→そうだ、ニンジャにしよう! とかいう感じの、非常にベタな置き換えなのですが、更にベタさを推し進めて、ベン叔父さん=忍術の師匠としたり、敵役のベノムにも血族の因縁とかを盛り込んで、少ないページでドラマを充分以上に盛り上げることに成功してると思います。

 長期連載だと、この辺のごく狭い人間関係に色々と因縁を盛るのは、息切れしやすいんでアレですが、読みきりのワンショットなのをいいことに、「とりあえず要素を盛れるだけ盛ろうぜ!」という姿勢が個人的に高評価。


▼『スパイダーマン:レジェンド・オブ・ザ・スパイダー・クラン』の感想:

 ある意味でやりっぱなしで駆け抜けた『マーベル・マンガバース:スパイダーマン』が存外に受けたのか、程なくしてリリースされたミニシリーズ。ちなみに全5話。

 スパイダーマンが呪いのアミュレットを手に入れて闇堕ちして(コスチュームもブラックになるよ!)、闇のニンジャ軍団「シャドー・クラン」の一員になって、でもがんばってヒーローとして復帰するよ、とかいう、大筋自体はやはりベタで定番で王道なソレ。

 でー、気ぜわしいアンドリュースときたら、この定番展開に、スパイダーマン的、ニンジャ的なガジェットを盛れるだけ盛っておりまして、「見えざるを見、聞こえざるを聞き、触れえざるを触れる」スパイダー・クランの極意“スパイダー・センス”の謎とか、アミュレットを狙う謎のサイバー女怪盗ブラックキャット(被スパスパ要員)とか、シャドー・クランに恨みを持ち、闇堕ちしたピーターをも狙うデビル・ハンター(マット・マードック)とか、どうということのない脇役(学校の先生)なのに、何だか妙な存在感を示すオットー・オクタビアス先生とか、科学と魔法を武器にアミュレットを追い求めるノーマン・オズボーン(魔法でゴブリンになるよ!)とか、あと地味にがんばってるクジ・キリとか、説明不足にも程があるピーターの両親の謎とかとかとか、4ページ毎に新たな展開や、新キャラクターが出てくる感じの、せわしなくもサービス精神旺盛な展開となっております。

 しかも4号後半から意外な方向に物語が転がって、ラストバトルが予想もつかぬオチがついて(このシーンのオクタビアス先生が無駄にシブい)、いつの間にか悪は滅びていて(その一方で、今後にも繋がりそうな伏線も張られて)。でー、ピーターが日常を取り戻して、メイ叔母さんの微笑みと共に物語はなんだか大団円を迎える、という(残念ながらアンドリュースによる続編は出なかったけど)。

 なんつーか、前作が「スパイダーマンのオリジンを、マンガ&ニンジャなガジェットを盛りつつリメイクした話」であるのに対して、今回のシリーズは、「アメリカナイズされたニンジャ活劇にスパイダーマン的ガジェットを盛った」感というか。

 先立ってもいった様に、本シリーズのピーター・パーカー/スパイダーマンは、パカスカ人殺しするので、まあ、オリジナルのスパイダーマン的なヒーローからは足を踏み外してる感があるのですが、その一方で、割と“悪の親玉が肉親”だったりする、いかにもマンガ的な因縁の絡み合いが強化されててね……こう、スパイダーマンの神話からは逸脱した、新たな存在になりかかっているというか……なので、ミもフタもないことをいえば、本作がスパイダーマンであることにこだわらなければ、面白がれると思う。多分。

(……いかんな、どうしても手放しで「面白い」って言い切れない)


▼長々と書いて飽きたので、とって付けたようなオチ(おい):

 まあ、そういう訳で、荒削りだけど、見るべきところはある作品だと思うので、見れる人は、見ろ(本当にとって付けたようなオチだな、オイ)。

 こう、元々スパイダーマンのオリジンの変奏曲的なワンショットとして登場したのに、続編を求められたことで、スパイダーマンから逸脱した何かに変異し、その何かの可能性が萌芽することなく、ミニシリーズ『ニュー・マンガバース:ザ・リングス・オブ・フェイト』をもってマーベル・ユニバースから消えてった、というのがマンガバース版スパイダーマンの大雑把な歴史なのですが。

※『ニュー・マンガバース:ザ・リングス・オブ・フェイト』:「ニュー・マンガバース」と銘打ちながら、マンガバースの世界観を完全にぶっ壊したミニシリーズ。「もう、この世界駄目だから後腐れなく壊しとこうぜ」的に、それまでのシリーズに登場したキャラクターたちが、ポッと出のニンジャ軍団・ハンドによって9割方ブッ殺されてくという、厄介払いを絵にしたような話。ちなみにライターはC.B.セブルスキー。本作のライターだったというだけで、俺はこの10年以上もセブルスキーに対していわくいいがたい感情を抱え、そしてこれからも抱え続けることだろう(知らぬ)。

 そのマンガバース版のスパイダーマンが消えてから10年が経った今になって(『ニュー・マンガバース:ザ・リングス・オブ・フェイト』は2005年の作品)、唐突に「それもまた、スパイダーマン・ユニバースであるのだ」的に、ジャパンのスパイダーマンと肩を並べて存在を肯定されるという事態にね、いわくいいがたい(これは肯定的な意味で)感情を抱くのでありますよ。ええ。

 ヒーローもののコミックスのコンティニュイティというのは、10年くらいのスパンで付き合っていくべきものなのだなぁ、とかなんとかいう、適当な感想でどうか。

<飽きたので完>
  
  
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