Homeスポンサー広告資料風なソレ>●スタン・リーな日々:

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

●スタン・リーな日々:

2007.10.04 Thu

 下記は「the Comics Journal Library 6: the Writers」収録の、ゲリー・コンウェイのインタビューより、コンウェイがマーヴルにいた当時のスタン・リーのエピソード。

 スタンの人となりを伝える良い逸話だと思うんで、突発的に翻訳してみた。
 

――あなたがマーヴルにいた間に目にした、スタン・リーの良い点、あまり良くない点について教えてもらえますか?

コンウェイ:スタンについて言えることの1つ目は、僕が1969年末から1970年初頭にかけて、マーヴルで試用期間だった頃の話だね。
 ロイ(・トーマス)が、当時のマーヴルのライティング・テストの機会を与えてくれた。それは、4ページの原稿のコピー、僕の場合は『キャプテン・アメリカ』だった。
 各ライターは、それら4ページに台詞を書くことを求められ、それを元に、スタンがそのライターを使うかを決めるんだ。
 僕はその4ページを書いた。それも、僕がDCで書く時のスタイル、スーパーヒーロー的なものよりは、ムードを重視させたスタイルでね。
 ロイは気に入ってくれて、それをスタンに渡した。で、それを読んだスタンの反応は「ふーむ、この書き口は、いささか若くないかね」という感じだった。
 ロイは言った。「ええ、実の所ゲリーは16歳ですから。ですが、16歳にしては充分に書けてますよ」と。
 で、スタンは言った「ふむ、何故に誰か別の、大人なりに書ける人間を取らないんだね?」(笑)
 彼はやがて、僕がマーヴルで働くに充分だと認めてくれた。スタンのそうした、およそデリカシーに欠けた性格は、常に僕に面白い衝撃を与えてくれたよ。
 僕の妻のカーラ<Carla>はスタンの元で働いていたんだが、彼は彼女がこれまで働いてきた中で、最高の雇用主の1人だと感じた。
 彼は非常に優しく、彼女を雇用者として気にかけてくれた。しかし彼はまた、彼女に山ほどの仕事を投げつけてきた。なぜなら彼は、カーラが彼のアシスタントとして精通している仕事、契約やなんかについての個々の性質を、てんで熟知していなかったからだ。
 スタンは常にそうした“優しい無頓着さ”の持ち主だ。
 彼は基本的にはいい人だと僕は思う。彼自身もいい人であろうとしているし、なにより彼の従業員に対して良くありたいと思っている。けれど彼は、精細な人間じゃないんだと思う。
 もしも彼が、誰かを個人として捉えているなら、彼は君に対して非常に良くしてくれるだろう。だが問題は、彼にその誰かを個人として捉えさせることなんだ。彼は一種、自己中心的な人間だからね。
 その彼が“僕らの1人”でありたいとする試みは、非常に滑稽でね。
 僕がマーヴルで働いていた時期、DC(コミックス)では、こんな習慣があった。
 DCのパブリッシャー、カーマイン・インファンティーノは、時折、オフィスの人間を引き連れてフライア・タックス<Friar Tuck's>――DCのオフィスの真向かいにあるレストランだよ――に行くんだ。みんなは数時間ばかりくつろぎ、飲んで食べてダベる。
 カーマインは取り巻きの心を掴み、僕らの1人であろうとしていた。カーマインは欠点のある人だったが、それ以上に良い所を持っていた。その中の1つが、この僕らの1人であろうとする姿勢だった。それは彼の魅力でもあった。
 一方でスタンは、群衆の中の1人であろうとすることを、何ら気にかけていなかった。でも、カーマインがそのようなことをしていると聞いたスタンは、それが素敵なアイデアだと思いこみ、同様のことを僕らに対して試みようと思った。
 その結果、終業時間が近づいていた、とある午後のマーヴルのオフィスに、突然スタンが現れて興奮して言った。「どうだ、階下のビーフン・ブルー<Beef 'n' Brew>に行こうじゃないか。みんなの飲み代は私が持とう」とね。
 まあ、その時オフィスには5人ばかりしかいなかった。僕とジョン・バーポーテン<John Verpoorten>、ジョン・ロミータ<John Romita>、トニー・モーテラロ<Tony Mortellaro>、それにスチュー・シュワルツバーグ<Stu Schwartzberg>もいた。彼は当時『クレイジー<Crazy>』(編註:当時マーヴルが出していたユーモア雑誌)のアーティストをしていて、写真複写機<stat machine>(編註:ゼロックスが普及する以前の複写装置)で作業をしていた。
 そしてスタンは僕らを集めると、階下のビーフン・ブルーに連れて行った。
 彼は言った「どうだい、まずは1杯」
 僕らは言った「OKです」
 彼はバーテンダーを呼びつけると「皆にビールを」と、注文した(笑)。
 僕らはその場に強ばった姿勢で、呆然と座っていた。なぜならスタンは、人々をくつろがすのが得意とはいえなかったからね。
 彼はテーブルに身を乗り出し言った「ふむ、何について話すかね?」(笑)。
 当たり前だけど、スタン・リーにそこにいられちゃ、よそよそしくなるさ。僕らはみんな、互いをチラチラ見ては、とりとめのない雑談を続けてた。
 やがて話をしていたスタンが、自分の時計を見ると「ふむ、“良き仲間”として過ごす時間はこんなものかな」とでも思ったのか、「すまん、君らを残していかなければならない」と言うと、去っていった。
 僕らはみんなショック状態で座り続けていた。“何だったんだ?”僕らは互いに言い合った。
 ま、これがスタンについての良い話と悪い話さ。
 この話から解ることは、こうだ。彼は機会があれば、彼の雇用者に対し手をさしのべ、触れあい、そして近づこうとしている。だが彼には、場を和やかにしたり、一緒にいる人々に対して気を回すといった技能を全く持ち合わせていないんだ。


 以上。

 こんな感じに「他人が語るスタン・リーのエピソード」を沢山集めたいなぁ、とか思ってるんですが(ブッチャケ、竹熊健太郎の名著『1億人の手塚治虫』のパクリ)、俺の読む資料ってDC系が多いんで、あまりスタンの話は出ねぇなぁ、と気付いた。
  
  
関連記事

タグ:編集者

コメント

コメント投稿

Private

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://ironjoe.blog7.fc2.com/tb.php/69-8898b3b4
この記事にトラックバックする(FC2ユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。