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●豆知識予備校:『AvP』の元ネタは『プレデター2』のエイリアンの頭蓋骨……ではない。

2007.11.15 Thu

 劇場映画第2弾の公開も近づき、また微妙に活気づいている『エイリアンvs.プレデター』ですが。

 こう、劇場版なりコミック版なりゲーム版なりの『エイリアンvs.プレデター』を紹介する記事で、マクラとして良く語られてるトリビアで、

「映画『プレデター2』のラスト付近で、プレデターの宇宙船内のトロフィールームに、エイリアンの頭蓋骨がスタッフのお遊びで置かれていたことからイメージが膨らみ、“エイリアンvs.プレデター”というコンセプトが誕生した」

 ってのがありますが。

(※「プレデター2 エイリアン 頭蓋骨」でググると、ゾロゾロ出てきますんで、ヒマな人は試してご覧なさい)

 俺の記憶が確かなら、このトリビア、1990年代前半の時点で既に日本国内のそっち系の雑誌で広く流布してて、「宇宙船」あたりの特撮雑誌や「ホビージャパン」「ホビージャパンEX」あたりの模型誌の海外クリーチャー系映画の特集(※)で、『エイリアンズvs.プレデター』について言及される際には、割と定番ネタとして語られてたような気がするのですが、どうでしょうか(<俺個人はあまり特撮系雑誌の方は明るくないんで断言しかねてますが)。

(※)あの頃は韮沢・竹谷が単なる1ライターで、月1ペースでフィギュアを量産してた、クリーチャー系フィギュアの一種の黄金時代だったなぁ。<竹谷エイリアンが表紙を飾った『ALIENS』特集号なんて、今のHJじゃ考えられねぇ。
 ……考えてみれば、俺がアメコミに興味を持ったのも、この時期の「モデルグラフィックス」のSF映画特集と「帝国通信」で、トップスの『スターウォーズ』トレーディング・カードが取り上げられてて、その取扱店である所の下北沢のゴールデン・コミックスに行ったのが……(ジジィの独り言は長くなるので省略)


 と、まぁ、そんな具合に長年当たり前のように流布してきた、この「『AvP』=『プレデター2』起源説」ですが。その、実に納得のいく話だし、割と複数の記事で異なるライターが言及してた(……ような気がする)んで、俺自身この有名なトリビアを10年以上も、何ら疑いもなく信じてきたですよ。

 ……が、ですな。

 ここ最近、コミック版『エイリアンズ』と『プレデター』について調べていて、気付いたのですよ。

「エイリアンvs.プレデター」というコンセプトは、映画『プレデター2』よりもダークホース・コミックス社によるコミック版の方が全然早い、という事実に。

 その、映画版『プレデター2』の公開は、アメリカでは1990年11月21日なのですが、一方で、ダークホース・コミック社が初めてエイリアンとプレデターが戦うコミックをリリースしたのが、これが1989年秋でして。

 ……そう、実は、『プレデター2』が公開される1年前の時点で、既に「エイリアンvs.プレデター」のコンセプトは誕生してたのですよ。

 この史上初の「AvP」なコミックを掲載したのが、ダークホース・コミックス社の1色刷りのアンソロジー誌『ダークホース・プレゼンツ』誌。同誌の第34~36号(カバーデート:1989/11, 12, 1990/2(※))に、3号連続で掲載された、『エイリアンズ』と『プレデター』の短編がソレですわ。

(※)通例、カバーデートは、発行月の1、2ヶ月先の数字が記載されるため、おそらくは1990年4~5月に出たんじゃないかと思います。……インディーズ系出版社の場合、カバーデート=発行月って場合もあるんで(確かデビルズ・デューはそうだった)断言はしませんが。

 この全3話の構成が良くできてましてー。まず第34号掲載の物語では、『エイリアンズ』でおなじみのクイーン・エイリアンが、謎の宇宙船の船内に繋がれ、延々と卵を産み続ける様子が描写されますわ(一方でプレデターは一切登場せず)。で、続く第35号では、プレデターの宇宙船内で、“狩り”に赴く戦士を決める決闘(格闘戦)の様子が描かれ(他方、こちらにはエイリアンは登場せず)、最後の第36話で、未開の星に放たれた卵から成長したエイリアンを、プレデターたちが狩っていく様子が描かれ、ここにエイリアンとプレデターの世界観が合流する、という。

 で、この『ダークホース・プレゼンツ』掲載の短編をプロローグとして、それから約半年後の1990年初夏に、コミック版『エイリアンズvs.プレデター』第1作、全4号(※)の第1号目(カバーデート:1990/6)が隔月刊で刊行開始されてるのですわ。
 一方で、映画『プレデター2』は、コミック版『エイリアンズvs.プレデター』が正式に刊行されたこの時点でも、まだ公開されてないのですわ、これが。

 コミック版『エイリアンズvs.プレデター』の最終号(4号)のカバーデートが1990/12ですんで、この号が出る前後に公開されたワケですな。よい具合にタイアップできたんじゃないでしょうか。

(※)正確には、第1号(1990/6)と第2号(1990/8)の間に、前述の『ダークホース・プレゼンツ』誌掲載の短編3話を再録した第0号(1990/7)が刊行されているんで、全5号。現在ではこの3話分は、カラリングが施され、『エイリアンズvs.プレデター』の単行本にプロローグとして収録されている。

 ……どうでもいいけど、『エイリアンズvs.プレデター:オムニバス』第1巻収録バージョンの『エイリアンズvs.プレデター』は、プロローグや各章がトビラで区切られずにシームレスに繋がってて、「タメ」がないのが微妙にイヤ(しかも、クレジットは「チャプター1~4、6:フィル・ノーウッド」みてぇに、ページ数でなくチャプターで表記してやがるのはどういうことか)。



 と、言うわけで、『プレデター2』以前に「エイリアンvs.プレデター」は誕生してたわけですが、そうなるとむしろ、『エイリアンvs.プレデター』が、『プレデター2』のエイリアンの頭蓋骨のシーンに影響を与えた可能性も出てくるわけですがー。

 ……試しに調べてみたのですが、あの頭蓋骨が、「コミック版『AvP』を意識してた」というようなことを示す資料は見つかりませんでした。すいません。

 ちなみに『プレデター2』で、エイリアンの頭蓋骨を背景に置いたのは、同作の特殊メイク&クリーチャーデザインを担当しましたスタン・ウィンストンだそうで。何故に彼が、エイリアンの頭蓋骨を置いたか? という理由については、検索した所「異なる種族、異なるクリーチャーをプレデターが狩り、殺してきたことを見せる手段として」てな具合でして、コミックについては言及されてませんね。
 ちなみにウィンストンは『エイリアン2』のSFXも担当してましてね。故に、あすこでエイリアンの頭蓋骨を置いたのは、「コミック版『AvP』を意識して」とかじゃなく、単に自分が過去に手掛けたクリーチャーの中からエイリアンをチョイスした、ってな可能性もありますな。

 ま、置かれた理由がどうあれ、あのエイリアンの頭蓋骨が露出する以前に、コミック版『エイリアンズvs.プレデター』が存在していた以上、頭蓋骨が「エイリアンズvs.プレデター」誕生の契機になった、という例のトリビアは誤りであることは確かですわ。

 ちなみに、今回の記事を書くために、英語圏のサイトを2、3確認したんですが、この『プレデター2』のエイリアンの頭蓋骨について言及してるテキストには、大概、
「このシーンが『AvP』のヒントになったとか言われてるけど、ダークホース版コミックスの方が先だからね」
って註釈が付いてまして。

 どうもメリケンあたりでも、この「『AvP』=『プレデター2』起源説」は、広く流布しちゃってるようですな。

 どっとはらい。


 ……っつーワケで、これから「『AvP』=『プレデター2』起源説」に基づいて記事を書いてた、こないだのエントリを部分的に書き直してきます。<ヲイ。

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タグ:AVP 豆知識

コメント

*トリビアのトリビア

トリビアを出す人は制作者本人に確かめてないのですね。
トリビアを簡単に信じてしまうオイラは反省します。
調査お疲れさま。

*

コメントありがとうございます。
まあ、ネット環境が発達して、お茶の間から世界中の情報が検証できるようになった
今だからこそ、調査できたりもするのですが。
……ネットで検証してった情報が、実は丸々間違ってる可能性もないことはない、
とかいう疑心暗鬼も生じますが……。

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