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●豆知識予備校:ワンダーガール(ドナ・トロイ)は、ライターの勘違いで誕生した。

2007.12.09 Sun

 昔適当に書きとばしてた未発表のテキストをなんとなく張り付けるシリーズ(略称:適テキ)。今回は、なぜか唐沢俊一調の文体(※)で書いてたトリビアルなそれを、

(※)あれやねん、書いてみりゃわかるけど、この文体、頭を使わない&データの箇条書きと手癖で書けるんで、ネタさえあれば最小限の労力で量産できるんよ。


▼ワンダーガール(ドナ・トロイ)は、ライターの勘違いで誕生した:

 スーパーボーイが“少年時代のスーパーマン”であるのと同様、そもそもワンダーガールは、“少女時代のワンダーウーマン”として、ライター兼編集者のロバート・カニガーが生み出したキャラクターだった。

 つまり、ワンダーガールのコミックは「過去」の時点を舞台としているわけであり、その彼女と、ロビン、アクアラッドといった「現代」を舞台に活躍しているキャラクターとが競演することは不可能である(面倒くさいのでタイムトラベルなぞを持ち出して茶々を入れるのは遠慮して欲しい)。

 できるはずはないのだが、現に1965年発行の『ザ・ブレーブ&ザ・ボールド』第60号(カバーデート・1965/6-7)にて、ロビン、キッド・フラッシュ、アクアラッド、それにワンダーガールの4人のティーンエイジ・ヒーローが競演し、ティーン・タイタンズというチームを結成して活躍している。これはどうしたことか(いや、だからタイムトラベルはこの際忘れてくれ)。

 実はこれは、クダンの『ブレーブ&ボールド』第60号の脚本を担当したボブ・ハーネィ(それに、担当編集者のジョージ・カシュダンも)が、「ワンダーガール=ワンダーウーマンの少女時代」という設定を全く知らずに、ワンダーガールをワンダーウーマンとコンビを組んでいる相棒――「バットマン&ロビン」や「アクアマン&アクアラッド」のような――だと勘違いしていたために、うっかり「現代」を舞台とした作品にワンダーガールを登場させてしまったことで起きた事態なのである。

 しかし、ハーネィがこのような勘違いをしてしまったのには理由がある。何を隠そう、この当時の『ワンダーウーマン』のコミックで、絶対に並び立つはずのないワンダーウーマンとワンダーガールの競演が行われていたからであった。


 順を追って説明しよう。

 当時『ワンダーウーマン』のライターだったロバート・カニガーは、少女時代のワンダーウーマンである「ワンダーガール」の他にも、幼児時代のワンダーウーマンである「ワンダートット」が主役を務めるコミックを、『ワンダーウーマン』誌上で時折掲載し、好評を博していた。

 さてある時カニガーは、奇妙なアイデアを思いつく。『ワンダーウーマン』誌の人気キャラクターである、ワンダーウーマン、ワンダーガール、ワンダートットらを一堂に会させれば、読者は喜ぶだろう、と。

 こうしてカニガーは「不可能な物語」と銘打って、ワンダートット、ワンダーガール、ワンダーウーマンの3人が競演する物語を発表した。違う時系列に属する、3人の同一人物が集う理由の説明として、SF的なセンスがやや乏しかったカニガーは、タイムトラベルや平行世界などは持ち出さず、「この話はワンダーウーマンの母親であるヒッポリタ女王が、アマゾン族の超科学を用いて作った“映画”、すなわち作り話である」という設定をひねり出した。フィクションのフィクションという、なかなかにメタな設定である。

 ともあれ、この3人のワンダーウーマンが集う話は、好評を博したと見え、以降もカニガーは、ワンダーウーマンとワンダーガールらが競演する物語を、折を見て送り出していった。やがて、この「3人の競演」という話形はお馴染みのものとなり、それに伴い「ヒッポリタ女王の映画」という説明は省略されるようになる。

 結果、こうした物語を中途から読み出した読者の中には、ワンダートット、ワンダーガール、ワンダーウーマンの3人を別人として認識する者も現れだす。

 ……そう、ティーン・タイタンズの生みの親であるボブ・ハーネィもまた、この3人を別人だと認識してしまい、結果としてワンダーガールをティーン・タイタンズのメンバーにしてしまったのだ。


 まあ、この当時のヒーローもののコミックブックは、ユニバースや設定のつながりが今ほど密ではなく、ハーネィらは、この致命的な勘違いをさして気にかけることはなかった(例え読者にお手紙で指摘されようとも)。その後、正式に隔月刊誌として始動した『ティーン・タイタンズ』オンゴーイング・シリーズでも、ワンダーガールはレギュラーキャラクターとして活躍する。


 ただし、当時のコミック界にも、設定にこだわるウルサ型のコミックファンは存在しており、そうした層は、『ティーン・タイタンズ』を読みつつも、ワンダーガールの立ち位置については割り切れない思いを抱え続けていた。

 後に『ニュー・ティーン・タイタンズ』のライターとして一世を風靡することとなるマーヴ・ウルフマンは、この当時はまだコミックファンの青年に過ぎなかったが、彼もまた、「ワンダーガール問題」を気にかけていた1人だった。

 その後1969年、インターンとしてDCコミックス社で働くことになったウルフマンは、『ティーン・タイタンズ』の新編集者に就任したディック・ジョルダーノに見込まれ、『タイタンズ』の脚本をまかされることとなる。

 まさにこの時を待っていたウルフマンは、『ティーン・タイタンズ』版ワンダーガールの過去に焦点を当てた脚本を書き上げ、「『タイタンズ』に登場するワンダーガールは、ワンダーウーマンの少女時代である所のワンダーガールとは別人である」という設定を創出。『タイタンズ』版ワンダーガールの登場から4年目にして、ワンダーガール問題に決着をつけることとなる[Teen Titans (vol. 1) #22: 1969/9]。

 新たに書かれたオリジンでは、ワンダーガールことドナ・トロイは、火事現場からワンダーウーマンにより救助された孤児の少女で、アマゾン族によって育てられ、やがてワンダーウーマンと似たパワーを持つワンダーガールとして活動を開始したのだ、という設定になる。

 このマーヴ・ウルフマンによるワンダーガールのオリジンの創出は、「元コミックファンによるコミックのコンティニュイティの適正化」の先駆けであった

 後にマーヴ・ウルフマンは、『ニュー・ティーン・タイタンズ』誌の創刊に当たり、ワンダーガールをレギュラーキャラクターとして起用。彼女を独立したキャラクターとして発展させる一方で、2度に渡り、ワンダーガールのオリジンをアップデートし、ワンダーガールの「育ての親」となった。




▼以下余談。

 上記のようなトリビアを、ですな。俺は『ワンダーウーマン』のコミックを読まず、ネット上のタイタンズ関連のページと、トゥーモロー・パブリッシングの『タイタンズ・コンパニオン』だけを読んで書いていまして、『ワンダーウーマン』関連の資料は何にも読まずに書いてるわけですが。

 その、「ワンダーウーマン」側の情報で誤記や情報の読み違いなどがあるやも知れないので、間違っていたらすみません。とか、書いてみる。

 なんか最近、実本を読まずに、二次情報だけを読んでモノを書くことに、「きちんと知ってる人に嘲笑されてるんではないのか」的な、薄ら寒い妄想を抱くようになってきたねん。


 あと、気づけば来年3月に『タイタンズ・コンパニオン』の第2巻が出るのね。買わな。

 表紙のスーパーボーイとキッド・フラッシュを見ると、これはこれでいわくいいがたい感情がわきあがるよなぁ、とか思いつつ。

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タグ:豆知識

コメント

*

>ワンダーウーマン、ワンダーガール、ワンダートットらを一堂に会させれば、読者は喜ぶだろう、と

『ワンダーウーマン 世界に駆ける(脚本:浦沢義雄)』! てな感じですな。
いやー、この時代の時点で、実に後々まで踏襲されるパターンに手をつけているのがよく分かるエピソードですね。

件の#22はショウケース・プレゼンツ・タイタンズの2巻に収録されているだけに、個人的にタイムリィなネタでした。多謝!

*ワンダーウーマンは二人?

ちょうど『ショウケース・ワンダーウーマン』を先月まで読んでいたのですが、「ワンダーガール」編と二本立て構成の上、『(シルバーエイジ)ワンダーウーマン』は、やたらワンダーウーマン複数話が存在するんで、この辺りがバーン先生設定の元ネタなのかな~と思ったりとか。

ついでにドッドソン版フィギュアを手に取り、鎧を着けた方がドナなのね~と気づいたりとか。

*

ぬぅ、みなさん「ショーケース・プレゼンツ」を読んでますな。
オイラは今、「ショーケース・プレゼンツ:グリーンランタン」をボチボチ読んでるトコですが。

>Humanflyさん
>『ワンダーウーマン 世界に駆ける(脚本:浦沢義雄)』! てな感じですな。
む、なかなか的確な例えを。
すなわち次回作ではワンダーガールが巨大化して、巨大キルケーと戦ったりするのですな
(しねぇ)

>ロヒキアさん
>『(シルバーエイジ)ワンダーウーマン』は、やたらワンダーウーマン複数話が存在するんで、
>この辺りがバーン先生設定の元ネタなのかな~と思ったりとか。
バーン先生もマニアですから、案外、アタリかもしれませんなー。
そのうちオイラも読んどきたいもんです>シルバーエイジ・ワンダーウーマン

やっぱ、ヒーロー競演やニセ物登場とかは、ヒーローものの華ですな。

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